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写真集

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フィルムカメラ(オリンパスOM-1、ペンタックスMX、キヤノンAE-1、コニカSⅢ、ニコンEL)で撮影した写真たち。
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#フイルム

陰を行く写真記

忘れていくならいけというまま忘れられた景色のうちにこそ私の呼吸が生き返すところがある。役に立つかどうかは眼中になく、そこにあることを見捉える光学レンズの眼差しがあったことの疑えなさこそ信じよう。

Dream Catcher

風景はいつも歌っている。 今回はKodak ColorPlus200を使用して撮影。なかなか店頭に置いてないので使用頻度は今後も高くはないと思うが、その仕上がりはとてもよかった。 ISO200は初体験のため、露出感覚が分からないながら、最初はISOが倍になる毎に露出は一段変動するという知識を元にしつつ、しかしISO100と400の場合、箱に記載する目安が一段の変動であるためどちらに寄せるといいのか分からないまま400より1段明るく撮ったのだが、かなり明るくなることが分かっ

写真記230529

モノクロフィルムなんていまどきカラーネガをスキャンした画像編集で事足りてしまうと思っていたが、このフィルム入手難によって手にとることになったアクロスⅡにすっかり驚かされている。陰影が強く出るのでカラーと全く別の写真になってしまう。 色なんてもつんじゃなかった。そんな気にさせる。その辺のありふれたものを撮っても、どこか意味深な諧調で鑑賞者に何かを示してしまう。 何が写ったのか、もう分からなくてもいい、という気にさせる。闇に沈んだ部分がわずかな明暗をのぞかせた部分にイマジネー

【写真】モノクローム・モノローグ

艶のある黒。 植物群猥雑な、と言ってもいい。植物の直線的な意志はバタイユの思想の体現だった。 心象スケッチいつもの街歩きから色彩を奪うと異情に滑り込む。 車情ノーファインダ雨日傾斜左に傘を持って片手で撮るなら、カメラを斜めに立てて重心が垂直にした尺骨を伝って落ちる楽な姿勢。 夜に虚就く見出しタイトルは堀骨砕三の漫画から。漫画は閲覧注意。

【写真】異化、CineStill400D

梅田に行ったとき、八百富写真機店にてMARIX100Dと一緒に購入したカラーネガフイルム「CineStill400D」を使用してみた。三月末頃、FUJIFILMはカラーネガフイルムの製造を停止した。 それ以前からフジのみならず35㎜フイルムは店舗入荷も少なく購入本数も制限されていた状況で、年々の価格高騰も続いており、フイルムカメラファンにとっては更なる追い打ちとなっている。いま流通している在庫が消化されたら、しばらくフジカラーネガを目にすることがなくなる。なんとか状況が打開

【写真】ダム湖周遊

よく晴れた一日だった。 昼の時報のメロディを聴きながら、ようやく布団から起き、シャワーを浴びて外に出た。フイルムを入れて二日ほどおいたカメラを持って。モルトの加減が悪くないらしいことは前回の撮影で分かったものの、日をおいてもそうだという自信には欠けたため、少し時間をあけて撮影を再開することにしたのだった。 最近、安めのカラオケボックスができた。これはその帰りに振り返ったら雨と土とによごれたガラス越しにあった景色。 このところ雨が続いたのでカメラを安易に持ち出せなかったが

カメラにモルトを貼った話と結果写真

現在のメイン機NikomatELは中古で手に入れた当初からモルトがなかったため、今回まで入光部(裏蓋の開閉軸)に外から黒いビニールテープを巻いて遮光していた。 いちばん最初に試し撮りしたときにはこんな激しい感光があった。 その後に件のビニールテープで遮光性は得られたが、蓋の開閉のたびに剥がさなければいけなかったし、粘着剤も残ってべたつくようになってくるので、いずれはモルトを貼りたかった。 そうはいっても、モルトプレーンはそこらに売ってはいないし、ネットで購入するのも億劫

隙間に入り込む(写真日記)

このごろも、カメラを持ち歩き昼休みと夕方にぶらぶらとする。 飲食店を出てから本来の時間となる。商店街を突き、路地裏を抜け、建物のあいだに通用口を見つける。これらは車で走り抜けると直線的に切り裂かれていく視覚であり、歩行、散歩はそれ自体ひとつの現在へと志向する仕草である。 ミラーが脱落したニコマートELを手に散策する。私には目測距離が分からぬ。腕を被写体に伸ばし、指先でだいたい70cmの深度という感覚と、それでも分からなければ被写体まで一度歩く。一歩がだいたい60cmだろう

梅田歩き写真

前回の大阪へ行ったときの写真のつづき。期間が空いたのは今回の分はリバーサルフィルムだった加減で、行きつけのキタムラだと工場出荷で現像に日数を要したからです。 梅田の街は最後に住んでいたときすでに駅前の改修工事が始まっていたけど、完成してからは今回初めて訪れる。 フイルムは普段FUJIFILMのネガばかり使用するけど、今回はリバーサルFUJIFILM Velvia100を使用。 ネガに比べてかなり色味に透明感があり、うまく露出設定できるとかなり綺麗な写真に仕上がる。 あ

写真日記20230304

天然の良港なる、入江の奥詰まるところ、その形ひょうたんなる島のある。地元ではこれをひょうたん島といい、当漁港を象徴する。現在は埋め立てによって島の東側が陸続きとなって公園を形成している。島の2つの山上には小さいほうに大山祇神社が坐し、大きい方には鹿島神社が鎮座する。 埋め立て地に形成した公園を鹿島公園と称する。観光客向けの地場産品を販売する店舗もそばにあり、週末や連休にはそれなりに駐車場を埋める。 本日は午後から曇天、鈍い陽光というロケーション。やがて小粒の雨が降り出した