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作品の読解

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記事一覧

最果タヒ「死なない」の読解

 『現代詩手帖』2006.5号から最果タヒ「死なない」を再読した。なお同作品は詩集『グッドモー…

葭本しづき
2週間前
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詩集『ウイルスちゃん』への雑駁な想念

 暁方ミセイの第一詩集『ウイルスちゃん』(思潮社2011)から数編を読み返していた。頭はまと…

葭本しづき
7か月前
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詩の読み方について

 教えを垂れるほど読み方をしらない。先日、萩原朔太郎賞を受賞した杉本真維子の詩集を注文し…

葭本しづき
8か月前
4

大木惇夫の詩集『風・光・木の葉』を読む

 wikipedhiaによると大木惇夫は1895年広島に生れる。商業学校時代に文学に親しみ、与謝野晶子…

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アナ雪の岡田斗司夫解説の感想

岡田斗司夫のアナ雪解説を再見している。「もともと寒くなかった」を人間性の喪失として岡田は…

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舞踏を観てきた

【令和3年3月21日(日)「ジョン万流離譚」土佐清水市で初演‼】 https://www.shimizu-kankou.co

天穂のサクナヒメの啓発性

そういえばゲーム『天穂のサクナヒメ』について書いていなかったので、ここに書いてみようと思う。ただ、私自身はプレイしておらず、実況動画をかいつまんで視た限りの者であり、ストーリーなどに関して正確に触れることはできない。 『天穂のサクナヒメ』は「米は力だ」のキャッチフレーズで発売されたシミュレーションパートとアクションパートで構成されたゲームだ。 キャッチフレーズの通り、アクションパートで発揮されるキャラクターのステータスは、シミュレーションパートで作った米の質で決定する。よ

酒井登志丸『魳のうた』

 手書きがそのまま印刷された、おそらく少部数の私家版なのだろう。40ページほどの薄い本であ…

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貞久秀紀『外のなかで』から一篇読む

 前作『具現』にもあった「ある日」はこの詩集でも特徴的な使い方がされている。  昔話は「…

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横川辰之『東京マッチボックス』という写真集について

最近はカメラ熱が私を席巻している。私が主に使用しているのはオリンパスのOM-1というフィルム…

窓の描写

百均さんとなかたつさんがツイキャスでちかごろ話題の漫画、藤本タツキ「ルックバック」を考察…

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「私は太陽である」と書いたとたん、

とあるツイキャスでバタイユの「太陽肛門」(酒井健訳、景文館書店2018)が朗読されていた。私…

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押見修造原作映画『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』を観て ※ネタバレあり

簡潔な感想は「森田療法みたいな話」だった。 映画には、それぞれに生きづらさを抱えた高校生…

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智恵子の不在

以下はカクヨムからのコピペ。 ※引用しました詩行の字は必ずしも原文と一致しません(例:× 待っていた ○ 待つてゐた) そんなにもあなたはレモンを待っていた  「レモンを待っていた」のは誰か。詩の第一行目に「レモンを待っていた」のは「あなた」とある。すると、もちろん「あなた」が「待っていた」ことになる。当面は。 悲しく白く明るい死の床で  靄のもつまぶしさのようなものを想像させる。靄の中では誰もが影になる。影であるより認識される方法がなくなる。「あなた」はおぼろげな