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【通訳案内士・実務】 通訳案内士新人研修に参加しました

先日(2/22〜25)、JGAの「通訳案内士新人研修」を受講しました。4日間、朝から夕方までみっちりの研修で、非常にタフでした。

受講者は総計40人弱で、大まかには、初日は一日座学、二日目以降に京都・大阪・奈良の観光地を廻り、最後に観光関係業者との食事会・名刺交換会という流れでした。
最もタフだったのは観光地を巡る実地研修。ワイヤレスイヤホンで講師のマシンガントークを聞きつつ、案内の勘所や留意事項などをメモしながら歩き回り、頭も身体も酷使しました。
京都の場合の一日を例にとると、朝7時半過ぎに京都駅に集合、衣笠→二条→西陣→東山(五条〜南座)という行程を18時頃に終えるという強行軍でした。
研修参加費用は45000円掛かりましたが、充分その価値はあったと考えます。以下はこのJGA研修のインプレッションです。3つの良かった点を記します。

理由1)外国人案内時の留意事項を網羅的に学ぶことが出来る
・まず、配布されたテキストが非常に練られていました。市販の本には記載されていないような、現場事情に即した生々しい内容が記されています。また、講師も百戦錬磨の方ばかりで、それぞれ強みを持たれていました。
・一方、特に大人数のガイディングは非常にハードルが高いことも認識しました。ただ、この研修のメリットは「何が大変か」を具体的に知ることができることです。現状と理想のギャップが判れば、準備・対策も可能です。

理由2)インバウンド業界を目指す人々の考えを知ることが出来る
・自分はずっと企業の中でエンジニアとして働いてきたので、全く違う業種にどっぷり浸かるのは恐らく初めてです。周囲を見渡せば、受講生全て全国通訳案内士で(言語も中・韓・葡・西など多彩)、しかもがっつりインバウンド業界で生きようとしている人が大半なので、話を聞くだけで勉強になりました。特に各人のキャリア形成の考え方は参考になりました。
・また、感覚的に受講生の半分くらいは、既に大規模ツアーやボランティアガイドなどの経験者でした。自分はそういう経験が皆無なので、だいたい皆先輩でした。

理由3)自分の足りない点を知ることが出来る
・観光関係業者が求めている通訳ガイド像を生の声として知ることが出来たのは、大きな収穫でした。
・上記含めた研修全体を踏まえると、添乗スキル+個人の特別な強み+トラブル予測などの感度+はっきり面白く伝えるための英語能力…が通訳ガイドとして最低限必要なスキルと解釈しました。
※ガイドに求められる能力を知って(特に添乗スキル、ストーリーテリングスキル)、こんなん絶対無理やで…と感じるのは、大体皆通る道のようです。

所見)
・自分の印象では、大人数のガイドで重視されるのは、添乗業務60%、ガイド業務40%といったところ。ともかく大人数の引率では配慮すべきことが多いです。全旅程をこなすことを絶対目標として、トイレ、食事、訪問場所の状況といった様々な事前確認…。何よりツアーの最終確認業務がエージェントではなく、通訳ガイドに集中しているのが非常にキツい。一方、高度なトラブル予測スキルや専門技能が要求されるにも関わらず、通訳ガイドのインセンティブは弱いですね…。
・業者との会話の中で痛感しましたが、単に全国通訳案内士(特に英語)を持っているだけでは、この業界では訴求力は弱いです。資格を充分に活かすには、1)資格が輝く場所に行くか、2)英語以外のスペシャリティを磨くか、が必要と感じました。

さて、ここからどう動くか。全国通訳案内士の資格を取った後、少なくとも自分の世の中の見方はかなり変わってきています。合格発表後、まだ3週間しか経っていません。

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