転がる散文玩具


立てられた襟
外套に光る雪たち
終電を逃した少女
故郷の味
くるみまんじゅう
粉雪    切られた切手     赤い毛糸のてぶくろ
待つわ   あなたのてぶくろ    
凍える手に染みていく

沈む夕日   帰る家とは夢の中にのみある   
田園のかえる   道端でひかれた能面
カナカナゼミ    

遠い記憶それは意外に近くにある
車椅子夫人たちの蹴り合い   
姉の肉を貪るカラスたち   さよならのホームルーム     さよなら

さよなら俺の機械たち

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