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夜の病院の待合室で 車椅子に座る母の背中が小さくて 手を握るととても冷たい。 暖かいお茶を買ってきてあげると 父が 母の傍らに座り ゴツゴツした不器用な手で 母の冷たい手を 息をかけながら包んでいた。 2人ともお揃いの白髪頭で シワの増えたお互いの手を 少し照れたように 笑いあってた。 私はそっと踵を返し トイレに駆け込むと 嗚咽を殺して泣けるだけ泣いた。 不安と 絶望と その中で見た 暖かい温度が 胸に痛くて 苦しくて この二人の子
父と母今日、退院した母の髪は根元から6cmくらい真っ白で 入院した時よりおばあちゃんになっていた。 それを見た父が 「真っ白になってしもうて 笑 竜宮城の生活はどうだった?」 と冗談を言って、そこに居たみんなが笑ってた。 「お陰様で快適でした。鯛も平目も美味しかったです」 母も恥ずかしそうながらも、ユーモアで返す。 我が親ながら、いい夫婦だなとほっこりする。 私と母帰ってきてすぐ、母の髪を染めてあげて お風呂で洗ってあげる時、 一生懸命、ギューッと固く目