下請けSESをやめる

零細のしょうもないIT企業から転職して1年ちょっと経ったのだけれど、明日で最後の出勤になる。
ほとんどテストでおまけ程度に詳細設計やコーディングなどをしていた自分の経験からしたら待遇はかなり良いものだった。それまでが酷かったこともあり生活は楽になった。特に福利厚生に不満もない。しかし、商流がそこまで高くないので、結局どれだけ良くても下請けは下請けである、と思わざるを得ないようなことがいくつかあり、もしかしたらと思って少し上位の会社に応募したところ、通ってしまったのでさらに転職を決意。

下請けSESの界隈では、できない若手を経験豊富な流れの孫請けSE達がフォローするような構図(育成すらやらせているところもある)が当たり前になっているところがあり、「自分はどうしてこの人達の下で働いているのだろう?」という思いが強くなってきた。別に優秀な人ばかりの職場で働きたいわけではないのだが、「この人達でもこれぐらいの会社にいけるのに、どうして」という気持ちが、目の上のたんこぶのようにいつも居て、いつかは抜け出そうと思っていた。予定よりだいぶ早くなってしまったが…

正直、中堅SIerにぶら下がっている立場なので上がどんなにアレでも言われた通りにやるのが仕事で、作業量が理不尽でも会社を盾にしておけばわりと帰れるし、あまりにひどい時には営業に訴えかけて会社ごと撤退することもある。そういう意味では緩いと思う。責任もなく、動きやすい立場だ。

システムに障害が出たときも近年ではよほど理不尽な会社でなければ終電で帰される。結局尻を拭くのはプロパーと一次請けのリーダー、みたいなパターンが多い。我らは適当にやってオサラバするのみなのである。
(注 なんとか現場に食い込もうとして責任の線引きを超えて無理やり徹夜や休出をやらせるような会社は正直やめたほうがいいです。体や心を壊しますし、苦労もそんなに実りません。)

ただ、裁量権はほぼない。来た仕事を食っていくだけ。責任もないが、自分たちの仕事だ!と一蓮托生となってやっていくような感じもないのである。意外と美味しい立場だとは思うが、ぬるま湯だなと常に感じていた。夏休み終盤のような感覚。いつかは動かないとヤバいという危機感から目を背け、ダラダラしてしまうようなあの感じを…

そういう意味で、システムと命運を共にするような仕事を、一回でもしてみたかった。

加えて、自社や持ち帰り開発の規模がそこまで大きくない会社がやる事というのは結局

・人を増やす
・現場に自社の人間を多く入れる
・大半が準委任なので利益上げるには残業してね

になりがちで、しかも、自社から人を多く入れるために現場の人間は色々な仕事を受けていい印象を与えるために頑張れ!になるのが常なのだけれど、プロジェクトの予算が降りなければ真っ先に減らされるのは下請けで、それまでの努力問わずパーになってしまうことがある。これは頑張った側からするとかなり堪えるので、そのうち話半分に聞いて悪くない評価でダラダラやっておけばいいか。となる。下請けSESそのものの歪みだと思う。頑張れる環境ではない。

いろいろ経験して下請けの立場に戻った人もいるとは思うが、それを踏まえても、この業界に入ったからには、やってみようかなと。

うまくいくといいなあ。

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