見出し画像

今、このマンガみとけ!3選〜2021〜

最近友人から「最近なんか面白いマンガない?」と立て続けに聞かれたのでここでまとめたいと思います。
オススメの漫画を聞かれる時良く言われるのが「今からでも追いつけるヤツ」です。
確かに今からワンピース(既刊100巻)とかキングダム(既刊62巻)とかオススメされても厳しいですよね。
ですので今回は番外編として既刊3巻以内(2021/11/8時点)で個人的に面白くて“次にくるだろう漫画”を3つ選んで紹介したいと思います!


<本家版次にくるマンガ大賞2021>


マンガの賞レース。

詳しい人は読み飛ばして頂ければ良いのですが、マンガ界にも賞レースがいくつかあります。
上記の“次にくるマンガ大賞”はその名の通り次世代マンガを発掘する賞なのですが、その他に受賞作のほとんどが映像化されている“マンガ大賞”(既刊8巻まで)や“このマンガがすごい”(ランキング形式)などです。
ここら辺の有名なマンガの賞レースに既に名を連ねている作品を紹介してもあまり意味がないと個人的には思いました。

よって今回はこの3つの賞レースの2021版にはリストに上がってきていないモノを紹介したいと思います。
マンガ大賞10位以内
このマンガがすごい→オトコ編、オンナ編各10位以内
次にくるマンガ大賞→コミックス部門、webマンガ部門各10位以内


番外編として。

最初に番外編としてどうしてもひとつだけ紹介しておきたい作品があります。

和山やま『女の園の星』-祥伝社-

画像4

この作品既刊2巻にして2021年版の各賞レースにて、
“マンガ大賞”7位
“このマンガがすごいオンナ編”1位
“次にくるマンガ大賞コミックス部門”4位
と全てでトップ10に入っているモンスターコミックです。
ドラマ化もされた 『夢中さ、君に』『カラオケいこ』などで話題沸騰だった和山やま先生の商業誌での初連載という事で発売から非常に人気の高い作品。

内容としては女子校教師・星と周囲の人物の何気ないオフビートの日常を描く1話完結のお話です。
これ本当に凄いのがマジで何も起きません。
いや犬が上の教室から吊られて降りてきたり、生徒が学校の最寄から遠い駅で毎朝降りるのを目撃したり、ちょっとだけ変な事は起きます。
ただその“ちょっと変”をここまで笑えて愛おしい物語に昇華できる和山やまの才能には脱帽です。
日常に疲れた全ての皆さまにオススメの作品なので、番外編としてまず紹介させて頂きました。


今、このマンガみとけ!

まず初めに紹介したいのが、

うめざわしゅん『ダーウィン事変』-講談社-

画像4

既刊は2巻まででそろそろ3巻が発売されるのではないかと思います。
今作は『ユートピアズ』『パンティストッキングのような空』など短編を得意としていたうめざわしゅん先生が満を辞して描く長編作品。
その内容がまた強烈で、半分がヒトで半分がチンパンジーという新しい存在の“ヒューマンジー”チャーリーとひょんな事からチャーリーと出会い友達になるナード(オタク)ルーシーの物語。
この作品のテーマというのが非常に興味深くて“人間が人間であるという事の意味”。
チャーリーは人間の親の元で育てられてきたので、人間と変わらずに話したり考えたり食べたりします。ただ顔はチンパンジー由来の顔です。
人間と他の動物を隔てるモノは一体何なのか?
ビーガン、差別、テロなど現代のキーワードを散りばめながら、この人間の本質ともいえる問題に真っ正面から立ち向かう社会派ヒューマン(ノンヒューマン?)ドラマ。
この時代に生きている皆さまにぜひ観て頂きたい作品です。


二つ目に紹介したいのが、

辻次夕日郎『スノウボールアース』-小学館-

画像4

既刊は1巻で作者の辻次夕日郎は今作が連載デビュー作で普段は映画関連会社でアニメの宣伝等をしているらしいです。
なるほど、映画・アニメに携わっているからこそ描ける作品だなぁと思いました。
今作品は庵野秀明が「大真面目に巨大自律ロボット・宇宙怪獣・コミュニケーションを描いた〜」と単行本の帯に書いた事でも話題になりましたが、なんと第1話からまず地球が滅亡します。
主人公・鉄男はロボ・スノウマンに乗り込み銀河怪獣と戦い救世主となり10年経つ。そして迎える最終決戦。
そうこの物語はいきなり最終決戦から始まり、そしてスノウマンの命をかけた行動でなんとか地球に降り立つ鉄男。
コールドスリープなどで地球から飛び立ち8年が経過しながら地球に降り立つと…地球は滅びていた…
とここで1話が終わります。
なんと引きの強い導入部!
こんなにもワクワクした“物語が始まる”感は久しぶりに体験しました!
1話を読んだら絶対続きが気になってしまうSFロボット作品。
ちなみに第2集(2巻)は11/30発売のようです。


そして最後が、

たらちねジョン『海が走るエンドロール』-秋田書店-

画像4

今作も既刊1巻『アザミの城の魔女』『グッドナイト、アイラブユー』などで知られるたらちねジョン先生の最新連載作です。
少し前にオードリーの若林さんが「若者の恋愛リアリティショーとかに全く興味が持てない、40代のおじさん向けのエンタメが少なすぎる。」というような話をしているのを見かけたのですが、同じように感じている方も結構多いのではないでしょうか?
今作品はまさにそんな大人向けの作品。
主人公・茅野うみ子65歳は旦那を亡くして1人になる。
ふと昔旦那と観に行った映画館に久しぶりに行きたくなり、そこでひょんな事から美大に通う映画専攻の美青年・カイと出会う。
そして唐突に彼から放たれた「うみ子さん、こっち側(映画作りたい側)なんじゃないの?」という言葉。
人間にとっての本当の死はやりたい事をやれなくなった時なのかもしれない。そんな事を感じさせてもらえる人間賛歌。
映画好きも、そうじゃない人も、先が見えない大人にも、夢を追いかける若者にも、全方向にオススメしたい名作誕生の予感。


という事で全て既刊3巻までなので今からでも全然追いつけます!
そして紹介した全作品リンク先で1話無料公開になっています。
気になった作品がありましたら、ぜひお手にとってみてください。


番外編にコロサレル!



頂いたサポートはこのnoteとは全く関係ないことに使わせて頂きます。でもエンタメのためになることに。