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声が届いた夜

2023.2.11(sat)
ONE OK ROCK
Luxury Disease Japan Tour 
@京セラドーム大阪


※セトリバレあります。ご注意を。



3年ぶりのアルバムは更に規模感と壮大さを増して、直前に聴いたSpotifyのライナーノーツではONE OK ROCKがより一層パワーアップしてることをTakaの言葉の随所から感じられた。

(インタビュアーの大抜卓人さんの言葉がとても素晴らしかった。アーティストにリスペクトをもって聞いてるのがわかるし、絶対に良い人。良かったら聴いてみてください。)



3年分の期待を背負って登場したワンオク。

1曲目はWONDER!会場中に、今のONE OK ROCKのロックを響かせた。


印象的なリフで始まったのはSave Yourself。赤い照明が彼らを照らす。この日のTakaの衣装も赤。赤が似合う、正真正銘のロックバンドだ。

でも何かがおかしい。Takaがしきりにイヤモニを抑えていて、声が出にくそう。


それでもLIVEは止まることなく続く。

「お前らこの曲好きだろ?!」
Takaの煽りで始まったのはアンサイズニア。ライブで聴くのは随分久しぶり。オーオーオーオーオオー、3年分の声がドームに響く。


曲が終わり照明が落ちて次に明るくなった時、Takaはステージにはいなかった。

あ、これ、ヤバいやつだ。

今まで何度かそんなTakaを見てきた。数年前のドームツアーの大阪も確かそうだったような。

メンタルと身体=声は直結してる。そして、一度落ちたメンタルを引き上げることは容易くは無い。そういう日のTakaはいつも悔しそうにステージを去っていく。そして同じように、何も出来ない私達ファンもむず痒く、やり切れない気持ちになる。

昨日もこのまま最後まで悔しい気持ちで終わっちゃうのかな。そんなことを少し思ってしまう自分がいた。


でも、昨日は違った。

曲が終わる度に飛び交う、ファンの「Takaー!」という声。私に気づいてほしい!とか、そういう自己満の類の声じゃない。

みんなのTakaー!の後には、
見えない""頑張れ""があった。

奇しくもコロナ明け始めての声出し解禁ライブっていう状況が味方したのかもしれない。
こんなに声を届けたい、って気持ちが強くなったのも、今まで溜め込んできたものがあったから。


イヤモニの調子は最後まで悪そうだった。声も本来ならもっと綺麗に出たはず。

それでもTakaの表情は、すっきりとまでは行かなくとも少しずつ晴れて行った。予定調和とは行かないこの生身の身体とトラブルを少しずつ受け入れていったように見えた。


私たちの声をTakaが受け取ってくれたんだと思う。声が届いた。めちゃくちゃに嬉しかった。

まっすぐ投げた言葉がまっすぐ受け取られ、歌という愛の形で返ってくる。なんと美しい愛のやり取りだろう。


Takaも、こんなことを言っていた。

「よく考えたらここに居るのは自分たちの味方なんだ、って」

そうだよ。そうなんだよ。
ここはあなたの事が大好きなファンだけが集まる場所。


そして始まった、the same as…

この歌は、芸能人一家に産まれたが故の葛藤と反発し続けてきた家族に対するTakaの想いが描かれている。

最後のサビにこんな歌詞がある。

"この世界中で何があろうと僕を愛してくれて
いつでもそっと優しくそっと見守り続けてる"
the same as… より


今日ばっかりは、家族の部分をファンに重ねて聴いてしまった。だってピッタリすぎたから。



サマソニでのMCの件について触れて、この中には自分の発言に少し怖い思いをしながらも来てくれた人がいるかもしれない、なんてことを話して、Takaは言った。


「一つだけ言えることがある。」
「もう、大丈夫だよ、」


何が大丈夫、とかそんなことは置いといて。

あれもだめ、これもだめ、と、沢山のことを我慢し続けてきた3年間。
あぁそうだ、私たちはずっと赦されたかったんだ。そんなことにも気づけないくらいずっと閉じ込められた場所にいたことに今更気づく。

Takaの言葉は、声を出しつつも、心の奥底にあった「本当に声を出しても大丈夫かな」という不安を一気に吹き飛ばしてくれた。


その後に歌ったWe areは凄く気持ちがよく、爽快で。そして続くWasted Nights。夜が明けていく。

この2曲はもともと並々ならぬパワーを持っていたけど、今回のツアーで更に力を増して、ONE OK ROCKの新たなアンセムとして生まれ変わったと思う。



Takaにとっては世界で戦うボーカリストとしてのプライドだったり、自分たちを応援してくれるファンに成長してる姿を見せたい、っていう強い気持ちがあるのはわかる。

でも、ファンにとって大事なのってそれだけじゃない。美しい高音が聴きたいとか、ロングトーンが聴きたいとか、そんなのも勿論あるけど、やっぱり1番は楽しそうに自分たちの歌を歌っている姿を見れることが、何よりも幸せ。

Takaが楽しかったなら私達も楽しい。
そんな思いが少しでも伝わってくれたなら、嬉しい。



Takaの生き様を、まざまざと見せつけられた夜でした。

これからもカッコイイ背中をいつまでも見せてね。私のロックスター。



余談

個人的にGravityでボロボロ泣いちゃった話とか、NeonからのDeeper Deeperの流れが最高で楽しすぎた話とか、なんかスクリーンにデッケー石が落ちてきたと思ったら真ん中が開いて始まったRenegadesがさすがに宗教すぎた話とかし出すと大分長くなってしまうので泣く泣くカットしました。誰か語ろうよ。

ステージ真正面のスタンド席から見てたから、Renegadesでオオオオーって歌いながら上げてる全員の拳が赤く光ってるの、完全に独裁者(Taka)に鼓舞されて立ち上がった反逆者にしか見えなかったよ。"5万5千人が反逆者になった夜"っていうタイトル付けようかと思ったもんね。


締まり悪いけど許してね。
ここに私の昨日を閉じ込めるから。

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