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行政書士試験 記述式問題の勉強を振り返る2

行政書士試験の記述式問題は法律「理解」を深めていくうえで役立ちました。私の学習順は、多肢選択(穴埋め)→記述式→択一式問題です。用語を覚えるため、というのは表向きの理由で、選択肢にこたえ書いてあったら探せば答え見つかるでしょう、と安易な動機で取り組みましたが、最後まで太刀打ちできず、実際の試験でも12問中、4つの正答、8点しかもらえませんでした。
次に記述式問題に取り組みました。初見では解答を書き写す。解説を読んで理解に「努める」の繰り返しです。1日に3問くらいしか進みません。それでも法律というのは論理的なものなんだなとうっすらとわかってきます。公式(法律)があって、場合分けをして、結論を出す、プロセスは数学に近いものがあるのかな、などと考えていました。
50近くなると記憶力が日を追うごとに低下し、うんざりします。老眼が進み集中力も落ちます。逆に「類推」がきいたり、理解の仕方で工夫ができるので(これも結果論なのですが)40代、50代からの行政書士試験チャレンジは記述式問題に注力するといいんじゃないかなと思います。

漢字を書く練習はしました。

普段メモ書きはしますが、字を書く機会は激減していますから、いざ、字を書くとなると苦痛がともないます。ネット上で記述式が難しい、苦手、のような文面がさんざん見受けられますが、おそらく世の中全体として文章を書く能力衰退しているのだと思います。いつから記述式問題が出題されるようになったのかちょっとわかりませんが、仮に昭和の終盤30年以上前にささやかれていた「記述が難しい」と最近の「記述が難しい」は意味合いが全く違いものでしょう。なので、記述式が難しい、苦手みたいな大勢に影響されないで、自分の立ち位置で学習していくことが重要だと思います。世の中自体がSNS、チャットで一言メッセージを多用するコミュニケーションに慣れきっていて、相手がわかるように書く意識が薄れていること、時系列で事象を整理したり、話の脈絡を整えたりすることがだんだんできなくなっているのでしょう。LINEのようなツールを多用しているとメッセージが行きかっているうちに過去のメッセージをどんどん忘れていきます。前に言ったよね、みたいな確認をする行為そのものがナンセンスとも思えます。瞬間瞬間の情報のやりとりで過去に交差した情報をどんどん上書きしていきます。同じことを何度も何度も繰り返し伝えなおすことで時間を浪費しているのを感じます。
私の本試験の解答はまさにSNS解答(状況や文脈はあまりわからないけど、ずばりキーワードだけ書く)と言えるでしょう。40字程度で述べよ、と指示されているのに思いつく限りで30字しか書けず、なんか短いな、でもこれ以上なんも思いつかないし、時間ないから次へ行け、これが本試験の心理状態です。その点では私は本質的な記述式対策をしたわけではなく、記述式の解答を書写することでテーマと法令を覚えていったということになります。

「記」は記述式問題の項目で、3日連続で取り組んでますね

記述式予想問題(模試問題)は正答を書けるまで次の日も次の日も繰り返し
書いていました。使用する紙はすべてA4の裏で前日までの解答と比較して覚えられていたこと、覚えられなかったことがわかるようにしていました。

1問ごとの解答の履歴を残しておけばよかったです。

そうすることで連続で間違える箇所が明確になってきて、どうしてその箇所が出てこないのか、を考えて、条文を覚えていないのか、理解ができていないのか、手立てをとるようにしていました。法律用語は漢字のかたまりを覚えないといけません。本試験で妨害排除請求権を代位行使して、、、を書かせる問題がありましたが、漢字のかたまりをフレーズとして、英語の熟語のように覚えていったこと、解答を書きだす前に解答を口に出してから口述筆記的に書いていったので、本試験でも問題を読み終わった瞬間に解答が頭の中に浮かんでいました。フレーズでしか覚えていないので、フレーズでマスをうめて短時間で終わっています。だからほかの方が書けているであろう「塀の撤去を請求することができる」、の結論を書けていません。まあ、塀の撤去云々だけ書けていても点数はもらえないでしょう。
そんなわけで、私の場合は記述式問題に取り組みながら択一式問題の対策を兼ねていました。択一式の問題を深めていくと自然と記述式もできるようになるんでしょうが、書くレベルまでもっていくのは難しいでしょうね。私は書くレベルを意識しておいて、試験にでそうなテーマを押さえていったので学習に苦労はありましたが得点につながりやすかったのだとそんなふうに結論づけています。
「書けるようにする」訓練は別に行政書士試験の記述式問題の勉強に限らず、日常生活や仕事で意識していけばよいことだと思います。こんな風に考えると時間を生み出すことができます。
話が飛んでしまいますが、一般知識の最後のほうにある3題の長文読解は確実に得点したい問題です。そこで、大学受験の現代文の問題集をbookoffで買ってきてちょちょちょと学びなおしをしました。30年前、田村の現代文の問題集で現代文がぐっとできるようになった覚えがありまして、そんな30年前に使っていた問題集は見つかりませんでしたがbookoffで同じ著者の似たような問題集を買ってきて1冊やってみました。読むのも書くのも文章構造を理解することが重要なんだなあ、とリスキリングしました。これがほんとの「リスキリング」ですよ、きっと。
言いたいことをまとめますと、記述式でも択一式でも問題を、つまづきの第一歩は文章が読めないこと、文章が頭に入ってこないこと、です。条文特有の言い回しもあるでしょうが、その前に文章が読めない。頭が痛くなっちゃう。行政書士試験勉強の初期段階でそもそもで「文章が読めていない」ことに気づいたことが学習を先に進めていくうえで大きかったと思います。そこで高校の現代文の問題集に戻って、やり直してすっきりして法律問題に取り組めるようになりました。
本試験でBの所有権に基づく、、、と権原を書かせる問題がありましたが、問題文を読んで、接続詞ただし、ところが、そこで、に注意して、問題の展開を読み進めていけば「ただし」といってるんだから、ここ誤解するなよ!のマーク、「ところが」といっているんだから、ここが問題よ!のマークです。あとはAとかBとか人物が記号に置き換わっているので、無機質に感じられるので、大家さんとかオーナーさんとか工場の社長とか工場のおっちゃん、に戻して、図式を整理する。大家さん何にもしてくれないので、どしましょ、これが問題です。警察に電話するのか、もっと怖い人を呼んでくるのか、実力行使するのか、、、ではなく工場を建てたい、うんちゃら鉄工所社長は、Cの面倒くさい人に、ちょっとどけてよ、を正々堂々と主張するためには、法律を武器にして、盾にとって、理由付け(情報武装)をしないとcの面倒くさい人がむちゃくちゃなことを言ってきたら困るので、、、武器探して、どうやって相手を倒すか、ここまでかみ砕くとゲームと同じです。
たぶん、このあたりのかみ砕き方のことを行政書士試験の問題解説で「国語の問題」とか「読解力」と説明しているのだと思われます。単純に「国語の問題」とさらっと解説されていても、そもそも「国語の問題」のいわんとすること自体がわかりませんよね。このように堂々巡りになって時間を浪費すると勉強がいやになるんでしょう。

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