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『ねじまきカギュー』がはちゃめちゃ好きという話

2020/3/5までヤンジャンで無料公開されている(つまり今日まで公開されている)ねじまきカギューという漫画の話をする。

https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784088791562‬ 全16巻。はちゃめちゃに時が経つのが早く感じられる漫画である。


主人公葱沢鴨が新任教師として赴任する初日、とある少女に助けられる。それは、かつての幼馴染みであった、鉤生十兵衛であった。彼女は鴨のことを好いていて、「己が守る!」と宣言するが……?

という話なんですが、見開きコマの多用とか、作画の圧倒的な面白さとか、もちろんストーリーのエモさとかキャラクターの素晴らしさとか、とかくはちゃめちゃ面白い。グロ系絵柄がダメじゃなかったらとにかく読んでほしいのだ。

まず、この漫画はバトル漫画である。風紀委員や生徒会を肉弾戦でぶっ飛ばしたりするので、間違いなくそう。で、私はジョジョ以降にありがちだった「理詰め異能力バトル」はなんだか読むの疲れるな……それ始まったらやだな……と思ってたんですが、どれもこれもエモーショナルなバトルで、理屈は理屈でも異能力に説明をつけるのではなく、「魂の説教」とでも言うべき、愛の讃歌なのである。友情、家族愛ということばでパンチ喰らって死にたいなら、間違いなく『ねじまきカギュー』を読むべきである。

次に、この漫画は百合性が大変高い。が、ヒロインはずっと主人公に恋し続けるし、それを応援したり妨害するために他のキャラクターは存在する、って言いたくなるくらい。でも、みんなカギューちゃんのことが大好きだし、恋している姿を好きになっちゃうのだ。かくいう私も、そんな登場人物にシンパシーを感じる。

最後に、登場人物どれもこれも突飛なんだけれど、圧倒的に葱沢鴨がヤバい。「生徒全員を愛す、生徒のためなら死んでいい覚悟のある」男なんだけれど、本当にそれが最初から最後まで行動理念として描かれていて、連載漫画なのにこんなに筋が通っているの、惚れてしまう。カギューが好きになってしまうのは当然だ。そして、生徒全員を愛するということは、カギューはそれを独占することはないのだが……?

なかなか他人から勧められた漫画を、おずおずと返すような私が、得意満面で勧められる漫画ができて嬉しい。これは語り継いだ方がいいカタルシスに浸れる漫画である。最後の最後まで、何度も何度も泣かされて、今の私はヘトヘトである。とうとい……。

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