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【読書感想メモ】安房直子『まほうをかけられた舌』

小学生の頃のお気に入りの本です。
この本を機に、著者の安房直子さんの名前を認識しました。

この本に収められているお話し、殆どすべて覚えていました。
どのお話しも大好きです。

「まほうをかけられた舌」は、シェフでレストランを経営していたお父さんが亡くなって、息子である少年が、地下の小人に、食べるとレシピが分かるように舌に魔法をかけてもらってレストランを繁盛させるが、慢心して小人との約束を忘れてしまうというようなお話です。少年はある時別の場所に行こうとしたら自分のレストランの地下について、小人と再び対面し、やっとお父さんの味に向き合います。

読んだ時、お料理の味が分かることの大切さ、真面目に仕事をすることの大切さを感じたのと、通路が自分のレストランに繋がっているしかけが面白かったです。

「青い花」は、傘の職人さんが営む傘屋さんに、女の子が青い傘を注文に来て、町中で青い傘が流行するというようなお話です。傘屋さんは忙しくなって、女の子が修理に来ても忙しくてほっぽりだしてしまって、傘の魅力がなくなってしまいます。
読んだ時、青い傘が欲しくなりました。
そして、慢心してはいけないんだなという教訓が伝わってきました。

「海からのおくりもの」は、女の子が、お祭りの日にお小遣いで屋台のおばあさんから桜貝を買って、海女たちの桜貝を使ったおはじきに参加したところ、負けて全部取られてしまい、翌朝行ってみるとネックレスが置いてあったというようなお話です。
読んだ時、桜貝が欲しくなりました。
あと、50円のお小遣いで買い物をしてみたくなりました。

この三つのお話は、小学生の心にぐっと響きました(*^^*)

「ライラック通りのぼうし屋」は、帽子屋に羊?が注文に来て、それをかぶると不思議な世界に行けるもので、口うるさいおかみさんにへきえきしていた帽子屋はその世界に行ってしまうというお話です。帽子屋さんはその世界でも帽子を作ります。しかし、羊が注文した帽子をぬぐと、その人はもとの世界に戻ってしまうので、帽子屋さんが作った新しい帽子を誰かがかぶろうとすると、その人は消えてしまいます(不思議な帽子をぬぐから)。

読んだ時、もちろん、不思議な帽子が欲しくなりました。でも、夫婦げんかの悲哀とか、そういうことは、大人になってから読んだ方が、心に響くかもしれません。

どの話も、不思議な世界から、ちゃんと現実の世界に戻ってくるのがいいですね。帽子屋さんが戻る仕掛けは粋だなあと思います。

コロッケのお話は、動物から注文を受けてコロッケを作るけど、コロッケが転がってどうのこうのという内容だった気がします。
数か月前に読み直しましたが…、細部は忘れました💦

私が読んだ本は、フォア文庫で、遠藤てるよさんの挿絵でした。
素敵な挿絵でそれも好きでした。

でも、フォア文庫は挿絵の数が少ないので、それぞれのお話を絵本で読むのも素敵だなと思います。

自宅の本棚で、安房直子さんの絵本は他に持ってないのかな?と探したところ、『しろいあしあと』がありました。こちらも大好きなお話だったので、ああ、私は、安房直子さんが好きなんだなあと思ったことを覚えています。



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