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【読書感想メモ】絶版絵本、『はんぶんちょうだい』

小学館の創作童話シリーズ8

著者 山下明生著
画  松永詠一
昭和49年発行

久々に読み返しました。
全頁カラーで、表紙の絵よりも、中のイラストはとても可愛いかったです。

あらすじはこんな感じだったかな?

大きな魚?が釣れそうになったけどひきが強くて自分だけでは釣り上げられないから、「半分あげるから手伝って」って色んな動物にお願いしたらみんな協力してくれて、無事に釣り上げられた。でもみんなに「半分ずつ」あげることはできなくて困ってしまった。最後、海そのものを釣り上げて、みんなで平和に分けられた。

読み進めて行くと、
・みんなが手伝ってくれる喜び
・魚を釣り上げるわくわく感
・半分ずつあげられないけど大丈夫かな?というハラハラ感
・なるほど、そういうオチなのね、というすっきり感

などが味わえて結構良くできてるかなと思います。

教訓も色々読み取れる気がします。
・報酬を支払う側だったら、出来ない約束はしない。
・手伝う方(労働者側)だったら、出来ないような約束をあてにしない。
・海を釣り上げる、というオチは、生産手段を確立するということの大切さに気が付く。

同じ値段の寄付でも、魚をあげると1回食べて終わりだけど、釣りさおをあげれば何回でもとってたべられる、というようなよく使われる例を、このお話しでは、海そのものを釣ってしまえとして、もう一段工夫した感じでしょうか。

経済とか、労働とか、環境保護とか、そういうトピックとして読んでも、楽しく読めるかなと思いました。



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