まーきゅん(喋)

平日昼は公立中学校の数学教師、それ以外はバンドマン(ボーカル、音楽名義は『まーきゅん』)。映画(主に洋画)、バイク(愛車はヴェスパPX150)、飲酒と喫煙。お喋り。

まーきゅん(喋)

平日昼は公立中学校の数学教師、それ以外はバンドマン(ボーカル、音楽名義は『まーきゅん』)。映画(主に洋画)、バイク(愛車はヴェスパPX150)、飲酒と喫煙。お喋り。

最近の記事

追憶の五反野 -浅野編-

 盆には帰って来いと言われて、足立区の実家にいた。  仕事をするために住まいからPCを持ってきていたが、ひと通り作業を終えてしまい、暇を持て余していた。  今日は夏休み最終日で、明日から仕事が始まる。猛暑の日曜日だった。  昼飯も済ませ、家には近所のオバサン連中が涼みに来ていた。うちは町会の溜まり場のようになっていた。俺は2階の自室のベッドに寝転んでケータイをいじっていたがとっくに飽きてしまい、夕飯までの時間をどう潰すか悩んでいた。  時計を見ると3時を過ぎていた。町屋の

    • 正月の憂鬱

       正月が嫌いだ。  正月だけでなく、そもそも特別な祝日・祭日が好きではない。  クリスマスやハロウィン、バレンタインはもちろん、お盆休みも、大きな括りで『夏休み』や『3月〜4月』なども苦手である。  理由は、いずれも「〇〇しなければならない」という暗黙の強制があるからだ。  クリスマスでいえば「恋人と過ごさなければならない」「ケーキやチキンを食べなければならない」「イルミネーションを見なければならない」。  ハロウィンなら「仮装しなければならない」「ガキにお菓子を恵まな

      • 馬鹿の殲滅

         古狸やお局は煽てていい気にさせておくに越したことはない。敵に回すのは面倒だ。神輿は軽くてパーがいい。  馬鹿な上司と戦うのは至難の業だ。正攻法では絶対に勝てない。陥れるには手間がかかる。そのうち、こんな馬鹿に俺の貴重な労力を割くくらいなら、距離を置く方が効率がいい、という結論になる。  そう割り切ると、馬鹿と付き合うのは難しくない。目障りかもしれないが、駅前の街頭演説くらいと見做せるようになる。あれに「うるせー!」と目くじら立ててブチ切れる奴の方が異常だ。馬鹿と戦うというこ

        • 三十路の品格

           矢沢永吉が50代の時に言った。 「このカツカツ感がいいのよ」  今年の9月で74歳を迎えるYAZAWA。ウチの会社の社長の15歳上だと考えると驚愕する。それは 、若々しいか老け込んでいるかという意味ではなく、まさしく、74歳の男として、かっこいいと感じるのだ。  一方俺は、今年の9月で30歳を迎える。あっという間だった。最近よく思うのは、「俺は30歳になるのに必要な手続きを済ませたんだろうか」ということだ。  先月、大嫌いな『同窓会』に行ってきた。中3のときの担任の先生

          下ネタのセンス

           小学生の頃から、クラスには下ネタばかり言う奴、下ネタを言う事に全く抵抗がない奴というのはいた。俺はその類ではなく、いわゆる「遅い」子だった。異性に関心を持つのも遅く、高校進学では率先して男子校を志望したくらいだ。だから下ネタに関しては面白くも何とも思わなかったし、下品だからと嫌っていた。  男子校に入り、「目覚め」がすぐに訪れ、そして絶望した。お年頃でギンギンの15歳が焼け野原に放り出されたような感じだった。3年間は長く、楽しく、虚しかった。  当然、男子校で揉まれ、下ネタ

          下ネタのセンス

          タバコの効能

           タバコを吸い始めたのは、おそらく25歳頃。だいぶ遅い。したがってダサい。  居酒屋で一緒に飲んでいた奴から、何となくマルボロのメンソールをもらってふかしたのがきっかけだった。  それからこっそり買っては家のベランダで吸っていた。25でタバコデビューなんてあまりにも恥ずかしいので周りには隠していた。  それでもだんだん本数が増えていき、隠しきれなくなってきて、ついにここ数年で各方面でバレ始めた。今では開き直って「どーだダサいだろー」とやっている。  本数が増えたことについて

          「あえて」の美学

           W杯やWBCはおろか、オリンピックも観ないタチだ。スポーツに興味がないというのが主な理由だが、では大好きな音楽の祭典であるフェスには行くのかというと、実は一度も行ったことがない。10年以上バンドをやっているけど、プロミュージシャンのライブに行った回数は片手で数えられるほどだ。  子ども頃からそうだった。みんながやっていることをあえてやらないということに、カッコ良さとか粋ってものを感じる。  小学生の頃、自転車で山梨まで片道5時間かけて行って、ほうとう屋を素通りして少し先の

          「あえて」の美学