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家族と国家は共謀する / 信田さよ子 を読んで

「家族と国家は共謀する」家族の中では暴力はプライバシーという壁に覆われて表面化されづらい。非対称性のあるコミュニケーションは精神的、肉体的な暴力へと繋がる。自己肯定感やレジリエンスという言葉は昨今メディアで垢がついてしまったが、本来はトラウマを抱えるような体験の中で、当事者がどのように抵抗をしてサバイブしてきのかを表す言葉だと初めて知った。第二次世界大戦後のトラウマが生んだアルコール依存症やDVというのは戦争が生んだ大量虐殺とフラクタル性を持っている。家族を重んじて、家族の問題は家族の絆で乗り越えていくという姿は害悪でしかなく、個人が社会を形成していく姿が福祉国家への第一歩かと強く思う。

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