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情報生産者になる / 上野千鶴子

上野千鶴子氏がゼミで実施する授業内容が各フェーズごとに具体的に綴られている。最終的に成果を論文にまとめ発表する。さらには書籍として出版するというアウトプットまでの手法、心構えが書かれている。なかでも、「問いの立て方」の重要性や情報の収集/分析方法は秀逸で、適切に問いを立て、質の高い一次情報を収集/分析すればビッグデータに遜色ない考察が行えるとの説明は取り組んでみたいと思わせる内容だった。著者も書いているようにこの本のタイトルが「論文の書き方」だったら手には取らなかっただろう。しかし「情報生産者になる」というタイトルに嘘はなく、研究者でなくても興味を持って取り組みたくなる内容が多く書かれている。眉唾物のビジネス書とは全く異なる硬派な内容。読み応えがあり、気持ちが動かされる熱量のある一冊だった。

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