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子供の自由研究から、青春時代の参考図書を引っ張り出してきた

夏休みの自由研究を進めてたところ、染料(藍染や野菜染)の題材にであい準備を進めています。そんな時、赤い染料で有名なアントシアニンがpHによって色味が変わる記事を見つけてガサゴソと探し物。
大学生の時に購入したテイツザイガー植物生理学を見返すことに。

大学の図書館にもあったけど、レポート提出時期や定期テスト直前には貸し出されて思う様に読めなくて本屋で購入しました。学生時代に一冊16,000円前後の参考書を買うのはハードルが高かったですが、購入して正解。気を使わずに読みたい時にじっくり勉強ができて良い成績に繋がりました。

植物生理学のページ図にある通り、アントシアニンは、植物に含まれる色素で、紫キャベツやブルーベリーなどに多く含まれています。このアントシアニンは、pH(ピーエイチ)という水溶液の酸性やアルカリ性を示す値によって色が変わる性質を持っています。

アントシアニンの色の変化

  • 酸性(pHが低い): アントシアニンは赤色やピンク色になります。

  • 中性(pHが約7): アントシアニンは紫色になります。

  • アルカリ性(pHが高い): アントシアニンは青色や緑色になります。

分子構造図もあってイメージしやすい説明サイトはコチラ
名古屋大学のある研究室のページでした。

phによって色が変わる身近な植物がありますよね。初夏の前に大輪を咲かせる紫陽花。ベストシーズンには各地の紫陽花寺に観光客が大勢足を運びますよね。色鮮やかな紫陽花の紫や青、赤を表現しているのもアントシアニンです。土壌の酸素濃度によって花弁のアントシアニンの分子構造が変化して花の色を表現します。

これから始める野菜染が成功するのか否か。ドキドキしながら見守ってます。


◆雑記
染料を軸に調べていくと色々な勉強につながるので本当に面白い。
そもそもニンゲンにとって生産性に関わらない色に何故ここまでこだわりを持ってきたのか。ラスコーの壁画にも色が着いている。

色を求めて海賊たちが新天地から大量の染料(帝王紫)の元となる材料を領主に納めていたり。

https://www.kufs.ac.jp/ielak/pdf/kiyou07_04.pdf

希少な青色を求めて資金が動き、一つの経済圏を作り出したり。希少鉱物のラピスラズリが青色のもと。

そもそも、青に価値を見出してきた人間の価値観の変化も興味深い。

日本の歴史に目を向ければ、多様な染色技術が生み出されて大衆から求められていた事がわかります。夏祭りのシーズン、浴衣姿の人を多く見かけますよね。
https://www.hanten.jp/column/somemono/dyeing6

また藍染で使われる藍玉の流通に、新日本円札の渋沢栄一が関わっていたり。

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