おすすめのゲーム

「おすすめのソフト何かある?」


ゲームをクリアした時に口癖で言っていた祖母が昨年亡くなった
老衰、往生の類の年齢ではあったと思う



 祖母はゲームを遊ぶのが上手い人では無かった
特に遊ぶタイトルが無い時はもっぱらファミコンの
「上海への道」という麻雀ゲームを遊び、
マリオみたいなアクションはジャンプした後のキャラを
狙った場所に着地させる事が出来ない、
パズルゲームはテトリスとドクターマリオだけ、
それ以外のゲームジャンルはレースもシューティングも当然ダメという人

そんな祖母がのめり込んで遊んでいたのがRPG、またSRPGというジャンルだった

「たたかう」しか出来ない


急に創作の悲惨な過去のあるヒロインみたいな事を書き出したが
そうではない

祖母はRPG、とりわけドラクエとFFが好きで遊んでいたが
「たたかう」しかコマンドを押さないのである
どんな時でも「たたかう」、魔法使いはその時一番強い魔法を使うが
メラ系と敵全体に効果のあるイオ系だけ、
敵グループを攻撃するギラ系とバギ系、あとヒャダルコは祖母の寵愛を受ける事は叶わなかった

今では分かり易くバフ・デバフという言葉でまとめられているが、いわゆる補助系の魔法も使う事はなかった、
バイキルトという前衛の攻撃力を高める魔法やフバーハという火のブレスを軽減する魔法のみ使っていて、他の補助魔法は全く目もくれない
「たたかう」だけで倒せるまでひたすらレベルを上げ、
街についたら装備を味方全て更新するまで周辺のスライムを数時間しばき倒す、昭和の仙水忍だった

そんな祖母のプレイスタイルに暗雲が立ちこめる


アビリティ「ひっさつわざ」


この「ひっさつわざ」というのはファイナルファンタジー6に
登場するマッシュというキャラクターが持っている固有のアビリティである

格闘ゲームのようにコマンド入力、波動拳のような↓↘→といった
風に十字キーを押すと技が出るアビリティであった

前述のとおり祖母はアクションが下手な人種である、
そんな中で好きなFFシリーズに突如現れたこの「ひっさつわざ」、
しかもこのひっさつわざを撃たないと倒せないボスがいるというもので、
「ばくれつけん」という技を出さないとゲーム進行が出来ないのである

コマンドは→←→と入力するだけのものではあったが、
今の時代のように細かなゲーム内チュートリアルがある訳でもない
ゆっくり押せばいいのか、早く入力しないといけないかも分からない中で
入力を成立させるのが祖母には無理だった、完全に行き詰まりである

幸い、たまたま入力が上手くいったのかFF6に関してはクリアまで進めていたがシャドウは不在だし殆どの仲間が居ないままガレキの塔を突き進んで終えていた
ただファイナルファンタジーのシリーズにしこりみたいな感想を言っていたのは覚えている


ファイナルファンタジー7の登場


ご存知の方も多いかもしれない、滅茶苦茶売れた国民的RPGである
最近はリメイクに続き、リバースというリメイク3部作の2作目も発売された

このゲームが面白いのは何ら否定する事は無いのだが、当時として珍しい表現でゲーム画面を表示する形になっていた。
それが3Dポリゴンのキャラクター(あのカクカクしたやつ)がレンダリングされた2DCGの一枚絵のフィールドを動くといものである

新しい表現にうおおお!となったもののこれは階段や入口がとても分かり辛いもので、ザックスのエピソードが追加されたFF7インターナショナル版では入口に赤矢印や緑矢印が追加される事になった、
画像はリマスター版なので解像度も高いから見易いが当時の黄白赤のコンポジット接続の上
更にブラウン管で見ないといけない時代では本当に見辛かったのである

矢印無い版
矢印有る版

「階段の場所が分からない」「入口が見えない」、目を凝らして見ているようだけど既に老眼鏡のお世話になっている身ではどうにもならなかったようで
ここで祖母はFFシリーズから離脱する形となってしまった、
更新されるシステムの難しさ、画面の見辛さで私には無理やなぁと諦めてしまった
(そんな事言いながらFF9は頭身に馴染み易かった+アビリティが複雑では無かったのとマップの2D描写が向上したおかげで9はクリアしていたけど)
関係無い話だがFF7リメイク3部作は当時のポリゴンのトンチキなデザインをそのままリアルにした敵も出てきたりするので、当時を懐かしむにはおすすめです

当人が新しい表現に出会うとすぐ諦める性質なのかというとそうではなくて、
一応ドラクエの7やPS2で出た8まではクリアもしていて何とか慣れてクリアまで持ち込む気概を持つ人ではあった
石板にキレているのも皆と同じ、いわゆるライトゲーマー寄りの人間

このまま私が勧めたタイトルなり自分が見つけてきたタイトルを遊んでいくのだろうなと漠然と考えていたのが2005年頃、でもそうはならなかった
この前年ぐらいに出たニンテンドーDSという機種が驚異的な広まりだったからである

RPGというジャンル自体が制作に時間もかかり、遊ぶのにも時間のかかるジャンルな以上人気機種且つ携帯機のDSにジャンルタイトルが集中するのは当然であり、2006年~2009年までのRPG・SRPGというジャンルは殆どDSで出る事になった。
xbox360でRPGをいくつか出してくれてはいたがコマンドRPGという形式では
私の記憶ではブルードラゴンとロストオデッセイぐらいなもので、
そういう古いスタイルのRPGはDSに集中する
集中するからDSに更にRPGが出るという循環になり、決め手になったのが2009年ドラゴンクエスト9の発売はDSで、という形

ドラゴンクエストは一番売れているハードで出るという不文律はあったし
仕方ない事なのだが、今の皆が持つスマホより更に解像度が低く画面の小さい携帯機で
細かい字を追う事は祖母には不可能だった
「仕方ないなぁ」とRPG、ひいてはゲームという趣味から遠ざかる事になった

その後に更に人気の機種となるWiiが出るが、こちらもRPGはかなり尖ったものが出る形で私は大好きだけども、ゼノブレイドやアークライズファンタジアといった一癖のあるタイトルを祖母は遊ぶ事は無かった
更に2012年発売のドラゴンクエスト10はMMORPGという発表で完全に意欲が無くなり、日がな一日テレビを見ている人になってしまったそうである

本人が足を骨折したという時期も重なり、出歩く事も減ってしまうと活力も無くなるのか、そこからの老いのスピードは本当に早かった
あっという間にまだらボケが進行し、出来てた事が出来ない・物忘れが激しくなる・支払いが出来ない(お金はあるのにお金が無いと思い込む)
といった症状が頻発するようになった
2017年にドラゴンクエスト11が原点回帰に近い素晴らしい出来で出たのに、当人にはコントローラを握る気力さえなかった

別にゲームが進化しないで欲しい訳でも、あの時出た機種がこうであればというような事が言いたい訳ではなく当時からパーティ内の役割を分担するゲームが出ていて、今ではタンク・アタッカー・ヒーラーみたいに分業制が当たり前のゲームに馴染めているかと言うと文句言いながら辞めてただろなと思う
最近のゲーム内チュートリアルは本当に分かり易いし、ボタンをその通り押せば一通り遊べるようになるからこれは体験させてやりたかったかな、ぐらい

通夜と葬式には遠方より弔問に頂いたりと大変にありがたい事であるが、
親戚やご友人の方々の間でも祖母の趣味の事や生前に話題が及ぶ事は無かった

息子・娘の顔も孫の顔も認識出来ないぐらい認知症が進行していたので、皆さん気を遣って触れて下さらなかっただけだと思う
それでも冒険の書の1番と3番は私が使うとか、オレンジ色のメモリーカードは私のでスロット1使わせてとか、石板のかけらにキレ散らかしていた事とか、コープルがフォルセティをもっているデータとか、
1人のゲーマーの習慣や出来事を思い出す切っ掛けになればなと思って書き出しました
あれだけのめり込んでいたのに完全に忘却してしまうのもな、とメモリーカードやカセットROMを整理してる


いずれ声も忘れるだろうしね、寂しい事ではあるけれども



皆さん何かおすすめのゲームありますか?
私はFF7Rebirthとユニコーンオーバーロードはクリアしました、どっちも凄く面白かった
Rise of the RONINは禁門の変まで来たからもう目処つくよな…て感じ、4月は百英雄伝を楽しみにしながらかなりデータが死に戻ったバルダーズ・ゲート3を消化したいと思ってます、崩壊スターレイルはピノコニー編がそれは面白くて私の癖に直撃するキャラクターにクローズアップされたお話だったので7週間後のストーリー更新を楽しみにしてます
アークナイツもそろそろメインストーリー更新で13章来るかな〜


ゲームの進化に老いで付いて行けなくなる前に、色んな最新ゲームを遊んで楽しんで逝きましょうね

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