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桃岩荘の思い出

2024年の夏、北海道を大冒険しました。
函館(2泊)→白老町(1泊)→利尻島(3泊)→礼文島(4泊)→豊富町(2泊)→富良野(1泊)→美瑛(2泊)

利尻島から礼文島へはハートランドフェリーで約45分。夏の時期は船の便数も多めです。


途中までついて来てくれたウミネコ
フェリーの中


鴛泊(おしどまり)港を出発し、香深(かふか)港まで向かいます。この日の天気は雨でした。しかも礼文島は土砂降り予報。島に4泊するので、1日くらいは晴れて欲しいなあ…。

私が4泊お世話になったのは「桃岩荘」というユースです。


桃岩荘は毎年夏の期間限定でオープンしているユースです。宿のルールや趣向が一風変わっていることで、知る人ぞ知る伝説のユースなのです。

私がその存在を知ったのは、釧路でよくお世話になるゲストハウスのオーナーさんに教えてもらったからでした。


「マロさんに絶対会うよ!」


その鶴の一声で行こうと思ったのでした。

桃岩荘は「もう2度と行かない!」か「絶対また行きたい!」かは行く人によって評価が二分される宿なんだとか。


港でヘルパーさんが船を迎える風景

桃岩荘は、香深港からは徒歩30分。事前に予約すれば船の到着に合わせて、港に迎えに来てくれます。ユースに着くまでの車の中で、桃岩荘オリジナルのハウスルールについて、愉快なヘルパーのお兄さんから説明を受けます。

「新桃岩トンネル」
どうして1489メートルなのかも説明してくれました。

このトンネルの中の説明で印象的だったの言葉が、

「桃岩荘で過ごす時は、三つのものを捨ててください。」

その三つとは…ネタバレはいけませんので、実際行ってみて確かめてください。

長い長いトンネルを抜けると桃岩荘が近づいてきます。

桃岩荘は素泊まりのみで一泊5500円。

礼文島の宿泊ではかなりリーズナブルです。


桃岩荘入り口
扉を開けるとそこには…

この玄関扉を開けると非日常な空間と愉快な仲間たちが出迎えてくれますよ。

滞在中桃岩荘に入る時は「ただいま〜」と元気よく挨拶しましょう。

礼文島は真夏でも朝は羽織が無いと寒い日もありました。


8月上旬のとある朝の気温。

桃岩荘から見えるこの岩は「猫岩」と呼ばれています。


猫岩

天気が良かったら夕暮れ時の眺めが最高なんだとか…。


桃岩荘の中に入ったら、こんな歌詞が書かれた張り紙が憩いの場にずらっと貼られていますが、これを「ミーティング」と称する夕方からの時間中、みんなで歌って踊るというお時間があります。

知ってる有名ソングから
桃岩荘のオリジナルソングまで様々
何度も歌ったので、今でも脳に焼きついてしまってる「島を愛す」

「桃岩荘」ではこんな感じのタイムスケジュールで過ごすので、かなり健康的です。

桃岩時間でのタイムスケジュール

起床時間になると、ヘルパーさんの超ハイテンションな起床の挨拶と共に、大音量で謎の演歌が流れてきます。
後で調べたら「鰊番屋」という演歌でした。
何回も聴いてると、物悲しくて胸に沁みてきます。
(でも朝に聴く演歌ではない。)

しかもこの時間、実際の日本時間よりも30分早いんです。桃岩荘では、これを「桃岩時間」と呼んでいます。(これは行きのバスで説明してもらえます。)
つまり、起床は日本時間で6時!

売店「ブティックぶたなすび」

食べ物がなければこの売店でカップ麺などは購入できます。

礼文島にある唯一のコンビニ「セイコーマート」は桃岩荘からは遠いので、タイミングを見て食料調達する必要があります。

私は、利尻島、礼文島で素泊まりでしたので約一週間セイコーマートのお世話になりましたが、流石に一週間コンビニ食はしんどかったです。


桃岩荘近くのカフェ「Ben &Joe House」

宿の近くに素敵なカフェもあって、開いていたらここでカレーやケーキセットをいただくのもおすすめですよ。

桃岩荘では夕方から「ミーティング」と呼ばれる時間があって、その時間に桃岩荘のハウスルールや礼文島の紹介、希望者で行くトレッキングの説明をしてくれます。

寸劇中
日によって寸劇の内容も変わります
ヘルパーさんの本気度が伝わります。

「ミーティング」は、ヘルパーさんによる寸劇まじり、お笑い要素満載の構成になっています。

島紹介の時間

ウミネコとカモメの見分け方も桃岩荘でバッチリレクチャーしていただけますよ!

「桃岩荘」は宿の近くにあるこの桃に形をした岩、「桃岩」に由来します。

桃岩
桃岩荘から歩いて行ける距離です
桃岩荘を見下ろすと…

ちょっと日本の景色と思えないような風景ですよね!!

結局礼文島滞在中、晴れ間を見ることは無かったのですが、その分水気を帯びた緑が艶やかで美しい景色を堪能することができました。

スコトン岬
8月上旬、この日の最高気温18°
漁師さんに食べさせてもらった最高級の利尻ウニ。
海辺で食べたほっけのちゃんちゃん焼き
島を散策中、偶然出会った海鵜の雛

桃岩荘では、基本的に昼間は礼文島のトレッキングなどを楽しんで、夜はワイワイみんなで楽しく過ごします。

桃岩荘で一緒になった旅人と一緒にトレッキングに行くのも楽しいですね。

お別れの風景。

帰りに稚内行きの朝の便を利用すると皆でお見送りしてくれます。
そのセレモニーが嬉しくて、姿が見えなくなるまで手を振り続けました。

あ、横のテープカットの方は別の旅館です。
桃岩荘の方は盛大にお見送りの歌を歌ってくれますよ。
船の中から送られる側も一緒に歌います。

また来るよ
また来いよ

こんな掛け声を何度も何度も掛け合って、次第に礼文島が遠ざかっていきます。

帰りは礼文島が遠ざかるとこんな綺麗な青空が広がりました。

稚内が近づいてきます
ありがとう礼文島

私のひと夏の楽しい思い出となりました。



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