日本アイスホッケーの歴史(6)

2022-23シーズンは新型コロナウィルスの対策も進み、3シーズンぶりにアジアリーグとしての開催となるが、ロシアチームの参戦はなくなり、コロナ禍のあいだに韓国もデミョンキラーホエールズが廃部となり、アニャンハルラから改称したHLアニャンのみとなり、6チーム体制となる。各チーム8試合総当りの1チーム40試合開催となり、声出し応援も徐々に解禁となる。しかしコロナ禍による入場制限が解除されたといはいえ、この2年間で観客の減少は各チームとも著しく、客足がコロナ禍以前にまで回復するには至っていない。この事がクラブチームとなったチーム経営に大打撃を与えている。
レギュラーリーグはHLアニャンが31勝9敗で1位。レッドイーグルス北海道が30勝10敗の2位となった。以下HC栃木日光アイスバックス、ひがし北海道クレインズと続き、5位に11勝29敗ながら横浜GRITSが入り、選手の世代交代に苦しむ東北フリーブレイズが6位となった。
プレーオフは4位までのチームで争われ、ファイナルはHLアニャンとレッドイーグルス北海道の戦いとなり、2勝1敗でHLアニャンがチャンピオンとなった。

なお、リーグ終了後にひがし北海道クレインズの経営難が表面化し、選手やスタッフへの給与遅配が発生している。また選手・スタッフがこの事態に対する運営会社側への対応に不満があり、監督・全選手がこのシーズンを持って離脱する事態となり、新運営会社とチームを立ち上げ、北海道ワイルズが発足。しかし、発足の時期やアジアリーグの参加申請が2022年の12月までだったこともあり、このチームのアジアリーグ参加は未だ決定には至っていない。またHC栃木日光アイスバックスの運営会社である「(株)栃木ユナイテッド」もコロナ禍による経営打撃を受け、2023年6月に現在のチームスポンサー県内外8企業で設立した新会社「株式会社栃木日光アイスバックス」に事業運営を有償譲渡する事となった。

2023年12月現在、すでに2023-24シーズンが開催されているが、アイスホッケー界にはあらたな動きが見える。名古屋に拠点をもつサンエスオルクスというチームがアジアリーグ加盟を目指して現在体制を整備しているという。またひがし北海道クレインズは有名無実の団体となったため、11/30を以ってアジアリーグから正式に脱退となった。実質的な後継チームとなる北海道ワイルズは2023年の全日本アイスホッケー選手権大会にも出場して横浜GRITSを破っており、来季のアジアリーグ参戦を期待されている。



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