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【俳句】牡丹雪 春炬燵 春日影

名も知らぬ人の涙や牡丹雪

被災地の名前も知らぬ人の涙。
呼びかけることもできない。
寄り添うこともできない。
ただ見ているしかない。
トルコの気候など、これまで考えもしなかった。

言われてもトルコは遠し春炬燵

毎日流れてくるニュース。
親日の国、トルコ。
わかっている。
助けたい。
でも、遠すぎるトルコ。

忘るまじ瓦礫に落ちし春日影

君は瓦礫の中で生まれた。
忘れるな。
瓦礫の中から見えた光を。
君を抱え上げた手のぬくもりを。
その力強さを。
君のお母さんは残念だったが、決して見捨てたわけではない
みんな、君と同じように助けようとしたんだ。
後年、君にこのことを伝える人は、できうれば心優しい人であって欲しい。

今回は三句とも、トルコの地震から。

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