つづきのつづき(小説)第十二夜 承
第十二夜 承
忙しく動き回ることについて。忙しく動き回ることは私の人生にはあまりないのだが、めずらしくラッシュの季節があった。それでも普通の人の忙しさには及ばないだろうが。
人のために動き回ることで、自分の予定を埋めることができたのだ。そしてそれは人としゃべったりすることで一つ、行動量が上がることで一つ、セロトニンを増やしメンタルの安定へとつながる。通常運航の私はこのどちらもが欠けており、豆腐メンタルの状態が普通である。
時期的なものもあって、一度そのラッシュは終わってしまったが、この経験は貴重な教訓を私に残してくれた。忙しく動き回ることで、メンタルにはプラスになるということだ。
昔は家事でもなんでも手間がかかった。今は便利になったが、その分、日常の中で反復運動(反復動作)が減り、豆腐メンタルの人が増えたのではないだろうか。昔の人の方が歩いていただろうし、家事には手間がかかっただろうし、家族、親戚、地域の人との結びつきも強かっただろうし、友達との結びつきも強かっただろう。
便利な生活は同時に、私たちを陥れる生活でもある。そして人々を切り離す。
本編に戻ろう。
ジョニーは明日奈とのこの生活をずっと続けたいと思った。
そして好きなことに打ち込みたいと思った。
音楽が好きなので、明日奈と音楽ユニットを組み、音楽活動を行った。
ドラマが好きなので、明日奈といろいろなドラマをレンタルしてきて鑑賞した。
社会問題にも関心があるので、明日奈が助手を申し出てくれて、研究に没頭した。
そして夜はやはり二人でトランプをして遊んだ。
中でも、バンド活動を通して、明日奈の友達の夏美とジョニーの友達の畑山司(はたけやまつかさ)をくっつけようとした。ジョニーがベース、明日奈がボーカル、夏美がドラム、司がギターという構成だった。
明日奈のボーカルはなかなかいい声で、グッと来た。夏美と司は馬が合い、四人で飯にいったり、バンド練習したり、遊びに行ってる間に何となくいい感じになってきて、しばらく後に交際をスタートしたことをジョニーと明日奈に報告してくれた。
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