つづきのつづき(小説)第十夜 出会い(パターンB)

 第十夜 出会い(パターンB)

 (パターンA)というのは小説で、作り話ならではである。

 実際は、そうそう上手く自分を改善なんてできなくてあいかわらずうだつのあがらない生活をしていた。ただいつでもできないなりに光を求め、かすかな試行錯誤は続けていた。

 というわけでコロナうつも手伝い、ジェットコースターのような感情の乱高下、いいときもあれば悪いときもありで、躁うつ病じゃないかと自分的には危ぶんでいた。

 芸術活動や芸術多めにしてセロトニン出して、何とか穏やかにやり過ごそうとしていたが、上手くできないときもあり、あいかわらず右往左往していた。

 ♪迷いや悩みなど 一生消えぬものと 思えたなら
  僕らはスーパーマン
  怖いものなんて無い 胸を張ってたい ♪

  ミスチル 「ALIVE」

 人に聞いた話だが、この曲は手塚治虫の漫画『ブッダ』を読んで着想したものらしい。スーパーマンとは、悟りを開いたブッダなのだろうか。

 というわけで、感情の波の下落で思いつめるときもあり、ジョニーは広い公園で死のうとしていた。
 午後の曇り空の下、人影を避けた場所で、そんなことをしていたジョニーがいよいよというときに、
ガサガサガサと小さな木の茂みが揺れ、女子二人連れが現れたのだった。
「え?何してるの?」
「・・・。別に何も・・・」
「・・・」
「バカなこと考えてない?」

バ・カ・ナ・コ・ト・・・? バカナコトなのか?これは。本当にバカなことなのか?

 黙り込んだジョニーの手をとり、開けた場所のベンチへと連れて行く女子たち。

「私は広田明日奈。この子は足立夏美。君の名は?」
「・・・ジョニー、・・・斉藤ジョニー・・・」
「ジョニーて? めっちゃ日本人じゃん。芸名か!?」」
そう言って二人はキャッキャと笑った。

 何となくジョニーは悪い気がしなく、三人は公園のベンチに座って、ポツリポツリとあたりさわりのない話やら、身の上話なんかを話したりした。

 時が静かに立っていく。
 秋の暑くも寒くもない、風がなぜていた。

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