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世界初!民間人宇宙飛行士のみで宇宙を旅するInspiration4(インスピレーション4)ミッションが成功

 これまで「宇宙に行きたい」という夢を持った場合、日本ではJAXAの厳しい試験に合格しないと行くことはできませんでした。しかし今回、インスピレーション4のミッションの成功で「一般人でも宇宙に行くことができる」ということが証明されました。宇宙開発において歴史が大きく変わったのです。

 「先日、リチャード・ブランソン氏やジェフ・ベゾス氏らが宇宙に行ったではないか」と思われるかもしれません。彼らが行ったのは、地上から100km付近で、無重力を10分程度体験して帰ってくるというものでした。今回のミッションは、地球の周回軌道585kmまで行きました。これは、国際宇宙ステーションより遠い場所であり、ミッションとしては難しいものです。

打ち上げは「ケネディ宇宙センター39A発射台」から

 米国時間2021年9月15日20時02分に打ち上げのロケットは、ケネディ宇宙センター39A発射台に設置されました。この発射台は、これまで歴史に残るロケットを打ち上げた場所です。月への有人飛行が行われたサターンV、最初と最後のスペースシャトル、さらにSpaceX社による民間企業初の有人飛行などが挙げられます。そして今回は「民間人宇宙飛行士だけで行くミッション」のロケットを打ち上げることになりました。

 発射台に設置されたFalcon 9(ファルコン9)ロケットと有人宇宙船Crew Dragon(クルードラゴン )。美しいですね。

 このミッションの直前、イーロン・マスク氏のTwitterのプロフィール写真が、インスピレーション4のクルーに変わりました。同氏のこのミッションに対する想いが伝わります。

インスピレーション4の打ち上げ当日

 今回利用されるCrew Dragonは、国際宇宙ステーションへのミッション「Crew-1」で利用されたものが再利用されました。Crew-1といえば、野口宇宙飛行士が乗船した宇宙船です。今回のミッションでは、国際宇宙ステーションにドッキングしないので、その部分が改良され、キューポラが作られました。

 たくさんの人に見送られながら、発射施設に行くインスピレーション4の宇宙飛行士の皆さん。

 搭乗前の一枚。クルーと一緒に写っているのはイーロン・マスク氏。イーロン・マスク氏のオーラがスゴイと感じるのは私だけでしょうか?

 クルーの皆さんの食事です。

インスピレーション4のクルー

 インスピレーション4のクルーは4名です。コマンダーであるジャレド・アイザックマン氏、クリス・センブロスキー氏、サイアン・プロクター氏、そしてヘイリー・アルセノー氏が乗船しました。

 ジャレト氏が今回のミッションのために全員分の座席を買い、メンバーを集めました。またこのミッションでは、ヘイリー・アルセノー氏が勤務する「セント・ジュード小児研究病院」への寄付活動が行われました。

 ヘイリー・アルセノー氏は、子供のころにガンを克服した人物です。現在勤務するセント・ジュード小児研究病院で治療を受けたそうです。そして彼女の足には金属が入っているとのこと。彼女が宇宙に挑戦し、無事に帰還することが、病気と戦う子どもや、多くの人に夢や希望を与えることになるでしょう。

 4名のクルーは、以下の通りです。

いよいよ宇宙へ!

 発射台に向かう宇宙飛行士たち。とても楽しそうです!

 39A発射台の下から宇宙船Crew Dragonを見上げるインスピレーション4のクルーたち。大きなロケットですね!

 宇宙船の座席に座り、打ち上げを待つクルーたち。

 アクセスアームが宇宙船Dragonから離れます。打ち上げまであと少しです。

 打ち上げまであと少し!

 3、2、1、発射!

 まるでアートのように美しい打ち上げシーンです!

 Falcon 9 セカンドステージから宇宙船Crew Dragonが切り離されました。

地球の周回軌道に到達!

 Crew Dragonは、地球の周回軌道585kmに到達しました。これは宇宙船Dragonにとっての新記録でもあるそうです。

 ところで「高さ585km」というのはイメージできるでしょうか。なかなか想像できないものです。そこで、その距離を横にして考えてみました。新幹線の駅でイメージすると、だいたい「東京ー新神戸」にあたるようです。

 Crew Dragonがどこにいるのかは、常にSpaceX社のWEBサイトで確認することができました。日本の上空も何度も通過しました。

 宇宙に滞在する地球人が何名いるかご存知でしょうか? インスピレーション4のロケットが打ち上げられた時点において、宇宙に滞在していた地球人は以下の通りです。もちろん国際宇宙ステーションに滞在中の星出宇宙飛行士も含まれています!

 一方、宇宙にいるSpaceX社の宇宙船Dragonは以下の通りです。SpaceX社の凄さがよくわかります。

宇宙での暮らし&美しい地球

 キューポラから見る地球は美しいですね!

 クルーの方々がキューポラにいる様子です。

 キューポラから撮影しているようです。

 宇宙船内でのインスピレーション4のクルーの様子。とても楽しそうですね!

 クルーの食事です。色々なものを宇宙で挑戦したようです。中には「冷たいピザ」というものもありました。地球と同じようなものを食べたのですね。

 キューポラから見る日没は、地上から見る日没とはまったく異なる美しさです!

 こちらは非常に貴重な動画です。軌道上の月の出です。とても美しいですね!

地球への帰還

 滞在期間はあっという間に終わりました。米国時間9月18日19時06分に帰還です。帰還までの流れは以下の通りです。

 帰還に向けて宇宙船Crew Dragonは着々と準備が進みます。以下はノーズコーンが閉まる少し前の宇宙船の様子です。

 帰還は危険を伴います。大気圏再突入の際の高熱から、宇宙飛行士を守らなければなりません。

 Crew Dragonは着水地点に向けて進んでいます。

パラシュートが開く直前のCrew Dragonです!

 そして無事にパラシュートが開き、Crew Dragonは着水しました。おめでとうございます!

 イーロン・マスク氏とSpaceX社は、ミッションに成功し、新たな歴史を作りました。

 海から引き上げられたCrew Dragonです。黒くなっていますね。大気圏再突入の過酷さがよくわかります。

 インスピレーション4のクルーの皆さんは、とても元気な姿で地球に帰還されました。

 お帰りなさい!みなさん元気そうですね!

 そして最後にイーロン・マスク氏からサプライズ!
 このミッションで行われていたセント・ジュード小児研究病院の寄付に、イーロン・マスク氏が5000万ドルの寄付することを発表。これにより目標額の2億ドルが達成したということです。

 今回のミッションで民間人だけで宇宙に行くことができるということが証明されました。新時代の始まりました。今後もSpaceX社の最新情報には注目したいものです!

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 宇宙開発は風の時代において重要なものと考えます。私たちのビジネスはいつまでも「地球」だけではありません。これからは「宇宙」も含めて考えなければならないでしょう。2021年2月より「風の時代にあったビジネス・マーケティング戦略」について理論的に執筆しています。ご興味のある方はぜひお読みください。

*Twitterより引用

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