【決定版】中間管理職のための社長コミュニケーションのコツ
突然ですが、皆さんは自社の社長とのコミュニケーション上手くいってますか?
人間同士のコミュニケーションである以上、いつでも順風満帆とは行きませんが、私の周りのマネージャー・リーダー層を見ていると、社長と上手くコミュニケーションが取れている人と、なぜかいつまで経っても意思疎通ができていない人が存在します。
今回は、場数で慣れるというわけではない社長コミュニケーションについて私の経験談をもとに攻略法を考えていきたいと思います。
この記事は以下のようなお悩みを持つ人に向けての内容です。
・社長とのコミュニケーションが上手くいっていないが打開策が分からない
・朝令暮改の意思決定に振り回されている
・スピードが遅いと言われる
・仕事の仕方を見直したいが何から手をつければいいか分からない
・ワンマン社長とのコミュニケーションに苦戦している
特に、50名前後のベンチャー企業で急成長してきた会社の中で、経営者と直接コミュニケーションをとる立場にある人には参考になるかと思います。
基本姿勢とマインドセット
まずはじめに、敵(ではないですが)を知るところから、ということでコミュニケーション相手となる社長の思考について考えてみましょう。
社長の1日で一度は頭をチラつくこと。
それは「資金繰り」です。
これは、ベンチャー企業の社長でも、大手企業の社長でも同様に意識せざるを得ない共通項かと思います。
特に、ベンチャーのように規模がまだそこまで大きくない企業の場合、毎月の給料日のようにまとまったキャッシュが出るタイミングにはより資金繰りについて考えることでしょう。
特にこのコロナ化でどの業界も先行きが不安な中、正社員を今までと同じ条件で雇用し続ける難易度は格段に上がっています。
社員を雇用し続ける必要がある、そのためには利益を出し続けなければならない、そのためには売上を上げるか経費を削減するしかない。。
具体的に何をしていこうか。。。
というのがほとんどの社長が一度は悩んでいることではないでしょうか。
基本的なことですが、この社長の基本思考を理解していると、どんな指示を出されても、最終目的は売上増加か経費削減かに帰着することに気づきます。
朝令暮改に思われるような、一見意味が分からない指示も、よくよく紐解いてみると売上と経費にたどり着くのです。
例えば、新規顧客開拓や既存事業のリピート率を上げるのは売上増加です。
上記の具体的な指示は、
新規クライアントにアポ取りしろ!
サービス力を徹底的に上げろ!
となります。
反対に業務効率化やプロモーションの最適化は経費削減に当たります。
これらを咀嚼すると
社員1人あたりの生産性を上げろ!
CPAをもっと下げろ!
というアウトプットになりますね。
売上と経費、状況によって優先度が変わるので注意しましょう。
また、トップダウンが強い社長ほど、会社を成長させるための課題感が強く、気にしいという側面があるかと考えています。
トップダウンをしたくなる理由は現状を打開したいからであり、ひいては従業員へ給与やポジションなど最大限に還元したいと考えている社長は少なくないはずです。
気性としてこのタイプの方は言わずとも伝わっていると思い込んでいるタイプも多いので、管理職が社長とメンバーの間を取り持って咀嚼する必要があります。
続いては咀嚼のコツについてご紹介していきます。
社長の指示の咀嚼
トップダウンの会社を全肯定するわけではないですが、スピードという点でトップダウン型の組織は一番有効な組織マネジメントだと考えています。
一番理想的な形は社長の考えが正しく現場まで浸透して、会社全体が同じ方向を目指しているマグロの群れのようなイメージです。
その際のキーマンになるのは中間のハブとなる管理職・マネージャーです。
そして、会社と同じ方向をメンバーに向かせることができるマネージャーは得てして咀嚼力があります。
ここでいう咀嚼力とは、相手の行った言葉を正しく理解し、伝える相手に伝わるような言葉でアウトプットすること、と定義します。
この咀嚼力は生まれつきのセンスや今までの環境で既に持っている人もいますが、後から身につけることも可能です。(私も後から身につけました)
鍛える方法は実はシンプルで、発信者への確認とすり合わせを意図的にやりまくる、ということです。
「念の為確認なのですが、」「〜という理解でよろしいでしょうか」あたりの確認が多い人は咀嚼力の高い人が多い傾向にあります。
社長も人間なのでコミュニケーションのクセがあります。
そして、組織における役割が異なるため、視座が最初から合わないのは当然のことです。
このような前提に立つと、コミュニケーション頻度を増やさずして、言っていることの理解をするのが難しいことがわかると思います。
遠回りに見えますが、咀嚼力を鍛えるためにはうるさいくらいの確認の場数を踏むことが大事なのです。
社長も認識のズレがなく、自分が言ったことを正しく理解してくれる人を求めているので、確認の数が多いのは逆にウェルカムでしょう。
todoへの落とし込み
さて、咀嚼ができたとしても、まだスタート地点に立ったばかりです。
ここからtodoへの落とし込みをしていきます。
この段階で躓くパターンとして多いのが、新規todoが発生した際に既存のtodoとの優先順位が分からなくなることです。
例えば、一週間後にコーポレートサイトのリニューアルとLPの修正を控えている際に新規事業の案出しをしてくれ!というオーダーがあったとします。
この時、私なら
新規事業のアイデアのみ5個くらい出す
↓
LPの修正進めてdoneさせる
↓
新規事業アイデアの中で社長が興味を持ったものを深掘りして再度確認依頼をする
↓
コーポレートサイトのリニューアル準備をする(納期を遅らせても構わない前提で進める)
と進めます。
これは私なりの判断軸があり、「売上貢献度の高い動き」を一番優先度高く処理しているからです。
先述のように、会社の状況によって売上増加と経費削減の優先度は大きく変わります。
日頃の確認・報告コミュニケーションの中で、今会社がどちらに優先度を置いているかと把握しておくことが大事です。
毎回todoが発生する度に確認するのが理想ですが、社長もみなさんも日頃の業務で忙しいはず。
そこで、おすすめなのが、月曜の朝イチに自分のtodoと自分の考えている優先度を社長を共有することです。
月曜の朝イチは社長の時間が空きやすく、上手くいけばチャット上で社長を独占できる可能性が高まります。
チャット上でtodoの報告などを行うと、認識がズレていた場合にその場でフィードバックを得ることができます。
この時間で普段の報連相や確認を行うことで、社長とのすり合わせが進むだけでなく、月曜の朝イチという週のはじめのタイミングで部下に指示を飛ばすことも出来ます。
メンバーが稼働し始めるときには社長とのすり合わせが終わっており、業務の優先順位が決まっているので、非常にマネジメントもしやすいのです。
最後に
テクニック的なものも含め、社長コミュニケーションのコツを紹介してきましたが、私自身数々のコミュニケーションエラーを経て身につけたネタになります。
もちろん今でも全て実践しています。
ベンチャー企業はスピードが速く、社長だけでなく、管理職の日々の動きがそのまま会社の成長に直結します。
この記事を参考に逆に社長を上手くマネージメントして、会社の成長につなげましょう!
10年以上事業会社でマーケティング/事業開発に携ってきました。昨年立ち上げた『BtoBマーケティング研究会』は参加人数700人規模まで成長。マーケター向け勉強会や懇親会を主宰し企業とマーケターの最適なマッチングやマーケターの繋がりを活発化させるべく奮闘中。