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株式市場に影響を与える変数

株式市場は、実体経済に深く結びついています。企業の業績や成長見通し、経済成長率、そして消費者の購買力といった、経済の基本的な要素が株価に影響を与えます。市場はこれらの要素に対する期待感や不安感を反映して、上昇したり下落したりします。

例えば、経済成長率が高まると、企業の収益が向上し、投資家はその企業の株を買いたいと考えるため、株価が上がりやすくなります。一方、景気が後退すると、企業の収益も悪化し、株価が下がる傾向があります。ここから、具体的な変数について詳しく見ていきましょう。


1.経済指標

経済の健康状態を示す重要な指標です。例えば、GDP成長率が高い時は経済が好調であることを示し、企業の業績が良くなるため株価が上がりやすくなります。逆に、GDP成長率がマイナスになると、経済の縮小を意味し、企業の利益が減少することが予想されるため、株価は下がりやすくなります。

失業率も重要な指標です。失業率が低下すると、消費者の購買力が向上し、企業の売上が増加するため、株価は上昇しやすくなります。反対に、失業率が上昇すると、消費者の支出が減り、企業の業績悪化が懸念され、株価が下がることがあります。

インフレ率については、適度なインフレ(たとえば2〜3%)は企業の売上増加を示すことが多く、株価にプラスに働くことがあります。しかし、インフレ率が高すぎる場合(例えば9%以上)、企業のコストが増加し、利益が圧迫され、一般消費者の生活も困窮することから、株価は下がる傾向にあります。

2.金利

中央銀行の政策金利が低いときは、企業が低い金利で資金を借りやすくなり、設備投資や事業拡大がしやすくなるため、株価が上がりやすくなります。例えば、2020年のコロナ禍では、多くの中央銀行が金利を引き下げ、株価の上昇を後押ししました。

逆に、中央銀行が金利を引き上げると、企業の借入コストが増加し、消費者もローンの負担が増えるため、株価は下がることがあります。例えば、インフレを抑えるために金利が上昇する局面では、株式市場全体が調整を強いられることが多いです。

3.企業業績

企業の四半期決算や業績見通しは、株価に直接的な影響を与えます。たとえば、AppleやTeslaが予想を上回る業績を発表した場合、投資家はその成長力に期待して株を買い、株価が上がることがあります。

逆に、決算が予想を下回った場合や将来の業績見通しが悪い場合、投資家はその株を売るため、株価が下がります。実際に、2022年にはいくつかの大手テクノロジー企業が予想を下回る収益を発表し、株価が大幅に下落する場面がありました。

4.政治・地政学的要因

政策変更や政権交代が企業にとって有利なものであれば、株価は上昇します。例えば、減税政策が発表されたとき、企業のコスト削減が期待され、株価が上がることがあります。

逆に、地政学的リスク(例: 戦争や貿易摩擦の激化)が高まると、経済の不確実性が増し、投資家はリスク回避のために株を売る傾向が強まり、株価は下落します。たとえば、2022年のロシアとウクライナの紛争は、エネルギー価格の高騰とともに市場全体のリスク意識を高め、株価を押し下げました。

5.投資家の心理

株式市場は投資家の心理状態にも大きく左右されます。たとえば、市場が楽観的なときには、投資家はリスクを取って株を買い、株価は上がりやすくなります。2021年のように、新しいテクノロジーの成長が期待される場合、投資家の間で「FOMO(Fear of Missing Out)」が広がり、株価が上昇しました。

逆に、市場が悲観的なときや不安が高まると、投資家はリスク回避的になり、株価が下がることがあります。恐怖指数(VIX)が急上昇すると、株式市場全体に大きな売り圧力がかかり、調整局面になることが多いです。

6.外部ショック

自然災害やパンデミックなどの外部ショックも株価に大きな影響を与えます。例えば、COVID-19パンデミックの初期段階では、世界中の株式市場が急落しました。

逆に、こうしたショックからの回復過程で、企業が迅速に対応し、経済が再び成長軌道に乗ると、市場は回復し、株価が上がることがあります。例えば、2020年後半のワクチン普及による経済再開期待で、多くの株価が急回復しました。

7.為替レート

円安になると、日本の輸出企業(例えば、自動車メーカー)の競争力が向上し、利益が増えることから、株価が上がることがあります。逆に、円高になると輸出の競争力が低下し、利益が減少するため、株価は下がる可能性があります。

例えば、円相場が1ドル=110円から1ドル=120円に変動すると、日本の輸出企業の利益が増える可能性が高まり、その結果、株価が上昇することがあります時

8.マネーの供給量(マネーサプライ)

マネーサプライが増えると、中央銀行の金融緩和政策により市場に流れる資金が増え、株価が上がりやすくなります。例えば、リーマンショック後の量的緩和政策では、大量の資金が市場に供給され、株価が回復しました。

逆に、金融引き締めが行われると、マネーサプライが減少し、株式市場から資金が引き上げられ、株価が下落することがあります。例えば、2022年のFRBの利上げは、インフレ抑制のための引き締め政策として実施され、株式市場に調整をもたらしました。

9.株を買うタイミング

株を買うタイミングは、これまで述べた変数の状況を踏まえ安い時に買うのがポイントです。以下のようなタイミングが一般的に「買い」の好機とされます:

経済成長の初期段階: 経済が回復し始めた時期(GDP成長率が上向き、失業率が低下し始めた頃)や、景気拡大の初期段階では、多くの企業が業績を向上させる可能性が高いです。この時期には、比較的リスクが少ない中で株価が上昇することが期待されます。

市場の調整局面後: 株式市場が大幅に下落した後、例えば外部ショックや一時的な悪材料で急落した場合、その後の反発を狙って買うという戦略もあります。特に、企業のファンダメンタルズが健全であり、業績見通しも悪くない場合、割安な価格で株を買うチャンスとなりえます。

政策の変化がある時: 新しい経済政策(例えば減税やインフラ投資の拡大)が発表された際には、その政策が企業収益を後押しすることが期待されるため、株価が上昇することがあります。このようなタイミングで株を買うのも有効です。

10.株を売るタイミング

株式で利益を得るためには売るタイミングも重要です。以下のようなシナリオで売却を検討することが一般的です:

経済成長が鈍化する兆しが見えた時: 経済指標(例えば、GDP成長率の低下や失業率の上昇)が悪化し始めると、企業の業績が低迷する可能性が高まります。このような時には、株を売却して利益を確定するのも一つの戦略です。

金利の引き上げが予想される時: 中央銀行が金利を引き上げる見込みがある場合、借入コストの増加や消費の減少が懸念されるため、株価の下落が予想されます。このような状況では、先手を打って売却を検討するのが良い場合もあります。

企業の業績が悪化した時: 企業の決算が予想を下回ったり、将来の業績見通しが悪化した場合、その株の価値が下がる可能性があります。特に、大手企業や市場をリードする企業でこのような発表があると、広範な影響を与えることも多いです。

また企業が顧客や投資家の信頼を裏切る不正を行っていた場合は売った方が賢明です。不正を行うような企業から良い製品・サービスが生まれる可能性が低く、そういった理由から他の投資家も手を引くため、再び株価が戻るまで多くの時間を費やすでしょう。(場合によっては倒産の危機もあります。)

地政学的リスクが高まる時: 戦争や貿易摩擦などの地政学的リスクが高まると、市場の不安感が増し、株価が急落することがあります。こうしたリスクが顕在化した際には、ポジションを縮小することも検討に値します。

目標株価・シナリオに到達した時: 自分で設定した利益目標に到達したら、その時点で売却するのも一つの方法です。市場の変動に左右されず、計画的に利益を確保するための重要な戦略です。

市場が過熱していると感じる時: 強気相場が長期間続き、株価が急激に上昇している時には、バブルのリスクが高まることがあります。市場が過熱していると感じた場合は、一部のポジションを売却してリスクを管理するのも賢い判断です。

投資時に想定したシナリオから外れた時:投資を行う際には、必ず何らかのシナリオ(例えば、企業の成長戦略や経済の拡大、政策の安定など)を想定して資金を投入するものです。しかし、そのシナリオが外れた場合は、リスクを管理するために株を売却する決断を下すことが重要です。

まとめ


株式市場は、これらの多くの変数が相互に影響し合うことで形成されています。市場の動きを理解するには、これらの要因を幅広く理解し、実体経済との関連性を把握することが重要です。投資を考える際には、これらの変数が現在どのように働いているかを注視し、最適なタイミングでの取引を目指すとよいでしょう!


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