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父子の旅 2023夏《前編》

今日から一泊二日の予定で、息子と私の関西ふたり旅に来ています。自分自身が後から見返して楽しめるように、貴重な旅の記録を残します。

初の父子の泊まりがけの旅

息子とのふたり旅は今回が初の挑戦になります。不安を訴える妻の懸念を押し切り、私の強い希望で実現しました。

息子は電車に乗るのが大好きで、数年かけて関東近郊の路線はほぼ乗り尽くしました。年末年始に私の加古川の実家に帰省した際、JR西日本や山陽電鉄に乗ったのが楽しかったらしく、妻には事あるごとに関西に行きたい、と言っていたようでした。

この夏休みを利用して、息子を関西旅行に連れて行くことは、今年の早い段階で決めていました。私は、子供の頃に父と二人きりで旅行 〜妹が旅行当日に発熱したための偶然の産物だったのですが〜 した経験が一度だけあり、同じ経験を息子にもして欲しい、という願望を抱いていました。

最初の計画では、私の加古川の実家に泊まる予定でしたが、受け入れる母の重荷になりそうなので断念しました。さらに、台風7号接近で電車の運行に支障が出る可能性が濃厚になったので、予定を一泊に短縮して本日から実行することになりました。

横浜〜小田原〜米原

息子の希望は電車に乗ることだけで、観光地やUSJのような娯楽施設には全く関心ありません。なので、計画はかなりラフでも成立します。神戸に宿は確保してあったので、小田原〜米原間を新幹線で移動し、米原から青春18きっぷをフル活用して、息子の希望を聞きながら、乗りたい電車に付き合ってやればいい、と気楽に考えました。

息子も数日前から楽しみにしていたようです。普段学校に行く時はなかなか起きないのに、今日は朝5:45のタイマーに素早く反応して起きました。いつもはぐずぐずして、なかなか取り掛からない朝の仕度もてきぱきと行い、早々に準備万端を整えて急かすので、妻を呆れさせました。新幹線に乗り換える小田原駅にも予定より一本早い在来線で到着し、ホームの看板を写真撮影したりする時間的余裕がありました。

小田原駅在来線ホームにて
小田原駅新幹線ホームにて

ホームに滑り込んできた新幹線は、指定席こそ混雑していましたが、自由席とグリーン車には割と空席があるようでした。予約済みの指定座席に座り、妻の用意してくれたお弁当で朝ご飯を済ませた後、息子は、窓から普段見慣れない風景を楽しんだり、私のスマホでYouTubeを観たりし、私は持ってきた本を読んで過ごしました。

JR在来線でひたすら移動

米原駅で一度改札の外に出て、青春18きっぷで再入場します。ここからはJR在来線ならば乗り降り自由の移動し放題なので、息子の希望通りに行動するだけです。

最初は、新快速で終点の姫路まで乗ることになりました。これは息子がずっと言っていたことでした。同じ電車に2時間以上乗りっぱなしです。米原始発なので、座席は確保できているとはいえ、結構しんどい移動であるのは確かです。ただただ乗り続けるのが楽しいという息子は、いわゆる"乗り鉄"です。実は、私も嫌いではありません。だから、息子のわがままな要求にも寄り添って付き合える訳です。途中の息子の様子を注意深く探っていましたが、ワクワク感と不安感が交錯しているのか普段は見せない表情を見せてくれました。心底楽しいのだと思います。私もそんな息子を眺められて満足でした。

終点の姫路駅に着き、駅構内でトイレを済ませると、そのまま別のホームに一目散で向かっていくので、慌てて引き止めました。何とか宥めすかして、改札を出ると、遠くに見える国宝姫路城をバックに写真撮影し、駅前にあった星乃珈琲店でランチにしました。息子はオムライス、私はミートスパゲティとアイスコーヒーを注文しました。一刻も早く、電車に乗って移動したい息子は、あっという間にオムライスを平らげ、まだコーヒーを飲んでいる私を急かします。結局、姫路での滞在時間は、1時間もなかったように思います。

次の希望を聞くと、大阪環状線だと言うので、新快速で大阪駅まで引き返しです。大混雑の大阪駅の人混みをスイスイ掻き分けて、環状線ホームへと軽やかに進んでいくので、姿を見失わないように追いかけるのが大変でした。

ホームには、運良く環状線外回りが停車中だったので、途中の駅で乗り換えしないで全19駅を制覇出来ました。大阪在住の方には常識なのでしょうが、環状線の始点#1は大阪駅ではなく、天王寺駅であることを今回知りました。また、奈良市の位置が奈良県の中では北西部、かなり大阪府寄りであることも再認識しました。

私は、東京都ー神奈川県の関係は、大阪府ー兵庫県の関係に近いと思っていて、川崎=尼崎、横浜=神戸、小田原=姫路 がそれぞれ対応する気がしています。また、東京には大阪(梅田)、新宿には天王寺が対応すると思っていたのですが、実はこれは逆で、東京=天王寺、新宿=大阪と考えた方が実態に近いんじゃないかな、という印象を持ちました。息子が軽く興奮しながら、環状線の一駅一駅を確かめている間、そんな考えを巡らせていました。

明日に備えて早めに宿入り

環状線一周を終えた時点で、まだ15:00過ぎでしたが、息子もさすがにへばっているように映ったので、三度新快速に乗り込み、三ノ宮へ移動して今夜泊まるホテルにチェックインすることを提案しました。大阪〜三ノ宮間の電車は混んでいて、座席が空いていませんでした。息子も疲れたのか、何度も通路にしゃがみこみました。今日はいつもよりかなり早起きして活動しているので仕方ありません。

神戸は、過去に数年暮らした経験がある準地元です。久々の滞在で訪れたい場所が幾つもあったものの、今回は息子連れなので、グッと我慢です。ホテルにチェックインして、小一時間冷房の効いた部屋で休憩していたら、息子の体力も回復してきたようなので、夕飯は私が学生時代から通っていたカツ丼屋の吉兵衛に連れて行きました。苦手な青ネギがカツの上に乗っていたにも関わらず、カツ丼並を完食してくれて、嬉しかったです。

吉兵衛のカツ丼を完食

さて、明日はどんな珍道中になることやら...

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