見出し画像

私の好きだった曲㉓:僕はこんなに

昨日は雪が舞う寒い一日でしたが、本日は一転して真っ青な秋晴れの広がる素晴らしい日曜日でした。ガソリンを給油した後、そのまま安曇野、松川村方面へクルマを走らせ、いい気分で週末を締め括りました。

本日は、私の好きだった曲シリーズ(第23弾)として、ネイキッド・アイズ(Naked Eyes)『僕はこんなに (There's) Always Something There to Remind Me』(1983)を取り上げてみたいと思います。私と同世代でそこそこ洋楽好きだった人ならば、あったなあ…… という懐かしい感じのポジションの曲かと思います。

ネイキッド・アイズについて

英国西部サマセット州バース出身のピート・バーン(Pete Byrne 1952/6/9-)とロブ・フィッシャー(Rob Fisher 1956/11/5-1999/8/25)によるポップデュオ、ネイキッド・アイズは、1983年にアルバム『ネイキッド・アイズ Burning Bridges』でデビューし、いきなりこの曲をスマッシュ・ヒットさせました。(UK 59位、USA 8位)

今年惜しくも亡くなった巨匠バート・バカラック(Burt Bacharach 1928/5/12-2023/2/8)と相棒のハル・デイヴィッド(Hal David 1921/5/25-2012/9/12)の作品で、1963年代にヒットした名曲のカバーです。

ネイキッド・アイズは、今では珍しくなくなったシンセサイザーのサンプリングサウンドのパイオニアの1つで、後に続々と登場してくるニューウェーブ系バンドたちのサウンドにも大きな影響を与えたとされます。

お洒落で、琴線に触れた一曲

この曲がヒットしていた1983年6月頃は、私が本格的に洋楽の魅力にめり込んでいた頃で、毎週金曜日深夜に放送される『ベストヒットUSA』を心待ちにし、ラジオの全米ヒットチャートを必死でフォローしていた頃でした。この曲のお洒落なサウンドは、音楽に飢えていた少年の琴線に触れ、印象的なプロモーションビデオとともに、40年経った現在もくっきりと脳裏に記憶されている一曲となっています。

鐘の音が効果的で、シンセサイザーが大胆に使われていて、メロディーラインはポップで、今聴いても、あまり古さを感じません。

あの時、出会ったからこその一曲

ただ、今も記憶し続ける大切な曲になったのは、私が多感な時期に出会ったからこそのような気もしています。ネイキッド・アイズには、同年に『プロミセス・プロミセス Promises, Promises』というヒット曲もあります。ただ、そのあたりまでで、彼らの音楽の記憶は途絶えています。

この曲に出会うのが1983年でなければ、私の思い出の一曲になったかどうかは甚だ疑問です。それは、出会いがまさに運命のタイミングだったように思うのです。こうした偶然が積み重なって、人格とは形成されていくものなのだなあと、しみじみ考えてしまいます。

ネイキッド・アイズの現在

ネイキッド・アイズは、1984年に2枚目のアルバム『イン・ザ・ネーム・オブ・ラブ Fuel for the Fire』を発表した後、1985年には解散しており、活動期間としては、2年程度という短命に終わっていました。

キーボード、シンセサイザー担当のフィッシャーは、ネイキッド・アイズ解散後、ソングライター兼ボーカリストのサイモン・クライミー(Simon Climie 1957/4/7-)と、似たようなテイストのポップデュオ、クライミー・フィッシャー(Climie Fisher)を組んで、1987年に『ラブ・チェンジズ Love Changes (Everything)』というスマッシュ・ヒットを飛ばしています。(中古で100円で買ったCDを持っています)

豊かな音楽的才能に恵まれていたフィッシャーは、1990年にクライミー・フィッシャーでの活動を終えた後も、精力的に活動を続けていたものの、癌の為に42歳の若さでこの世を去っています。ネイキッド・アイズは、残ったバーンがひとりで継続させており、今も定期的にライブ活動を行っています。

サポートして頂けると大変励みになります。自分の綴る文章が少しでも読んでいただける方の日々の潤いになれば嬉しいです。