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54歳最後の夜に大事なことを学んでおきたい

本日無事に54年と365日目を迎えられたことに感謝です。明日55歳の誕生日を迎える前夜に、宮台真司氏&波頭亮氏の対談動画Rethinkからの学びを文字にしておきたいと思います。

民主主義が機能するには条件がある

この動画の中で、宮台氏も波頭氏も日本の政治が機能していない原因として、自民党政治に幻滅する人々の受け皿となるべき野党が一向にアップデートしないことを嘆いています。

世界を見渡せば、新自由主義が跋扈する世界ばかりでなく、フランスのような中央集権的ではないユーロコミュニズム的な道筋もある筈なのに、日本ではそのような政治潮流が一向に起こる気配がありません。相変わらずマルクス=レーニン主義を標榜する頑迷な日本共産党や、何を標榜しているのかさっぱりわからず、与党の揚げ足取りに終始しているように見える立憲民主党の責任は重大です。かつて一流と言われた経済も、国際社会での地位を失いつつあるのに、相変わらず既読権益を維持し続ける重厚長大産業にも批判的です。

宮台氏は、民主主義とは条件付きで成立する政治制度であり、そこに暮らす人々の民意が低い土壌で展開される民主主義は、最悪の政治形態になる、と言います。今の日本が振るわないのは、日本人の劣等性(宮台氏がしばしば主張している話)が悪い方向に作用するばかりで、民意のレベルが絶望的に劣化してしまったことも影響しているのでしょう。

非常にわかりやすい分析

宮台氏の展開する主張や文脈を理解するには、前提となる思想についての知識が求められますが、今回はかなりわかりやすい題材を持ち出して、日本の民意が劣化したことを分析してくれています。

対談後半は圧巻で、山岸俊男、マルティン・ブーバー、ユルゲン・ハーバマスなど高名な社会学者の用語を使いながら、これから必要な日本社会の変革と社会設計を説いてくれています。

ハーバーマスの生活世界(ホームベース)vs システム世界(バトルフィールド)、ブーバーの汝・You vs それ・It という対比をベースに展開された意見には、強く強く共感しました。

結局の所、私は、条件付きで承認され、いつでも代替可能な「それ」として扱われる世界に飽きていて、唯一無二の「汝」として認められ、まなざされることに飢えているのだと感じました。市場経済の拡張は、従来であれば、ホームベースであった場所さえ、どんどんバトルフィールドへと変わっていきます。友達とはgive&takeの関係と言い切る(無条件じゃないんだ...)殺伐とした世界に、自分は惓んでいるのだと再認識しました。


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