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『されど愛しき人生』を聴きながら

本日は、スキマスイッチ『されど愛しき人生』の世界に浸りながら、沸き上がってくる思いを綴ります。

好きなアーティスト、スキマスイッチ

大橋卓哉(1978/5/9-)と常田慎太郎(1978/2/25-)のユニットであるスキマスイッチは、2003年にデビューし、2005年には5枚目のシングル、『全力少年』が大ヒットしてメジャーの仲間入りをしました。私は、彼らの『奏(かなで)』が非常に好きで、カラオケで歌いたくなる曲の一つです。

この『されど愛しき人生』は、スキマスイッチの約3年半ぶりとなるアルバム『Hot Milk』&『Bitter Coffee』(通算8&9枚目)発売の2021年11月24日に先立って、11月3日に歌詞だけが先行解禁されました。印象的な歌詞が、話題になったようですが、私は本日テレビで偶然耳にするまで、知らないままでした。

救いのない歌詞だけど……

部屋の掃除をする合間に、耳だけで聴いたので曲調が先に気に入りました。すぐさま、ネットで探してYouTubeのMusic Videoを探し当てて聴きました。公開されてまだ2か月半程ですが、既に100万回以上も再生されています。

このビデオで主人公のサラリーマン風の男をはじめ、あらゆる登場人物を何役も演じている俳優は、柄本時生さん(1989/10/17-)です。この歌詞の世界を演じるのにぴったりの雰囲気を漂わせた風貌や表情が最高でした。

夢を描けって 大人は言うけど
信じれば叶うって 焚き付けたけど
それならばどうして 朽ち果てた夢が
この街に溢れてるの?

この歌詞を皮切りに、ずっしりと重たいストレートなことばが積み重ねられていき、ぐいぐいと私の心を抉ってきます。歌詞を辿っていくと、嘆きを吐くだけで、何の救いもやってこない展開で終わります。しかしながら、曲と合わさって聴いていると、不思議と悲愴感を感じず、なんか爽快感さえ与えてくれます。『明日も踏ん張るか……』と半笑いのような表情になって歩いている自分の姿を想像してしまいます。PVでは、その絶妙の雰囲気を柄本さんがよく表現してくれています。

絶妙のタイトル

歌詞の中には、『されど愛しき人生』ということばは出てきません。でも、タイトルはこれしかないなあ、うまいなあ、という気になりました。

逃げ出したいよベイべー 覚悟もなくて 心が引きこもっていく

というのは、実感したことがある人も多いのではないでしょうか? 私は、ある時期から、嫌なことに出会う度に、何度も何度もこの心境に辿り着いてきました。頻繁に陥り過ぎていて「やあ、また会ったね」という程度の感覚です。何度も絶望の淵を覗きながら、踏み止まって、踏ん張って、またトボトボと歩き続けているように感じる人は少なくないと思うのです。

モヤモヤした気持ちから逃げずに、きっちりとこのことばを受け止めておきたいなと思っています。人生は、終わらない哀歌(ブルース)です。

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