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Markover 50 の読んだ本

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Markover 50の読んできた本の読書感想文を収めています。
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2023年4月の記事一覧

『下流志向』を読む

本日は、内田樹『下流志向 学ばない子どもたち働かない若者たち』(講談社2007)の「第四章 質疑応答」を読んでの読書感想文です。 内田樹氏の鋭い筆本書は、内田氏の数多い著作の中でも話題になった書だと思います。内田氏の書かれる書籍はこれまで頻繁に読んできたものの、私程度の知力では内田氏の思考の深みには、なかなかついていけません。ここは何となく自分の感じていることと違うなあ、これはちょっと違和感があるなあと反発を感じても、氏の広い守備範囲と深い知的教養、高い文章構成力で納得させ

心が欲する読書

本日は、私にとっての読書の効用を考えてみます。私が本を読む目的や選択する本のジャンルは、時期によって結構大きく変遷しています。2023年4月26日時点の心境を確認しておきます。 感情についての関心今現在、関心が強くなっているのは、「感情」についてです。自分の感情に素直に向き合うことは、人生後半戦の重要なテーマになっています。もう、やりたくないこと、気分の乗らないこと、メリットが感じられないことを我慢して、感情を無理矢理抑え込んでまでやり続けたくはないのです。 ただ一方で、

「幸せな人生」を捉え直す

本日は、佐渡島庸平・石川善樹・羽賀翔一『感情は、すぐに脳をジャックする』(GOKKEN 2021)のあとがき ”「幸せ」とは何か~あとがきにかえて~”の読書感想文です。久々に長年追究してきた「幸せ」に向き合って、考えてみます。 きっかけはbook cafeこの文章は、株式会社コルク代表取締役社長を務める佐渡島庸平氏が書かれたものです。佐渡島氏は、講談社出身で漫画『ドラゴン桜』や『宇宙兄弟』などを手掛けた敏腕編集者として著名な方です。 この文章の存在は、私が普段愛聴している

『一日一生』を読む

本日は、酒井雄哉『一日一生』(朝日新書2008)の読書感想文です。心に刺さる教訓の詰まったとても良い本でした。 息子との電車旅の移動中に読了本書は、数か月前にBOOK-OFFで購入したものの、読む機会が無いまま積ん読になっていました。本日は、朝から息子と電車旅に行く約束をしていたので、持ち歩き用のカバンに入れて持っていき、移動中に読了しました。 一話が3Pくらいにコンパクトにまとまっているので読み進め易く、読後感も素晴らしい本でした。電車の車両では、一人で乗っているほぼ全