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Markover 50 の読んだ本

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Markover 50の読んできた本の読書感想文を収めています。
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2022年10月の記事一覧

『太平洋戦争への道 1931-1941』を読む(その1)

本日は、半藤一利・加藤洋子・保坂正康『太平洋戦争への道 1931-1941』(NHK出版新書2021)の「序章 太平洋戦争とは何か」から、学びを記録しておきたいと思います。本書には、私が個人的に学んでおきたい重要な視座が含まれていて、日本近代史(明治維新~太平洋戦争終結)、日本現代史(日本占領~現在)を考える役に立つと考えています。 大東亜戦争⇒太平洋戦争この序章(P15~32 脚注を含む)部分と章末に保坂正康氏によって追記された”「戦争呼称問題」に見る近代日本の宿痾”(P

希望という名の華々しい茶番劇

横浜の自宅に戻ってきて、寛いでいます。本日は、パラパラと読み返した水野和夫『閉じてゆく帝国と逆説の21世紀経済』(集英社新書2017)で引用されている、『希望という名の華々しい茶番劇』ということばから思い浮かんだことを膨らませて、自分の問題意識を深めておこうと思います。 「希望」は幻想一般に、「希望」は好意的に受け止められていることばです。「希望」ということばから受け取るメッセージは人それぞれではあるものの、「未来には何の希望もない」「希望の光が全く見えない」というような台

パブリックへの関心

本日は、JBpressに発表された朝比奈一郎氏の『政治行政に関心を持たず、政治家・役人を見下す日本人、これでは国が溶けていく』を読んで、思った所を書いてみます。 朝比奈一郎氏とは……著者の朝比奈一郎氏は、1973年生まれ。東京大学法学部卒業、経済産業省に入省、ハーバード大学行政大学院(ケネディスクール)で修士号取得と、エリート街道を歩き、2003年内閣官房在職時代には、霞が関の若手官僚たちで作る「プロジェクトK(新しい霞ヶ関を創る若手の会)」を立ち上げ、初代代表を務めていま