見出し画像

警備業における技術レベル

note更新の時間です。

一昨日夜の西日本の大雪にはびっくりしましたね。
地元名古屋でホワイトクリスマスなんて何年ぶりだろうかと……。

少なくとも筆者は思い出せません(笑)

さて今回は職業のレベルについて書いていこうと思います。
レベルとは熟練度のことを指します。

どんな職業にも必ず未経験者は存在し、日頃の業務をこなしていくうちに慣れていき、ベテランと呼ばれるようになっていくものです。
未経験であれば熟練度(レベル)は当然低いしベテランとなれば熟練度は大したもの。

宅配業と警備業の兼業である筆者ですが今回は警備業、特に第2号警備のレベルについて書いていきます。

第2号警備とは

まず、第2号警備という言葉を初めて聞いた人もいると思いますので、そこの解説から。

警備業は警備業法という法律によって大きく第1号〜第4号に分類されます。

  1. 第1号→施設警備
    電車の駅や企業ビル、ショッピングモールなどの警備

  2. 第2号→交通誘導及び雑踏
    工事現場において通行止めや工事車両の誘導、もしくはイベント会場などで入場客を整理する警備

  3. 第3号→貴重品及び危険物運搬
    現金や宝石、ガソリンや核燃料などの貴重品や危険物を運ぶ際の警備

  4. 第4号→人身警護
    要するにボディーガード

上記4つの中で筆者がやってるのは第2号警備、交通誘導警備になります。

かれこれ1年と2ヶ月が経ったので相当のレベルだと自負しています。
そして現在着いてる現場はかなりレベルの高いものではないかと思って業務をこなす日々です。

その第2号警備におけるレベルは5段階と考えます。

レベル1→通行止め及び歩行者の誘導ができる
レベル2→片側交互通行及び幅寄せができる
レベル3→工事車両の入出場、後退の誘導ができる
レベル4→1人で片側交互通行ができる
レベル5→1〜4を複合的に行なうことができる

それではひとつずつ解説していきます。

レベル1.通行止め及び歩行者誘導

未経験者でも任せられる交通誘導がこれです。
正直この2つは分けてもいいんじゃないかとも思うのですが、作業の関係でそれまで通せていた通路さえも一時的に塞がなくてはならないという自体も起こりますので同じレベルにしました。

第2号警備の基本は通ろうとしてる人や車両を止めるところからです。
実際にこの業務に着いてみるとわかるのですが、車はもちろん自転車だろうが歩行者だろうがほぼ止まってくれません。
恐らく道の先が危険だと理解が出来ないんでしょうね。
実際に止めてる地点から見えてるはずですが?

そして基本、歩行者と自転車は通れるだけのスペースを設けるのでそちらに誘導しますが、反対側からももちろん来るので1度自分のとこで待っててもらう必要も出てきます。

筆者も最初の業務はこのレベル1でした。

レベル2.片側交互通行及び幅寄せ

レベル1に慣れてきたら第2号警備における花形(?)片側交互通行です。

運転をする人であれば恐らくたまに出会うこともあるでしょう。
片側1車線の道路で対向車が抜けてから区間限定で逆走させられる場所です。

両側から同時に来るとすれ違えなくて事故になるのでペアになってる人と連携を上手く取りつつそれを行ないます。
その際やはり1度は止まって貰わなければならないのでレベル1が出来てないと任せられないです。

幅寄せですがこれは例えば広い道路で対向車と衝突する心配はない時に停止車両及び現場を避けてもらう際に出す指示です。
この車線は通れないので右車線に移って通って下さい、という意味の指示を出します。

レベル3.工事車両の入出場、後退誘導

これは主に建築現場で行なうことが多いです。

建築資材を運ぶトラックは大体が3トン以上の中型自動車なので、運転者もかなり熟練されてるとは思いますがやはり警備があった方が安心感は違います。
現場周辺には少なからず歩行者、自転車、一般自動車がいるので、現場に入ったり出たりする時には巻き込み事故や出会い頭の衝突事故を避けたいですね。

大きい車だと死角も大きいので大体は工事車両に待ってもらって通行の切れ目で入出場の指示を出します。
場合によっては一般の方の通行を一時的に止めてそれを行ないます。

後退誘導も然りです。
周りに人が入らないようにした上で、移動してる車両が周辺に当たらないように誘導します。
場合によっては後退を一時的に止めてもらいます。
動いてる大きい車両はなるべく止めない方がいいんですけどね……。

また、水道工事などで片側交互通行をやってるエリアに出ていく場合には、担当の人と連携を取って片側交互通行の流れに乗せてしまうのも技術ですね。

レベル4.1人で片側交互通行

レベル1は初心者、レベル2と3は中級者、レベル4になると上級者であると言えるでしょう。

レベル2の片側交互通行を1人でやります。
敢えて明記はしてませんでしたが、基本的に片側交互通行は2人1組でやるもの。
しかしながらその距離が例えば2トントラック(例:クロネコヤマト、佐川急便)1〜2台分程度であるならば、開始地点と終了地点の双方向を1人で見ることは十分と言えるのでその際は1人でやります。
もしくは交通量が極端に少ない道路でも同じですね。距離が長ければ別ですが。

どちらか片方をしっかりと止めて片方の車を通し、抜けたら止めてた方に通ってもらう。
やってみると意外と気を使います。
A方向からの車を止めたはいいけど、B方向からの車に出した「通ってよし」という合図が間違ってA方向の車に伝わってしまって、危うく事故…
なんてことになりかねないので、双方に勘違いされないような指示出しが必要となります。

片側交互通行ができてもこれはなかなか難しいし初心者にはもっと無理。

現場におけるレベルの割当

レベル5に関しては書いた通りなので詳細を省きますが、レベル5に達するまでにはそう時間はかからないはずです。

そして2号警備の担当する現場もいろいろありますが大きく3パターンだと思ってます。

1.水道工事(土木工事)
2.建築工事
3.通信工事

そしてそれぞれどのレベルの技術が必要かと言うと

水道工事→レベル1〜2
建築工事→レベル3
通信工事→レベル4〜5

だと筆者は考えます。

通信工事と言われてイメージしにくいと思いますが電気工事と言えばイメージできると思います。
電柱に登って行なう工事ですね。
マンションだと電柱に登ることはないですがたまにあります。

筆者が着いてる現場は通信工事の現場なので自ずとレベル4以上の実力が必要なはずで
当然そのレベルであると思ってます。

3つの現場の違いは何かというと
土木と建築に関しては場所が変わらないですが通信は場所が変わることです。

2号警備において重要なのは現場の交通量の変化を気にかけることです。

自動車はどれだけ通るのか。
歩行者は歩道を通れるのか。
自転車は何台通るのか。

土木や建築であれば場所は変わらないので時間経過による変化を気にしてれば大丈夫。
通信だと場所が変わるので同じ昼時の工事でも、商店街か住宅街かで交通量は全然違いますよね。

また、土木は何人かのグループでやることが多いのでその日の役割が例えば通行止めであれば、その日はそれだけやってれば良いです。
でも通信工事は基本1人か2人なので何をやるべきか、どういう道路の現場なのかを全て着いた時に判断しないといけません。

つまり通信工事は場所が変わる毎に判断と実行を瞬間的に行なわないといけない、非常にハイレベルな現場だと思ってます。

通行止めにするのか。歩行者は通せるのか。
バイク自転車は通れるのか。
住宅街なのか。商店街なのか。
一方通行か。相互通行か。

そしてこの現場で何よりも重要なのは頭上で作業をしてるということ。
使ってる工具や材料をもしかしたら落としてしまうかもしれない。
ケーブルがたるんで車に引っかかってしまうかもしれない。
危険性が前後だけでなく上にもあるので通常の警備よりも視界は広く取らなくてはならないのです。

こうやって書いてるだけでも如何にハイレベルな現場に入ってるのかがわかります。

何のために書いた記事

最後になってしまいましたが、この記事を書こうと思った理由を書きます。

それは警備会社の司令塔である管制がこれを全く理解出来てないからです。
他の会社はどうかわかりませんが少なくとも筆者のところはこうです。

通信工事の現場に未経験者を平気で放り込んでくる頭のおかしい連中です。

いつの時代もデスクと現場は分かり合えないということでしょうか。
これで何が困るかというと、ノウハウを教えてる暇がないのです。
誘導の仕方もわからない相手にその業務をこなしながら教えるのは、通信の現場ではとてもじゃないけど不可能です。
だって交通事情が現場に着かないとわからないから。

この記事を管制の人達が読んでるかはわかりませんが
読んでいればぜひ参考にして頂きたいものですね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?