見出し画像

意識の遊覧飛行 〜「体外離脱」は第二の生を証明するのか?③ 体外離脱体験がもたらすもの

『意識の遊覧飛行 〜「体外離脱」は第二の生を証明するのか?』第2回では、体外離脱を実際に幾度も体験し、その研究に生涯を通じて没頭した、ロバート・A・モンロー博士について、そして私が体験した体外離脱体験のお話を致しました。

今回は、体外離脱に興味をお持ちの方へ向けて、実際に体外離脱体験を誘発出来るいくつかの方法をご紹介しましょう。


体外離脱を体験する

精神的誘導法・二度寝法

頻繁に体験していた当時は、偶発的に起こるこの現象を何とか意図的に起こせないものかと、試行錯誤しました。それが『【明晰夢で人生を豊かにする!⑦】あなたも明晰夢を見ることができる! 〜 様々な明晰夢習得メソッド』でお話しした「数息観」という密教の修法を利用したものと「二度寝法」「筋弛緩法」です。

最も効果的だったのは「数息観」と「二度寝法」でした。

数息観の方法

目を閉じて「吸う」「吐く」をワンセット1回とカウントし、心の中で呼吸を数えて行きます。数が増えて行く毎に、呼吸が静かに、浅くなって行くことに気付きます。それと同時に肉体の感覚が薄らいで、意識と分離して行くような感覚を得られるようになります。この状態をしばらく維持出来れば、浮遊感がやって来ます。

この方法で、浮遊感を得て、肉体から意識を分離させる、天井がどんどん目前に近付いて来る、というところまでは成功するもの、なかなかその第二の身体を自在に操る、移動するというのは、私には至難の業でした。

二度寝法

普段通りの時間に就寝します。4〜5時間後にアラーム音で目を覚まして、すぐにアラーム音を切り、すぐに再び眠ります。目覚めたときに体を起こさなくて良い範囲にアラームを置いておくこと。二度寝したときに体外離脱が起こりやすい傾向にあります。

または、やや睡眠時間が足りない状況で起床し、朝食や家事、仕事などを一通りこなしたあとで、午前中のうちに二度寝をします。このとき微睡の中で瞼の裏に映る映像をよく観察します。

こうした精神的、肉体的誘導法以外にも、機械的誘導法よって体外離脱へ至る方法が模索されています。


機械的誘導法

Hemi-Sync(binaural beats)

『意識の遊覧飛行 〜「体外離脱」は第二の生を証明するのか?②』でご紹介した、体外離脱体験者で、研究者のロバート・A・モンロー博士が開発した音響技術。

左右の耳それぞれに波長がわずかに異なる音を聴いて、左脳と右脳を同調させる「バイノーラル・ビート」に、「ピンクノイズ(1オクターブごとの強さが一定となる雑音)」を加えた音が「Hemi-sync(ヘミシンク)」です。

モンローが設立したモンロー研究所のプログラムでは、この音に言葉によるイメージ誘導が追加されています。

このHemi-syncを聴くことで、体外離脱の状態へ誘導されます。体外離脱体験者の中には、しばしば肉体から意識が抜け出る直前に「ブーン」という耳鳴りが聴こえる人が多く、音は体外離脱に何らかの重要な影響を与え得るものなのかもしれません。

以下はバイノーラルビートと、アイソクロニックトーン(等時間隔トーン)をミックスしたアストラル・プロジェクションを誘発する音源です。

アイソクロニックトーンは、人間の可聴域外の脳に効果的に作用する周波数を、ヘッドフォンやイヤフォン、スピーカーなどで容易に聴けるように調整された音。均等な感覚で刻まれる音は心地良く、睡眠やリラクゼーションを促進すると、昨今注目を集めています。

※ヘッドフォン、またはイヤフォンで上のYouTubeを再生してみましょう。音量を上げ過ぎず、小さな音量で聴くのがコツです。

アイソレーション・タンク

イルカとのコミュニケーション研究や、サイケデリック・ムーブメントの第一人者として知られるアメリカの脳科学者、ジョン・C・リリーが1954年に開発したのが「アイソレーション・タンク」です。

外界の光や音などを一切遮断した空間で、皮膚と同じ温度に保たれた高濃度塩水に浮かび、皮膚感覚や重力を制御して、究極のリラクゼーション、瞑想体験を得ようとするタンクです。

80年代になると、ケン・ラッセル監督、ウィリアム・ハート、ドリュー・バリモア出演の『アルタード・ステイツ』という映画で、このアイソレーション・タンクが取り上げられ、一躍ブームとなり日本でも大々的に紹介されました。

近年では、ストレス・不安の低減、線維筋痛症の症状緩和が期待出来るとして再び注目が集まっています。

(※http://nashvillefloat.squarespace.com/fibromyalgia/

このアイソレーション・タンクが体外離脱にも有用であると考えられています。

フローティングタンク、サマディタンクなどとも呼ばれる

その他、ヘッドマウントディスプレイを装着した俯瞰視点を得ることで、体外離脱を誘発しようという実験が中央大学で行われています。

東京工業大学では、「匂い」で体外離脱を誘発する実験が行われました。これは、被験者が椅子に座り、その体の後ろにカメラを設置します。ヘッドウントディスプレイで、そのカメラが映す自分を見ます。カメラにアロマディフューザーを近付けると、ヘッドマウントディスプレイを装着している本人に、その香りがするというもの。

また、VRで幽体離脱を擬似体験する試みも各所で行われているようです。

※薬物や幻覚剤を使用した化学的誘導法もありますが、こちらでのご紹介は省略致しました。

体外離脱が私たちにもたらすもの

体外離脱体験者は、会いたい人に会いに行ったり、行きたかった場所に瞬時に移動したり、宇宙空間を自在に飛び回ったという人までいます。

好きな場所を思い浮かべただけで、自在に移動出来れば、これほど楽しく、刺激的な体験はありません。

私自身の体験は、これまであまり人には話したことがありませんでした。信じてもらえないから、というのが一番大きな理由です。

しかし第一回でお話をしたように、各国政府や大学などの研究機関による実験・研究で、体外離脱を多くの人々が実際に体験していることは客観的事実として揺るぎないものとなっています。

それらは軍事目的で利用され、世界に暗躍しているスパイたちが自分の意識を敵国に飛ばして、その国の機密情報を盗み見たり、兵器を使用不能に陥らせたりしているのです。

私の身に起こったことは本当に体外離脱だったのでしょうか。私の脳内だけで完結した現象であった可能性も拭えません。

私はどうしても自分が体験したことが体外離脱であって欲しいとは思っていないのです。自分が体験したことを合理的に、理論的に説明出来る仮説があれば、それを許容したいとも思っています。

しかし、やはりどこかで体外離脱という現象にロマンを感じる部分もあったりします。

亡くなった愛する人に再会し、行くことが叶わなかった場所へ一瞬で訪れることも出来るこの現象は、ある人にとっては癒しとなり、ある人にとっては明日を生きる希望となる余地もあります。

そして、モンローが言う3つの「ローカル」の存在・・・

体外離脱が「現象」として存在し得るということが指し示しているのは、私たちは「肉体だけの存在ではない」ということ。

そして、もっと言えば、私たちの本質は「意識」にあり、「意識」は死なないということです。

そう、私たちにとって肉体の「死」とは「終わり」ではなく「始まり」であるかもしれないということ。

先に逝った愛する家族も、肉体という重い衣服を脱ぎ捨てて「意識」を解放させ、今も私たちの計り知れぬ場所で「第二の生」を謳歌しているということを示している可能性もあるのです。

それは、私がかつて父から受け取ったメッセージに通じます。

そう考えると、自分が命を全うし懸命に生きた後には、確かに広がっている未だ見ぬ世界がある。それならば、より今を「愛おしく」、今を「大事に」生きられると...そう思うのです。

そして何より、自分の周囲にいる全ての人達、全ての環境を受け入れ、許し、愛することが出来るのではないでしょうか。

悲惨な事件や事故が相次いでおり、明日は我が身だと考えてしまう毎日。

明日も今日と同じように確実に側に居続けてくれると思っていた愛する家族が、突然この世から旅立ってしまう、そんな現実をまざまざと見せつけられているかのようです。

体外離脱という現象を、このメディアで取り上げたことを不自然に思われる方がいらっしゃるかもしれません。

体外離脱は、私たちが「肉体」という物質のみで構成されている生き物ではないことを如実に物語っています。

体外離脱によって解き放たれる意識は、私たちの存在そのものです。

肉体が滅んでも、その意識だけは不滅である

そうした知恵をもたらし、提示してくれる体外離脱という現象は私たちにとっての福音なのかもしれない、そう思うのです。

皆さんは、どうお感じになられますか?


参考文献

「魂の体外旅行―体外離脱の科学」ロバート・A・モンロー (日本教文社)
「究極の旅―体外離脱者モンロー氏の最後の冒険」ロバート・A・モンロー (日本教文社)
Defense Intelligence Agency Comments On The Reality of “Astral Projection”

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?