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鷹嶺ルイさんへの感謝〜『凪のあすから』、トークスキル、カール、名言の話

今回もVTuberさんの話です。といっても、前回の本編はFANBOXに更新しましたし、あれはジョー・力一さんの番組にかこつけた「おしっこトーク」でしたので、いささか趣を異にしているでしょう。

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求める情報に応じ、適切なアクセスを願うものです。今回のテーマは、ホロライブ6期生VTuberである「鷹嶺ルイ」(たかね・るい)さんについての感謝と、所感と、いつもの私らしい益体もない話です。

● 鷹嶺ルイさんの基本情報
● 鷹嶺ルイさんへの感謝
● 鷹嶺ルイさんに学ぶトークスキル
● 帰納的トークと演繹的トーク
● チーズ味・大北方戦争・ボック元帥・Sabaton
● タイ文字ならびにマルチリンガルの効能
● ラテン語の響き〜運命が助けるもの

たまには、記事の方向性を規定するシノプシスを書き出してみましょう。VTuberの方の話ゆえ、セットリストと呼ぶほうがふさわしいでしょうか。

いずれにしても、中途から脱線する気しかありませんね。しかし、川の流れが止められぬように、話の流れもまたどうして止められるでしょう。ましてや、私はこれから盆に返す気のない覆水をやらかそうというのに。

鷹嶺ルイさんの基本情報

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名称:鷹嶺 ルイ
フリガナ:タカネ ルイ
Twitter:takanelui
デザイン:かかげ
Live2D:rariemonn
身長:161cm
誕生日:6月11日
公式カラー1:#28040d
公式カラー2:#831550
公式カラー3:#b84a67
相棒1:がんも(ガマグチヨタカ)
相棒2:つみれ(ガマグチヨタカのヒナ)
相棒3:つくね(ガマグチヨタカのヒナ)
備考1:FF13のライトニングさんへの愛がすごい
備考2:双子キャラへの愛がすごい

各データは、上述のとおりです。卒爾ながら、表記の美的判断により、いずれも敬称を省略させていただきました。公式カラーはそれぞれ……。

1. 「ランプブラック」および「鉄黒」の近似色
2. 「ワインレッド」および「ラズベリー」の近似色
3. 「ワインレッド」および「ルビーレッド」の近似色

このように表現できるでしょう。ワインを試飲しながらの放送もあるだけに、ワインレッドは鷹嶺ルイさんを象徴する色といえるかもしれません。

名称は「高嶺の花」を想起させつつ、例えばクマタカのように高所を悠然と飛ぶ鷹の自由さ、壮大さを表していて、キャラクターデザインはその「鷹的性質」を髪型や瞳に強く反映させています。

どうでもいい話。私の母校である熊本高校は俗称「クマタカ」なのですが、埼玉の熊谷高校に知名度で劣る紛い物扱いで、「これが熊襲民の限界けえ」と感じたことを思い出します。BRタグの挿入。

相棒たるペット枠はガマグチヨタカの「がんも」と、そのヒナである「つみれ」と「つくね」。一見するとフクロウのようですが、実際にガマグチヨタカによく似た風貌をしています。

これらの属性から、Do As Infinityの『夜鷹の夢』などをカバーで歌われると、鷹嶺ルイさんの強いアピールソングとなるかもしれないな。そんな妄想を抱いています。もっとも、湾岸戦争やコソボ紛争をモチーフとした同曲だけに、扱いは困難でありそうですが。

鷹嶺ルイさんへの感謝

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この記事を書いた主題であり、これこそを伝えたかった内容です。

鷹嶺ルイさんは社会配信の際に、好きなアニメを以下のように挙げられていました。

● コードギアス
● PSYCHO‐PASS
● 凪のあすから
● 桜蘭高校ホスト部
● SPY×FAMILY
● 東京喰種
● DEATH NOTE

このうち、特にうれしく思ったのが、『凪のあすから』です。P.A.WORKS制作のオリジナルアニメであった同作は、その展開がとても意欲的な作品でした。

実はこの作品には、私の従妹が制作スタッフとして関わっており、さらに当人にとっても非常に思い入れの強い作品であることから、好きな作品に挙げていただけるのは心が弾むのです。

不肖の私とは違い、彼女はその技術と人品とキャリアとを実務のなかで磨き、鍛造していきました。

今は『ガールズ&パンツァー最終章』に携わり、十全な活躍を続けています。私事ではありますが、ぜひ皆様、同作品にご興味を持っていただければ幸いです。

翻るに、営業職で培ったスキルが今のご活動につながっている鷹嶺ルイさんも、また同じように尊崇すべき方と心得ています。

鷹嶺ルイさんに学ぶトークスキル

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本題のあとは、すでに見え隠れしていた私の「隙あらば自分語りチョロQ式話題シフト仕様」のコーナーです。

鷹嶺ルイさんは営業職をやっておられたころ、売り上げで全国1位を達成されたとのこと。

「才媛はあらゆる分野で輝くのだな」と海のリハクのような笑みを浮かべていたわけですが、なるほど、営業に関する確かなロジックとプロセスが構築されていて、非常にためになる内容を多く語っておられます。

鷹嶺ルイさんのグッズで「鷹嶺ルイ謹製クーゲルシュライバー」が出たら、買ってしまいそうな説得力があります。もっとも、直筆の手紙をしたためて渡すエピソードからも、万年筆のほうがふさわしいかもしれません。

そんな鷹嶺ルイさんの放送の魅力であり、知見として公開されているのが、トークスキルです。営業時代に培ったノウハウは、現在の談話の確かさへとつながっているでしょう。

その根底にあるのは、しっかりとした目的と、そこにいたる広範な拾い上げの妙ではないかと感じられます。

無論、営業スキル的な雑談力や傾聴力の観点からも広げられますが、あえて私は鷹嶺ルイさんのトークにある帰納と演繹の好バランスを推したいですね。

トークは帰納に偏りすぎても演繹に偏りすぎても、明らかにその平衡を崩します。もちろん、会話にすらならないのは論外で、つまりナチュラルボーンエリートカオナシになる私などは「お前、それでよく企画ラジオの司会やっとったな」案件ではあります。

本当にね。ADHDたる身にとって、鷹嶺ルイさんが教えてくれる技術は、生活の支柱になりえるものです。

どこまでも広がるカール

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私の悪癖は、すなわち話題における放埒な演繹にあります。

鷹嶺ルイさんの営業トークに関する話を聞いていたとき、そのテクニックの精髄について思考しつつ、「鷹嶺ルイさんはカールのチーズ味が好きそうだな」「カールのチーズ味を西側から東側へ輸入するブローカーになれそうだな」と考えました。

言うまでもなく、お菓子の「カール」は株式会社明治が発売するロングセラー商品ですが、単純にカールという単語が脳内空間にリフレインしたとき、別の概念が起動するのを避けられないのも事実です。

その概念は主思考の椅子を奪い合います。そもそも、カタカナで表記されるカールは、限りなく人名のカールとして私の脳は受け入れ、したがってあらゆるカールによるバトル・オブ・カールが始まります。サスケ会議みたいですね。

とはいえ、そこは選抜メンバーです。ホロライブの新規メンバーになることがとてつもなく狭き門であるように、思考の首座にたどり着くカールもまた一定の思い入れを必要とします。

その意味において、カール・マルテルは偏りすぎですし、私はこのフランク王国の宮宰について無知なので、早々に脱落します。

では、カール・マルクスですか。マルクスもまた私にとって不勉強であり、『共産党宣言』の新訳である『共産主義者宣言』(平凡社/2012)は積み本スペースに残ったままです。マルクスすやすやでわろた。

したがって、私にとってのマルクスは、早稲田大学時代にアジ演説しまくっていた「日本革命的共産主義者同盟革命的マルクス主義派」、通称「革マル派」のイメージになってしまっています。紅衛兵を見て、毛沢東を知った気持ちになるようなものですね。

されば、やはりカール大帝でしょうか。これもカール・マルテルと同様に、私はなおも神聖ローマ帝国史への通暁が足りません。したがって、神聖ローマ皇帝であれば、ハプスブルクの結実たるカール5世へとたどり着くでしょう。

ただ、私の厳然たる好みによって、最後の勝者はスウェーデン王カール12世となります。プファルツ朝スウェーデン王国、ひいてはバルト帝国スウェーデンの王として、そしてフレデリクスハルドでの若き死……Long Live Carolus Rex

王として生き、王として死ぬ。その象徴たるカール12世なくして、カールという単語の連想、敷衍してゆくえを求める撞着は終わりません。

しかし、メジャーなカールのそばには、マイナーなカールもほしくなるものです。

フェードア・フォン・ボック元帥は、WW1とWW2、2つの世界大戦を戦い抜いたドイツ軍人でした。

プロイセン王国キュストリンで生を受けた彼は、「キュストリンの聖火(Holy Fire of Küstrin)」の異名でも知られており、ナチス政権下においてもユダヤ人虐殺に反対したエピソードが残っています。

ボック元帥はバルバロッサ作戦において中央軍集団司令官を務め、すなわちタイフーン作戦における最大の責任者のひとりでもありました。

その意味において、彼は陸軍総司令官であるヴァルター・フォン・ブラウヒッチュ元帥とともに、ヒトラー総統の戦略眼に振り回された存在と言えるかもしれません。

ブラウヒッチュ元帥はシレジア貴族の家系でしたが、ボック元帥の家系はさらに絢爛で、父は普仏戦争に参加してセダンの戦いで勲章を受け、祖父もまたナポレオン戦争においてはイエナ・アウエルシュタットの戦いに参加した、プロイセン軍人の血統です。

また、ボック元帥の母、オルガ・ヘレネ・フランツィスカはファルケンハイン男爵家の令嬢でした。すなわち、「ヴェルダンの血液ポンプ」ことエーリヒ・フォン・ファルケンハイン参謀総長の姉にあたります。

そうした点からも、「典型的なプロイセン軍人」「ユンカーの栄光の体現者」たるゲルト・フォン・ルントシュテット元帥ともども、ボック元帥はプロイセンの気風を残す存在だったといえるでしょう。

かなり迂遠な話になりましたが、私が想起したのは先ほども触れたボック元帥の父であり、彼の名前がカール・フォン・ボックなのでした。ボック家はかようにプロイセンからドイツにいたる戦史を貫く「流れ」そのものであり、それゆえにカールのならびでボック元帥にまで漂着することに相成ったわけです。

こうした歴史を束ねるために、スウェーデンのウォーメタルバンドであるSabatonの楽曲を都度思い起こします。

そこから思考がさらに進んでゆくと、さて、鷹嶺ルイさんは今後、洋楽を歌うことにも挑まれるのかもしれないなと想像は翼を広げてゆくのです。翼は自由であり、公正であり、天秤であり、審判の象徴です。美には、翼が似合いますね。

鷹嶺ルイさんの語学での強さ

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鷹嶺ルイさんの特色のひとつとして、日本語ネイティヴであるだけでなく、英語やタイ語の素養がある点が挙げられるでしょう。

タイ語! 良いですね。実に理知の輝きを感じます。何より、多言語話者は、その思考能力がとても高く、将来において認知症になるリスクを低減させると言われています。

私もその賢能に少しでも近づきたいと、日々を日本語と別の言語に触れていますが、WAIS-IIIが判定した「きみさぁ……言語処理能力そんな高くないよね」という評価どおりに、習得に苦慮している有様です。

しかも、飽きっぽい。おかげでキリル文字、ギリシャ文字、ヘブライ文字、アラビア文字、ペルシア文字と覚えてはきましたが、そこで足踏みしてしまっている始末ですね。

ただ、そうした経験があるゆえに、タイ語の知見がある鷹嶺ルイさんはすごい、と実感を覚えます。私がタイ文字で特に難儀したのが、以下のポイントです。

ก:鶏のコー
ข:卵のコー
ค:水牛のコー
ฆ:鐘のコー

それぞれほのかな違いがある「k」ならびに「kh」なのですが、私はまるで区別できていません。

ค:水牛のコー
ด:子どものドー
ต:亀のトー
ถ:袋のトー
ภ:ジャンク船のポー

もうひとつが、この文字の近似性です。日本語における「め」と「ぬ」について、海外の多言語話者がキーボードクラッシャーになる理由がよくわかりました。

ง:蛇のンゴー

でも、これは一発で覚えましたンゴ。

これらタイ文字は、スコータイ王朝の第3代君主、ラームカムヘーン大王が採用したものと伝えられています。

ラームカムヘーンの治世と同時期には、ラーンナー王朝やペグー王朝、さらにカンボジアのクメール王朝やミャンマーのパガン王朝がありました。

パガン王朝については、私がかつてゲーム動画でさんざんネタにしたこともあり、ご存じの方も多いかもしれません。

口さがない歴史好きからは「元帝国のおやつ」と言われることもあるパガン王朝ですが、現代まで残る「シュエズィーゴン・パゴダ」を建設した文化的業績もあり、ミャンマーの歴史において重要な位置を占めています。

なお、大航海時代3にも登場した「シュエダゴン・パゴダ」は、シュエズィーゴン・パゴダとは別物です。

鷹嶺ルイさんに似合うラテン語

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ともあれ、楽しく学ぶことで続きもするだろうというスタンスで、今は英語やラテン語を少しずつ摘んでいます。

鷹嶺ルイさんの向学心をリスペクトするのみならず、実行としてその影を追わせていただかねばならないでしょう。

ラテン語は、かつての世界言語であり、共和政ローマならびに帝政ローマの栄光を象徴する言語です。

実際に触れてみると、確かに現在の主要言語の祖となったことがわかるだけでなく、音律や韻律、パラグラフとして見たときの姿形の美を感じられる言語といえるでしょう。

その意味において、英国のエスタブリッシュメントがラテン語を習得しているという理由の一端が、垣間見える気がします。

"Fortes fortuna adjuvat."

ラテン語の格言として、鷹嶺ルイさんにはこの一文がよく似合うように感じられました。

フォルテス・フォルトゥナ・アドユウァト。「運命は強き者を助く」と訳される言葉です。

ラテン語は複雑な活用と文法があるためか、単語数が少なく、シンプルな語感の美を刺激します。

「Fortes fortuna adjuvat.」もまた広く愛され、映画『ジョン・ウィック』シリーズにおいても、主人公のジョンの背中にタトゥーとして刻まれています。

人生へ挑む姿勢が表れた言葉であり、その点ではドイツ語の"Gott mit uns."(神は我らとともに)と似た精神が込められているでしょう。

黒き組織体で心身をすり減らす偉才は、世の中にあふれています。雄渾な才能が共同体の肉挽き装置で噛み砕かれるさまは、この上ない悲劇です。

であるからこそ、そうした悪辣の地を生き抜き、新たな地平へとたどり着いた才能の輝く姿は実に喜ばしく、その未来に幸多からんことを願ってやみません。

最後は、母語たる日本語の言葉より、本稿をお読みいただいた感謝に変わるものを2つ、引用させていただきましょう。

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1人前になるには50年はかかるんだ。
功を焦るな。
悲観するな。
もっと根を深く張るんだ。
根を深く張れ。

――升田幸三(将棋棋士・実力制第四代名人)

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時代は変わっても、人間を磨くのは目的に挑戦する苦労だということは変わりません。
いまの人も苦労はしてるが、それは物欲を満たす苦労で、自分独特、独創の苦労ではない。
どんな世界でも同じだと思う。
プロとアマの違いはアマは真似でも通用するが、プロの道は独創。
またそうでなきゃ通用しない。
だから苦しいが喜びも計り知れない。

――升田幸三(将棋棋士・実力制第四代名人)

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おっぱいは、良いよね。

――真里谷(無職・中年独身男性)

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升田幸三名人の言葉に添えて、詩情も血肉もあったものではないこの一言。何事も硬軟を織り交ぜるのが肝要という言い訳とともに、かくて偉人は捨象のなかでも輝くオチでございました。良い感じに思念が伸縮しましたら、幸いでございます。平伏。