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ブラックサンダーにおけるジャポニズム




私は空腹にめっぽう弱い。
そのため朝食は比較的しっかり食べる方だと思うが、
朝バタバタしてたりなんかして朝ごはんをしっかり食べられなかった日には
コンビニで小腹を満たせるくらいのものを買ってから出社することが多い。


先日いつものようにコンビニに入って、今日はブラックサンダーにしようと思い1個手に取ったのだが、
『大人なのにブラックサンダー1個だけ買うのは恥ずかしいんじゃないか』
と思い、
もう1つ手に取り、つい2個買ってしまった。


帰宅後、夫にこのことを話したら、
俺も最近全く同じことした、と言いながら笑っていた。


夫は無駄遣いを嫌うタイプなのに珍しい。
実は結構同じことしてる人いるのか?と思い、
ネットで「ブラックサンダー 1個だけ買う」と検索してみると
同じ悩みを持った人がたくさんいるようで、Yahoo!知恵袋に質問をする人が多数いた。

コンビニ店員をしているという回答者が
『ブラックサンダーを1個だけ買う人がいても気にしませんよ』と答えている一方で、
『私も1個だけ買うのは恥ずかしい』
『僕はコーヒーと一緒に買っています』
等と同調する回答者が数多見受けられた。

日本のこうした「人目を気にする文化」は面白い。
人目が気になってブラックサンダーの1個買いが憚られている様は滑稽だし、
それだけに留まらず、Yahoo!知恵袋でどう思いますか?と質問しているところも真面目な国民性を表していて、愛すべき日本人といったところである。


この文化は、様々なシチュエーションで見受けられる。
共感者が多いと予想されるのは
「定時時間になり仕事も終わっているが、皆まだ帰りそうにないので上がりにくい」
「人が大勢いるところで思いっきり転倒してしまったが、何事もなかったかのように振る舞ってしまう」
このあたりではないだろうか。


余談だが、私は比較的人目を気にしない方であると自負している。
(ブラックサンダーを2個買っていたら何の説得力もないと思うが)
その為、特に予定が無くても定時になったらすぐにタイムカードを押すし、
有休は毎年100%取得させてもらっているし、
前職時代(アパレル販売)は上司から髪を染めてみたら?と何度か言われ、確かに周りは髪を染めている人は殆どだったが、私は黒髪でいることが好きなので退職まで黒髪を貫いた。
この間は勤め先の結婚休暇のルールに納得がいかなかったので総務主任に交渉して希望通り取らせてもらえることになった(この話はまた今度書くことにする)
世間ではこうした周囲と足並みを揃える気がないと取れる行動をとる人間は、尖っている・協調性がない・自己中心的等と揶揄されることが多いらしい。
確かに、何かいざこざがあったわけではないが(この人私のこと良く思ってないんだろうな)と感じることは多い。


話が逸れたが、日本人に人目を気にする人が多いのは、恥をタブーとする武士道精神がいまだ根付いているからだと説いているnote記事を見たことがある。
「武士は食わねど高楊枝」の現代版が
「武士はブラックサンダー1個だけ買うまじ」
だとしたら面白い。




私の好きなドラマ『架空OL日記』にて、人前で転んだ時に大人げなく痛がって見せたり、逆に何事もなかったように振る舞うのは不自然。転んだ痛みのみにフォーカスした反応が一番自然。と言っているシーンがあり面白かった。いかにもバカリズムが考えそうで良い。








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