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ほころんでいた私の日常をお直しした日
あまり強く意識していないけど、心の隅っこで「これ直さなきゃな」とか「もうボロボロになってきたから買い替えなきゃな」なんてずっと思っている事は皆さんにはあるだろうか。
ずっとそう思ってるけど、なんとなくそのままにしてはいてないだろうか。
それを無視して、素敵な服や小物を優先して買ってしまうことってないだろうか。
私は長年そんな状態を続けていた。ほぼ無意識に。
しかし物を手放し続けていたら、良い意味で、近頃の私には逃げ場がなくなってしまったのだ。
服や靴、鞄はもう十分持っている。
化粧品も今持っているので間に合っている。
おや、なんだかお金を使う先がなくなってしまった。
なにか改善しなくてはいけない事があった気がするけど、なんだったっけ?
今まで無視してきた日常の小さなストレス。
それらに目を向けて行動するしかない境地に至った。
1日を過ごしながら、毎日数秒感じているストレスを意識してみようという気になった。
そうだ、下着やパジャマを入れているラックの塗装が剝がれてきてるから、買い替えなきゃと思ってた。動かす度に塗装がポロポロ床に散らばって、困ってるんだった。
そうだ、洗濯物干しも塗装がどんどん剥がれてきてるし、歪んできている。
そうだ、安いお店で買った包丁、私の手には大き過ぎて、使いづらいのを毎日我慢して野菜切ってるんだった。
そうだ、このシャワーカーテン、どんどんカビてきてる。
フックに掛ける穴の金具は半分以上取れてしまっている。カーテンが破けてしまいそう。
まだ使えるし。急ぎじゃない。なんかもったいない。
そう言い訳していた事に目を向けられるようになった。
そうして私は、これらの物を新調してみた。
頻繁に買う物ではない物を買うのはなんだか新鮮というか、慣れないから違和感と言うか、不思議な気持ちがした。
もう塗装が落ちてこない、新しく真っ白なラックと洗濯物干し。
見ているだけで清々しい。
自分の手の大きさに合った、もっと質の良い包丁。
カボチャや他の野菜が、あっさり切れて驚く。今まで無駄に力を使っていたんだなあ。手が痛くない。
新しいシャワーカーテン。
レトロなレインボーから、草がそよいでいる、爽やかな柄にしてみた。浴室の雰囲気ががらりと変わって、いつもと違う気分。カーテンに合わせて植物を置いてみようかな。
巷でよく耳にする「丁寧な暮らし」って、こういう事なのかもしれないと気付く。
小さな自分の欲求に耳を傾けてあげる。
それを受け止めて、行動する。
日常生活のほころびを、修繕している感覚。
ささやかな変化の中に感じる気持ちよさ。
強い衝動に駆られる気持ちだけが、私達の欲求の全てではない。
目を簡単に背けられる小さな欲求も、あなたの大切な欲求だ。
自分のやりたい事がなんなのか、自分を見失ったような気持ちになる時って、小さな自分の欲求に意識を向けられていない時ではないだろうか。
なんとなく目を背けてきていたことに向き合い、行動を起こす。
丁寧に生きるって、こういうことなのではないかと、新境地に至った感覚がする今日この頃である。
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