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【IRLAND①】伝説のカフェ

地元の長崎に、その昔伝説のカフェがあった。

そのカフェは
山奥にあるアイリッシュカフェで、

カフェに向かう狭い道をクネクネと車で上がっていくと
徐々に周りの石垣が心なしか荒涼としはじめ
アイルランドっぽさが漂ってくる。

店に着いて車を降りると、
少し離れた店の奥から
ケルト音楽が静かに聴こえてくる。

その時点で既に期待に胸が膨んで、
お店に足を踏み入れると
そこはもう別世界。

アイルランドの空気に満ち満ちていた。

伝統を感じさせる
重々しくて人を寄せ付けない
どこか神秘的な雰囲気に、

雑貨の置かれた部屋には、
アイルランドで仕入れた
少数精鋭の雑貨や洋服たち。

そんなセンスのいいものたちと一緒に、
伝統的なアランニットや
クラダーリングも置かれていた。

昔から使い続けられて
今も変わらず愛されているそのものたちは、
普遍的なカッコよさがあり、
そんな物たちが
憧れが混ざって大好きだった。


カフェのアイルランド料理も、
初めて口にする料理が多かったけれど、
どれも驚くほど美味しくて、
そのお店を通して感じる
アイルランドの雰囲気が本当に大好きだった。


そして、そのお店をきっかけに

いつか、
本当のアイルランドを見てみたい!!


そう思うようになっていた。

そんな中、目にした
FIGAROでアイルランド特集。

そこにあった
アランニットで有名な
アラン島のページに目が釘付けになった。

そこで紹介されていたのは、
伝統柄を編み続ける
おばあちゃんのアランニットのお店や、

島随一の観光名所
「ドーンエンガスの崖」のそばで青空の下、
地面に腰掛け
毎日のようにカゴを編み続ける
カゴ編み職人のヴィンセントなど。

大きな街だと埋もれてしまいそうな、
でも長い間そこで価値を紡いできた、
そこにしかない想いのこもった物と人が
そこには取り上げられていた。

そんな世界観を見てすごく惹かれて

アラン島をいつか訪れたい!!

そう強く思い
その切り抜きを大事にとっていた。

それから何年もして行ったフランスへ留学。

帰国の日も決まり

やり残したことは、、?

と思いを巡らせ頭に浮かんだのが

日本に帰る前に、
アイルランドに行っておきたい!!


ということだった。

思い入れが大きかっただけに、
1人で行ってみたい気持ちもあって
結局1人で
1週間ほどのアイルランドの旅に出た。

(つづく)

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