写真

オフショットの魅力

雑誌を読んでると、真ん中くらいに、
今月の表紙写真のオフショットが入っていたりすることがある。
昔から、あれが一番好き。
表紙では非の打ち所ない美しさでこっちを見ているモデルさんが、
一転して大笑いしていたり、寝っ転がっていたりして。
つい見入ってしまう。
最近だとあまり雑誌は読まなくなったけど、
Youtubeで出てくるCMのメイキング映像とかをぼーっと眺めることがある。
本編も見ていないのに。
その中に、その人の素顔らしきものを感じてどきっとする。
気取った顔じゃなくて、その少し前か後の、ちょっと崩れた感じこそが素敵だと思う。

2年前くらいに話題になったこのサイトも、まさにそうで。
http://yumiadachi.com
プロカメラマンである旦那さんが撮っているということもあるけど、
安達祐実さんが女優であることもあるけど、
やっぱり、人の無防備な表情って魅力的だなあと、ほれぼれした。いつまでも見ていたくなる。

それにしても。
私をふくめきっと世の中の大半の人には、当然ながら、なかなか素敵なオフショットは残らない。
iphoneのカメラで気まぐれにとった写真と、特別な日の写真は残るけど、家族やパートナーとの何気ない日常を残す機会なんて、そう訪れない。
周囲の人たちが常にカメラを向けて、奇跡の1枚を大切に保管してくれていた子供の頃はまだしも、大人になればなるほどオフショットからは遠ざかる。

でも。
例えばこれから数十年の時が経ったとしたら。
過ぎた「今」を、懐かしく思い出す日がくるんじゃないかと思う。
身近な人たちとの他愛ないおしゃべり。
自宅でくつろぐ様子。
よく猫が歩いてる家の前の道。
毎週行ってる、いつもの居酒屋。
今の自分にとって当たり前すぎることはすべて、
きっといつか、当たり前ではなくなるはずで。
だから、未来の自分や家族のために、
今をしっかり残しておきたいなと思ったりもする。
できれば当時の空気が蘇るような、生き生きとした形で。

そう思って、去年、下園啓祐さんという大好きな写真家と一緒にリリースしたのが、密着前撮りというサービス。
下園さんが、結婚を迎える二人や家族の一日に同行して、写真を撮り、私が言葉を添えてフォトブックにするだけのシンプルなサービス。
大切な人と一緒にいる時って、
誰しも素敵な顔をしているものだから。
人生の節目に、自然のままの表情を残してほしいと思った。

思い入れのある、サービス。
これから少しずつ、広げていきたいです。

何だか珍しく、宣伝になっちゃったけどそんな感じです。
http://www.happyverymuch.jp/item/photo-plan-「密着前撮りからはじまる、結婚の記録」/

そういえば、トップの写真は、この間の法事で祖母から見せてもらった、父の50年前の幼少期の写真。
今は控えめな父が、昔はこんなに豪快に笑う子供だったなんて、
私はずっと、知らなかった。



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