2日目 緊急搬送されたものの…

日曜日。もちろん何の連絡も無く、訳のわからぬまま、朝を迎える。父に電話をして体調を聞き、検温して記入して、家から出ないように指示。

感染者が出ると、病院から保健所へ連絡が行き、保健所から直接、家に電話がかかってきて、自宅療養ならば本人にその指示が、濃厚接触者にも指示が出る。…がしかし、感染者数がピーク(と思われる)現在、すぐにかかってくるわけがない。これはいたしかたないので、電話で言われるであろうことを先回りして実行する。

朝、またまた開店直後のドラッグストアへ行き、消毒グッズや保存食(父用)を買い込み、実家へ向かう。家の消毒をしろと指示されるだろうけれど高齢の父にやらせるわけにはいかない。

まして、兄はヲタクでコレクターなのである。よくテレビでやってる「捨てられない人」とか「ゴミ屋敷」を見ても大して驚かないくらい私は子どもの頃から耐性が出来ている。これはもう、コロナウイルスとの闘いではない。命がけのゴーストバスターズなのだ。

まずは毛布とまくら、タオルケットは全て処分することにした。新しいのにすればいいんだから。ふとんはもともと使っていない。そこから、マスク2枚、厚手のゴム手袋、次亜塩素酸ナトリウムのスプレーで消毒をしながら、どんどんゴミ袋に物を捨てていく。この大掃除に関しては、一般的には何の役にも立たない話なので割愛するが、とにかく部屋の奥に入れる道を確保したのがこの日の5時間作業。ゴミ袋8個分を処分。手袋も靴下もエプロンもタオルも捨てて帰宅。

夜、知らない番号からスマホに着信あり。D病院から初めての電話だった。

医師「お兄さんが昨日、救急車でこちらに入ったのはご存知ですよね?コロナで」

私「はい、もちろん知っています」と答えたけれど、コロナだと確信したのは、たった今ですけどね。

医師「昨日から酸素をフルで送っていますが、値が良くならないので人工呼吸器を付けていいかの確認の電話です」

私「それってエクモってやつですか?」

医師「いえ、そこまでのものではなく、鼻から管を入れて肺の働きを助ける処置です」

私「もちろん、してください。あと…これって…私のところに1番に電話されてますか?」

医師「はい、お兄さんが父より妹の方が話がわかるのでこちらに電話するように言われました」

そんな判断が出来て、私の携帯番号を教えられる状態なら…と少し安心する。

医師「では、これからもキーパーソンは妹さんということでお父さんから変更しておいていいですか?」

私「はい、そうしてください」

ここから、キーパーソンとしての多忙な日々が始まる。

父にも電話でその旨、伝える。あ、そろそろ姉にも伝えねば!と電話をする。様子がわからないうちは知らせていなかった。かなりショックを受けている。でも、世の中、病院に入れない人がたくさんいる中、緊急搬送でかかりつけのD病院に運んでいただけたのだから、感謝しようと電話を切る。

3日目へつづく




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