3日目 ICU(集中治療室)に入る

月曜日。朝、父に電話で体調確認をして、仕事へ向かう。午前中に学校の授業2コマ。その間にまた、病院からの着信履歴が2件。ドキドキする心を抑えて事務処理を済ませて、急いで学校を出る。

電話に出たのはICU(集中治療室)のドクター。昨晩、電話で確認した後から、人工呼吸器を使っているが、あまり改善が見られず、少し前にICUに移動してきたとのこと。今後、ひどくなった場合にはECMOという装置を使うことも考えなければならないが、それにはこんなメリットとデメリットがあるという説明だった。昨晩、ECMOではないと言われて安心した後だったので、さすがにショックだった。

メリットとしては、当然、機械が肺の代わりに血液を送ってくれるので身体は楽になるが、デメリットとしては血液をサラサラにする薬も併用するので、他のところに血液が行ってしまう可能性も無いことはないというような説明だった。兄は持病の糖尿病もあるので、心配な部分も多い。

「でも、必要ならば使ってください」と即答した。

父、姉にも報告。次男にもここで初めて現状を報告した。

この時点では今回のことをほとんど人に話していなかったが、ほんの数人、察知したかのように突然、連絡してきた友達や、伝えておきたい人には話してあった。でも、こうなるとやはり、仕事関係の主要な方々には伝えなくてはならない。ごく少数に現状を報告する。私は濃厚接触者にはならないけれど、この先、対面の仕事が続くので念のため、PCR検査を受けようということになって手配を進める。

夕方、また、病院から電話がかかってくる。ICUの先生から「これまでのことと、これからのことをお話ししたい」とのこと。ICUに入ってからの様子。人工呼吸器を使ったまま、身体をうつぶせや仰向けなどに動かして肺の動きを助けるようにして、徐々に数値が良くなってきているということ、背中の肺炎がかなりひどいこと、糖尿病があるので抗ウイルス薬が使えないこと、後遺症もあるかもしれないということ、栄養の補給をどんな形でするかということ、もしもの時は輸血しても良いかという確認など、それはそれは細かくわかりやすくお話ししてくださった。

そして、本人も頑張りますと意思表示しているし、確かに重症ではあるが最重症ではありません。ECMOについても、今は使う段階ではないけれど、もしもの時にはまだお若いので使うことが出来るがどうするかという御家族の意思をとりあえず聞いています。もう少し元気になればLINEやSkypeなども出来るようになりますよ。

…と、前向きに話を終わらせてくださって、お医者さんってすごいなぁ、ありがたいなあと心から思った。本来ならば直接話すべきことだけれど、今回に限っては電話で申し訳ないけれど…と。いやいやいや、とんでもない。この会話の内容は後日、書面にしていただくことになる。

D病院は我が家から徒歩10分かからないところにある。この時期、窓を開けていると、1日に、何度も救急車のサイレンが聴こえる。夜が特に多い。今まではうるさいなぁ…なんて思っていたけれど、いまは違う。良かった!無事に運ばれて、ここにたどり着けて良かった!と心から思っている。


4日目につづく




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