8日目午後 いろんな荷物を引き取りに行く

土曜日午後2時。荷物引き取りと書類のやり取りのため兄の入院以来、初めて病院へ行く。基本的に現在は病院全体が面会出来ないことになっている。いつもだったら並ぶ面会受付の守衛室もすいている。ICUの看護師さんと約束している旨、伝えると内線ですぐに呼んでくれたが、少しそのまま待っていて欲しいという返事だった。

その間にも守衛室には何本も内線がかかって来て「昨日、コロナで亡くなった○○さんの遺体の件だけど…」なんて会話が普通に交わされていて、一瞬、震えてしまった。そうか、病院に入れたから助かるという訳では無いんだ…現実を思い知らされた。本当に命を助けていただいたのだ。合掌。そして感謝。

その後、ICU横の小部屋に通され、看護師さんからこれまでのICUでの看護計画について書類で説明を受けた。それから、3日目に先生から電話で受けた説明が全て書式化されたものも手渡された。

驚いたのは看護計画。家族のケアに関する項目だけでA 4の紙1枚分あった。家族にきちんと様子が伝わっているか、家族の負担は?患者、家族間の伝達、家族が休息をとれるか…など。そうか、まさにこれを実践してくださっているんだ!説明を終え、「何かわからないこととかありますか?」と聞かれたので「いえ、ありません。本当に手厚くしていただいて申し訳なく感じているほどです。ありがとうございます」と答えて書類にサインをした。

そして、いよいよ、荷物の受け取りだ。

看護師「今からこちらにお持ちしますけど、なんかすごいたくさんあるんですけど持ち帰れますかね?」

私 「は、はい。大丈夫です」

まさか入院するとは思っていなかったので、自宅療養セット2人分、持たせちゃったからね(汗)仕方ないです、頑張って持ち帰ります。机に並べられるおかゆ、食パン、米、ペットボトル、レトルト食品、冷えピタ、栄養ドリンク…全てが一覧表にされていて一つ一つチェックしていく。やーめーてー!もう、恥ずかしいんですけど。

看護師「そして、こちらがタオルケットとバスタオルとタオルですね。」

私「えっ?それうちのですか?見覚えもないし、準備するタイミングなかったと思うんですけど…」

看護師「いや、でも一般病棟からICUにそのまままとめて来たのでそうだと思いますよ」

まあ、そう仰るなら、手こずらすのも何なので持ち帰ります。

貴重品からは父のクレジットカードと、私の現金だけ抜きたいところだったけれど、一部を抜くと無くなったとかになると困るので全部お持ち帰りくださいとのこと。そのまま全て持ち帰って来た。こちらもカードの枚数までしっかりチェック。スマホだけは本人が持っているということだった。

家に戻り、袋に入ったタオルケットを開いて思わず笑ってしまった。マジックで大きく書かれた「○○消防署 本署」の文字。やだー、これ救急車の備品じゃない!どれだけ緊急医療が緊迫しているかを感じさせるタオルケット一式。救急隊員も、病院も気付かないくらい必死だったってことですよね。後日、礼状とともに消防本署へ宅配便でお届けしました。

そして、一般病棟の時のものと思われるメモが、入院手続きの書類と一緒に封筒に入っていました。プリントの裏にマジックで書かれた兄の文字。

水分補給が自分でできなくなり、待ちの時間がもどかしくつらい。トイレも。         このチャンスに感謝。

本当だね。

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