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読書日記

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#推薦図書

読書日記*死にたがりの君に贈る物語

『#読書の秋2021』の課題図書に『死にたがりの君に贈る物語』という本があって読んでみた。 知らないうちに涙が落ち、一気に読み終えた。 最初は何も情報を入れないで、ちょっと斜に構えた感想を書いてみようかと思っていたら、この作者の想いを読んでしまった。 もうただの感想は書けない。 純恋のようにファンレターを書いてみようと思う。 ただ著者が読んでくれればそれでいい。 ※下記、ファンレターですがネタバレを含みます。 綾崎隼さまへ 『死にたがりの君に贈る物語』電子書籍で読ませて

読書日記*ふたりのきりこ

偶然にも『きりこさん』が主人公の本を2冊読んだ。 ふたりとも自分の人生を生きようともがいていた。 簡単だけど感想文。 『3千円の使いかた』の著者が贈る終活応援小説、と帯に書いてあるこの本は、ブックカフェに置いてあって思わず買ってしまった。 老親を介護して気がつけば結婚もせず76歳。老後の不安を解消するために桐子が選んだのは、「刑務所に入ること」だった。 パートナーである親友を亡くし、ひとりで生きていくこと。パートナーといえど他人という壁に慄き傷つき、その末に向かう先が刑務所

読書日記*『さいはての彼女』原田マハ

「もうだめだ」 そう思ったことが、何度もある。 生きていると、小さくてだめで、うまくいかない人生に向き合うことが少なからずあると思う。 この本の中の女性たちは、がんばりすぎて、こころもカラダも凝り固まって、まわりが見えなくなって、立ち止まる。 旅に出て、違う景色を見る。 そして出会うことを通じて、感じることを見直してみてる。 再生できると思えなくても、失敗だと思えることは、必ずどこかへ向かう道標になるんじゃないか。 もっと人生を足掻こう。 立ち止まってジタバタしたあと、

読書日記*Alone Again−哀しみよこんにちは

今年最初に読み終えた本は、みこちゃん著『Alone Again』 あっという間に読み終えてしまった感があるけれど、後味がよく余韻を楽しむタイプの小説でした。 慎吾と、みゆきと、小姫が、小さな哀しい行き違いを重ねて、それぞれが光さす方へ歩いていく姿は、かっこいいし優しい。 この物語を読んでいて、ふと思い出したのが、バリ島へ一人旅に行った日のこと。誰も知らない世界へ行くことは、自由な気分になる反面、誰にも認識されないということだ。 バリには不思議なご縁があり『食べて、祈って