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ロスアンジェルスの日本映画館リンダリーでヤクザ映画を見る(1971年)

世界一周貧乏旅行記「ひとりぼっちの地球街道」出版社:悠飛社     写真は1972年1月1日パサディナでのローズパレードでパチリ、カメラ:マミヤセコール 500DTL + コダクローム

 日曜日、スーザンの家にいた頃はスーザンとドライブ。
スーザンと別れてからは、クリスティーヌという白人の女の子とつきあっていた。
当初は楽しかったが、段々飽きてきて、、、、 。
彼女はプロポーションはよかったが顔がちょっと、、、
リトル東京。 半年一年たってくると、やはり懐かしい。
ちょっとホームシックになり足はひとりでにリトル東京へ。
リンダリーという日本映画館があった。
鶴田浩二と藤純子のヤクザ映画をやっていた。
時代背景は大正時代、川崎埋め立て地の利権争い。
日本でヤクザ映画をあまり見ることはなかったのに。
ロスのリンダリーで見た。
英語の字幕スーパーが気にいった。
「ヤクザはギャンブラーか。」
じつに良かった。
ピストルを使わない。ドスと日本刀。
ストーリーはいつも同じ。善玉親分がだまされ悪玉親分にやられる。
とうとう我慢しきれなくなった鶴田浩二扮する善玉親分の子分。
恋人や妻を捨て、悪党の親玉を殺すためになぐり込みをかける。
「僕には日本の血が流れている。」といつもこの場面で感じる。
このことを思うと、日本とアメリカの戦争のことを思い出す。
アメリカがヤクザの悪玉親分で、善玉日本に満州、東南アジア、中国の利権で圧力をかけてくる。
ハルノート。ハルという当時のアメリカの国務長官が日本を追いつめてくる。
善玉日本はじわりじわりとやられる。
アメリカで日本人が排斥されたり、移民を止められたり、関税を八百%かけたり、最後には日本の資産を凍結したり石油を止めたり、海上封鎖をやったり、、、日本を追いつめる。
ユーラシア大陸のようにいつも戦争をしている国は、その落としどころが分かるんだろうけれど。蒙古襲来以来、平和が続いた島国日本。落とし所が分らない。
ヤクザ、日本の武士道。この日本思想の原点に流れているものは「男は黙ってサッポロビール」。黙って、ジーッとハル国務長官の言いなりになっていて、あまり文句を言わない。アメリカはつけあがってくる。石油の備蓄量が限界点に達した。
ついに我慢しきれず切れてしまい、戦争をおっぱじめる。日米開戦。
鶴田浩二主演、大正時代、川崎埋め立て地の利権に絡むヤクザの争いそっくり。
日米開戦の動機を考えてしまう。
いまでもアメリカ人は日本人を恐れているふしがある。
「あまり日本をいじめると日本人はプッツンし何をしでかすか分らない。」と。

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