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鳩好きの動物好き

動物好きなんだね

先日公園で丸くなって日向ぼっこする鳩を眺めて盛り上がっていたら、比較的付き合い浅めの友人(♂)にそう言われて、一瞬、と言うかちょっとの間、

???

?????

???????

ってなった。

理由は二つある。

①鳩好き=動物好きなのか
②仮に①が成立するとしたら、自分は動物好きと言えるほど好きなのか

まず①について。
そもそも鳩好きか問題から。確かに公園で日向ぼっこしていた鳩は丸まったフォルムがたいそう愛らしい。食べていたお菓子を分け与え、ツイートしたほどに。

だが(当たり前だが)触ったり撫でたりすることは決してないし、もちろん買おうとも思わない。鳩に限らず鳥類全体において、わたしの好き度はその程度のものである。そして例えば、鳥類のインコや文鳥を飼う人はいても、鳩を飼う人は至極少ないと思われる。伝書鳩など商売にしている人くらいではなかろうか。

だからこそ、鳩を愛でていたとは言え、「動物好き」と言われると「?」が浮かんだのである。そもそも、その会話の構成が理解できなかった。もし誰かが鳩を愛でていたとしても「動物好きなんだねー」などと絶対にわたしは言わないからである。なぜならば繋がらない。文脈がおかしい。

そう思って、思考がストップした。ストップして、ちゃんと考えた結果、やっぱり動物好きとは言えなかった。まして鳩好きでもない。

きっと友人は他愛もない会話をしただけだろう。鳩を愛でる私を見て、とりあえず発した一言だろう。にも拘わらずわたしは向き合ってしまった。この議題に。今考えてもおぞましい。申し訳ない。面倒くさいことこの上ない。

好きだよーと口に入れたら即なくなる綿菓子のように軽く言えたらどんなに幸せだろう。きっとそれが言えてたらもう結婚してる。これは冗談じゃなくて、本当にそういうものだと思う。(だから自分を変えたいとかではないw)

②について。
個人的には①は成立しないのだが、とは言え「動物好きか問題」はあらゆるシーンにおいて結構ぶち当たる問題である。ここでもわたしの無駄に考える癖は発動する。

好きか嫌いかの二択で言えば、好き。
だが、これまでの人生の中で動物を飼ったことはない。犬なり猫なり鳥なり爬虫類なり飼っている人の愛情たるや、すさまじく深いと思う。ペットのために旅行をしない人もいると聞くし、自分よりも快適な食事や寝床、様々なおもちゃなどを用意しているとも聞く。まさに家族、我が子である。
飼ったことないからだとは思うが、そこまでの愛はないのが現状。

そして、以前シェアハウスをしていた時同居人が飼っていたが、最低限の世話しかしなかった。でも心底可愛いと思っていたし、私なりには可愛がったつもり。だがやはり人の子だったということかもしれない。
また同居人は保護犬のボランティアもしていて、身元のない犬を里親が見つかるまで預かり、譲渡会も開催していた。そして里親が見つかったら嬉しさと寂しさで泣いていた。本当にこの人は犬が好きなんだなぁ、好きを超越して、愛しているんだなぁと伝わってきた。そういう人を間近で見ていたからこそ、「動物好き」と簡単に言えなくなったのかもしれない。「好き」のハードルが異常に上がっているのだ。

「好き」はレンジが広い。
結局、定義なんて出来ない。

だからわたしは「好き?」って簡単に聞かないようにしよう。わたしの「好き」は結構重くて、わりと深い。責任を持って、心からそう思えるときに「好き」と言いたいタイプなのだろう。
でももし聞かれたら、なるべく軽い感じで「好きぃ」と言えるようにはしておこう。大抵の場合「〇〇って好き?」って「好き」って言ってほしい時に聞くものだと思うから。もちろん相手のニュアンスを察しつつだけど。

わたしがもし鳩を愛でていたらこう聞いてほしい。

「鳩、好きなんですか?」

と。
鳩=動物、だけど、鳩好き=動物好き、ではない。
鳩は動物のカテゴリーだけど、ペットのカテゴリーには入らない。
そこらへんが今回の問題を引き起こした要因だと結論付けよう。

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