見出し画像

【2021/6/17】大人になると

毎日SNSで稽古やチケットなど公演に関連する情報を発信する。
毎日誰かに公演の案内をメールやLINEで送る。

すると決まってみんなが

「すごい」
「頑張ってるね」
「尊敬する」

と言ってくれる。

子どものころは自分のやりたいことを最優先にしていたら、勉強しなさいとか片付けしなさいとか、親や先生に注意されたり指導されたりするのに、大人になったらみんな褒めてくれる。

私からしたら、会社に勤めていたり、きちんとお給料が発生する(真っ当な)仕事をしたりするほうが、よっぽどすごいし尊敬する。そういう人生を歩んでいたこともあるし、そのまま続けていたら今ごろどうなっていたのかなと思うときがたまにある。

だが、そんな生活から離れてだいぶん経つ。

むしろ、わたしが社会に出て以降、不安定だけど止められそうもない芸能という世界に身を置き、形を変えたりなくなったりまた新しく生み出される夢を追いかけることのほうに多くの時間を費やしている。こんなの尋常じゃないって分かってるのに。

大人になると、子どものころ注意されていたことが褒められたり、逆に許されていたことが許されなくなったりという、逆転現象がしばしば起こる。

子どもは夜更かししていたら怒られる。
でも大人になったら元気だねすごいね頑張ってるねと褒められたりする。

子どもは遊んでばかりいたら怒られる。
でも大人になったらいい趣味だね楽しそうだねと羨ましがられたりする。

子どもは何人好きになっても許される。
でも大人になったら許されない。多くの場合は。

子どもはいつしか夢を見ることを諦める。
でも大人が夢を見続けていたら応援されるし褒められる。

そうされて喜ぶ単純な夢見る大人たちは、
褒めたり羨ましがってくれたりする大人を喜ばそうと頑張る。
その人たちの分まで夢を追いかけようと決意する。
期待に応えようと張り切って、結局また夢を見続ける。

どっちが幸せなのか分からない。

どっちも幸せなのかもしれない。

そして、どっちも不幸せなのかもしれない。

ないものねだりをする子どものように。

結局、だれも大人じゃないのかもしれない。

クリエイトすることを続けていくための寄付をお願いします。 投げ銭でも具体的な応援でも、どんな定義でも構いません。 それさえあれば、わたしはクリエイターとして生きていけると思います!