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【2021/1/18】憧れの舞台へ

今週水曜日から始まる山田ジャパンの舞台「優秀病棟 素通り科」。

※配信チケット現在発売中!ぜひ!

いよいよ今日から小屋入り(劇場入り)。

とはいってもすぐに本番さながらの稽古が出来るわけではなく、仕込みと呼ばれる舞台を作る作業がある。セットを立てるのはもちろん、音響、照明、美術、舞台袖、楽屋周り、ロビー、小道具など、やることは沢山。

スタッフさんと劇団員で手分けして、トラックから荷物を下ろすところからスタート。力仕事はメンズ中心に、衣裳や小道具・美術などの繊細で細かい作業が女性がメインで行われる(ことが多い)。

今回の劇場は本多劇場。

演劇人ならば誰しもが立ちたいと思うステージ。わたしもその一人。でもどうしてそう思ったんだろう。そりゃ数々の有名な役者さんたちが羽ばたいていった劇場だし、演劇界のひとつのブランド的な要素もあるけれど、長いこと関西にいて、そもそもは演劇に疎かったわたしにとっては、「本多」とか「下北」ってアド街ック天国の中の世界。いつか行けたらいいなぁとそう思う程度だったのに。

思い返してみると、本多劇場で観劇したことがあるのは2回だけ。でもその2回で、がっつり持っていかれたというか。舞台の内容ももちろんなんだけど、その空間とか奥行きに惹きつけられたのではないかと思う。

本多よりも広くて、豪華な造りの劇場はごまんとある。だけどどうしてか初めて、シンプルに「立ってみたいなぁ」とそう思った。

そう思って、今日その場に行くことが出来た。

仕込みをして、楽屋に化粧前もあって、あとは場当たりやゲネプロをして、本番に臨むだけ。「立ってみたい」が「立った」になる日はもう目の前。

だけど、本当に緊張している。
それは本番が近いからだけではなく、このご時世だからだ。

当たり前に迎えることができるはずだった本番が、今はものすごく遠い。劇場入りした今でさえ。

誰かが体調を崩していないか、熱が出ていないか、どこかに不安がある。もちろん平時であってもその不安はあるにはあるけど、これまでのそれとはとにかく違う。漠然と、でも、芯が太めの不安が常に横たわっている。

その不安に打ち勝つには、徹底的に対策し続けるしかない。

千穐楽の幕が下りるその瞬間まで。

いや、下りて、家に帰りつくまで、かな。

「立ちたいなぁ」

「立つ」

「立った」

憧れの舞台に。

その報告ができるように。

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