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なんでもないこと 10

オセロの悪いほうの色

星野源のオールナイトニッポンで、星野源さんのとある一言が、とても奥深かった。

「今、オセロは全部悪いほうの色になってるので、次で全部ひっくり返して…」

と来週番組を卒業する番組Dに放った言葉。
たぶん源さんは何気なく表現した例え。
この発言を聞いた時、頭にぶわっっとオセロボードが頭に浮かんできて、

「オセロの悪いほうの色って、白と黒どっち?」
「全部どっちかの色になってるって、すでに完敗状態やん」
「ひっくり返すの無理ゲーだよね」

と、瞬時に考えた。
そして続けざまに、

「オセロの悪いほうって、自分の持ち色じゃないほうってこと?」
「勝負だと白星が勝ち、黒星が負けだよね」
「色のイメージだと黒が強い感じがする」
「でも黒と白を混ぜるとグレーになる」
「他の色だったら黒が勝つのに、白には勝てない」
「え、源さんもしかしてそういうことを言いたかったの?」
「いや違う、ただの例え話だって」

と、芋づる式に考えが連なって、しばらくラジオを聞き逃してしまった。
(後でSpotifyの配信で聴いた)

何気ない一言で、ここまで誰かの考えを飛び火させる星野源の凄さを感じた。

いわゆる『いいこと』を言って、誰かの心に深い考えや影響を与えることはよくあっても、ちょっとした「ツッコミ」的な発言で脳内の世界を広げられるということが、とても感慨深かった。

もちろん受け取り手の状況や思想もあるだろうけど。

ちなみにオセロがなぜ白と黒なのか、どこで生まれたゲームなのか、調べると意外な事実にたどり着いた。(結構知られているかもしれないけど、わたしは知らなかった)

オセロの原型が生まれたのは終戦直後の1945年9月。茨城県水戸市で、当時中学生だった故 長谷川五郎さんが、青空教室の休み時間に友人を遊ぶため碁石を使って10分間で決着がつく遊びを思いつきます。

「相手の石をはさんで、自分の色にする」オセロの原型です。簡単に楽しめて、同級生の間で評判になりました

オセロ(Othello)の名前の由来は、シェークスピアの戯曲『オセロ』。黒人の将軍オセロと白人の妻デスデモーナを中心に敵味方がめまぐるしく寝返るこの物語のようなゲームだ、と考案者の長谷川五郎さんの父で英文学者の故 長谷川四郎さんが命名しました。

上記サイトより引用

源さんはここら辺も知っていての発言だったのかは知らないけれど、知識の深さは本当に尊敬する。

オールナイトニッポン55周年記念の放送でタモリさんの番組にゲストで呼ばれた源さんが、あの博識タモリさんと対等に話していたのが、スゴイを通り越して、「この人ホンモンだぁ」と思わざるを得なかった。

(ファンの皆さんすみません。ラジオ聴くまではそこまで思ってませんでした。曲は大好きだし、多分野において才能あふれる方だと思ってはいました。あ、「おんがくこうろん」から気付いてはいましたけど)

タモリさんに歌詞を褒められたことを心から喜んでいたのが印象的だったけれど、このオセロの一件で、わたしの中ですべてが繋がったというか、人に想像の余白を与える歌詞や表現というものを、日常的に行っている人なのだなぁと、ため息が漏れた。

クリエイティブってそういうことだよ。。
星野源さんに敬礼。

快適な人数

大勢でいると窮屈なのに居場所がなくて
一人だと居場所があっても何だか寂しい

三人いると誰か一人が我慢することになるし
二人だとお互いが無理をする

快適な人数ってあるのだろうか

解けない数式のようで
割り切れない素数みたい

うん、素数って使いたかっただけ

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