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【2021/3/24】知らない番号

その電話は突然鳴った。

このご時世、電話を受ける回数は格段に減った。

ほとんどの用件はLINEで済まされ、電話にしてもLINE通話を使う。ここ数年友達になった人や仕事上の付き合いの人でも、LINEは知っているが電話番号は知らないというパターンがほとんどである。

今や電話番号で通話するのは家族くらいかもしれない。

だから、電話が鳴ると、ドキーッッとする。

それも知らない電話だとなおさら。警戒心も急上昇する。

でもよく考えてみると、わたしたちは至るところに電話番号をまき散らしている。友達の番号は知らないくせに、わたしの番号を知っている人は恐らくかなりいる。なぜならば、何を登録するにしても、番号の入力が必須だからだ。

ネットで何かを買うとき、アプリを登録するとき、ポイントカードを作る時、懸賞に応募するとき、、、何かにつけ電話番号を書かされたり、入力させられたりする。

知らない番号からかかってくると警戒はするが、思い当たることがありすぎて、応答せずにはいられない。何か重要な要件かもしれない。(フリーダイヤルだったらあんまり出ないけど)

先日、見知らぬ番号から電話が掛かってきた。ちょうどスマホを触っていたので出てみると

「高島麻利央さんのお電話でしょうか・・・」

聞き覚えのない男性の声。

少しだけ訝し気に話を聞いてみると、

宅配便を間違って受け取ってしまったので、渡したい。

とのこと。どうやら隣のマンションらしく、配達員さんが間違えて届けてしまい、何の疑いもなく受け取ってしまったそうだ。(お互い確認してほしかったけど、もしかしたら送り主の書き間違いもあるかもしれないし)

妄想お化けのわたしは、

・・・宅配物が間違われると言うハプニングから出逢ったふたり。彼はイケメンで、独身で、背も高い。そして、お互いにビビっと来て・・・そんなこともあったりなかったりラジバンダリ?・・・

と考えたりしたけれど、正直、声からして年配の方だった。(なぜか)わたしがお相手のお宅に取りに伺い、無事宅配物は手元に届いた。住所を見ると、記載は間違えてなかった。(お互い確認しろ!)

実際に対面したら、やはり父と同世代くらいの方で、とても申し訳なさそうにしていたので、こちらも最大限感じの良さだけは残しつつそそくさと帰った。

これから宅配物を受け取るときは、ちゃんと住所と名前を確認しよう、と学んだだけのことだった。

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