主催ライブの作り方
すみません最初に告知だけさせてください……!
⭐️2023/05/11⭐️
「新大石兄弟」
新作のハーモニカ
マリオネットブラザーズ
大仰天
オッパショ石
の4組でネタ2本ずつと企画をやるライブです!
毎回超盛り上がっております!
絶対見にきて欲しい!
初見でも全然大丈夫ですb
周りの芸人から
「主催ライブってどうやればいいの?」
という質問をされることがよくある。
よしもとさんなんかだと劇場があるから、ライブの大体の部分さえ決めればあとは会社がスタッフさんの手配や芸人へのオファーなどもやってくれたりするけど、
よしもとさん以外の場合、全てのことを自分たちでやらなければならない。なのでハードルが高く思われている部分はあると思う。
ただ、芸人の主催がもっと増えたら良いなあという思いが僕にはある。なので、ここに主催ライブの作り方を、僕なりにではあるけど書き記してみます。
気づいたことがあったり、他にも書きたいことが増えたりすれば随時修正します。
①ライブコンセプトを決める。
まずはどういうライブを作るのかを考える。
バトルライブにするのか、漫才のみのライブにするのか、コントのみのライブにするのか、企画ライブにするのか、トークライブにするのか。
お笑いライブを見にくるお客様は、「ネタが好き」という人もいれば「芸人が企画で楽しんでるところが好き」という人もいれば「芸人が真剣な話をしているところが好き」という人もいる。多種多様。
その多種多様なお客様の中から、ターゲットを絞り込む。「ネタが好きなお客さんを集めよう」とか、「芸人の真剣な話が好きなお客さんを集めよう」とか。
あんまり1つのライブで色々やろうとしない方がいい。コンセプトが多すぎると見づらくなって逆にお客様が来ないので。「ネタと真面目なトーク」とか2個くらいあるのがちょうど良いバランス。「真面目なトーク」だけでもよし。
お客様の好みを理解するのも大事。SNSは無茶苦茶見た方がいい。そのために僕は、鍵垢やスパムアカ以外は基本的には相互フォローにしている。Twitterで流れてきたお客様の感想から、お客様がライブを見に行った時にどういうことで楽しんでいるかという意見を見ることができる。そうするとおのずとお客様の好みが理解できるようになる。
僕が主催したライブの中で一番お客様の好みを掴めたのではないかなと思ったのは、「M-1審査員体験ライブ」。僕の主催ライブ史上最も早く完売した。「芸人がどういう風にネタを見るのか」という部分に焦点を当てた、お客様が楽しみやすく、期待しやすいライブとなったことが勝因かなと思う。SNSを見た限りでは、お客様の満足度もかなり高かったのではないかと。
けど最初にやるライブで変化球なものは難易度が高いと思うので、一番ハードルが低くオススメなのは漫才オンリーのライブ。漫才が好きというお客様はすごく多いし、小道具を出す必要もなければ音響照明の複雑な操作も必要ない。なので最初にやるには漫才オンリーライブが良いと思う。ただありふれているので集客力はそこまで高くないし、そもそもコントしかやらない芸人さんだとなかなか主催しづらいと思うけど。
②劇場を予約する
どれくらいのお客様が来るかざっと予想して、その数に見合ったキャパ(客席数)の場所を予約。正直来場者数の予想は経験値でしか補えないかも。劇場は都心で駅近の場所がオススメ。どういう予約の方法があるかは劇場によって違うので調べる。市や区の施設だと事前に打ち合わせが必要なことも多い。そこは電話で問い合わせ。
最初はライブに良く使われている劇場の中から選んだ方がいい。よく使われている劇場=お客様が安心しやすい劇場なので。バイタス系列は特にお客様が慣れていることが多いので足を運んでもらいやすい。そして事前の打ち合わせも必要ない。芸人もよく出ている場所だと思うので勝手が分かっていることも多いと思う。
ちなみに喫煙所がある劇場は芸人が無茶苦茶喜ぶ。出来ればあった方がいい。
③スタッフを確保する。
音響照明スタッフ、受付スタッフ、道具出しのスタッフを確保。
なにかライブに出た際に、スタッフをやってる方に声をかけるのが最も確実。スタッフ経験もあって、やってくれる確率も高いので。
後輩芸人に手伝ってもらう方法もあるが、それも最初は経験のある人にお願いした方がいい。こっちが音響照明のことを分かってなくて後輩もわかってないみたいな状態だと無茶苦茶苦労する。
必要な人数はやるライブや劇場のキャパによって異なるけど、コントがあるライブだと最低でも3〜4人。漫才ライブだと、マイクを出しっぱなしにする、照明をつけっぱなしにするなどの工夫をすれば音響と受付の2人でも行けたりする。でも3人いれば確実。
たまにスタッフ1人だけで音響照明受付をやるライブもあるけどあんまりオススメしない。スタッフさんの労力がかかるし、受付不在みたいな状態が生まれる。あと主催の芸人が受付をやったりするライブは、お客様に軽く見られてしまいがちなのでこれもあんまりオススメしない。
ちなみにスタッフギャラは、僕は5時間拘束だと1人6000円くらいはお渡しする。
(8時間拘束で3000円みたいな主催者がかなり多いけど、正直クソだと思うのでやめて欲しい。好きなことをやってるんだから安くても良いでしょ?みたいな考え方なんだろうけど。僕がお渡ししてる額ですら本当はもっと上げたいと思っているくらい。)
④芸人をオファーする
次に芸人をオファーする段階だが、①〜③まで全て完了した上でオファーするべき。③はあとからでもなんとかなるとしても、①と②が疎かだと大事故が発生する可能性がある。
呼ぶ芸人は、ライブのコンセプトにあった芸人さん。シンプルなネタライブなら基本的には誰を呼んでも良いけど、コンセプトがあるのであればそれに沿った人。例えば「M-1審査員体験ライブ」で呼んだコンビは大まかに3パターン。
①的確な講評が出来そうな人がいるコンビ
②芸人がどう見るのか気になるタイプのネタをやるコンビ
③どういう風に人のネタを見ているのか気になるコンビ
この3パターンが必要だとライブの企画時に思ったため、それぞれを呼ぶことにした。こういうコンセプトがしっかりあるタイプのライブで好きな人だけを呼ぶのはお勧めしない。ライブに対する期待値が上がらないので。
また、シンプルなネタライブだとしてもポップなコンビで固める、あるいはアングラっぽいコンビで固めるなど、方向性を一致させると集客につながりやすい。
ちなみに僕が年に数回主催している漫才祭というライブは、目的が「M-1に近い客層にする」なので、呼ぶ芸人のジャンルをかなりバラバラにしている。そのため、集客には正直少し苦戦しているのだが、その分お客様の好みがいい具合に分散し、温かくなりすぎず、重くなりすぎずで、芸人のネタの力を試されるようなライブにできている。ただお客様の満足度も下がってしまわないように気をつけなければならない。そもそもはお客様に喜んでもらうことが大前提なので。
オファーの仕方は、基本的にはDMでOK。LINEを知ってればLINEでも。直も勿論OK。よしもとさんは、マネージャーさんの連絡先を芸人から聞いて、詳細を書いたメールを送信!闇ライブはリスクがあるので僕は闇ライブはなるべくしないようにしている。
オファーの際、ノーギャラは基本的にやめよう。ノーギャラのライブは出ないと決めてる人は結構いるし、敬意がないと思われる。2000円〜3000円が最低ライン。5000円以上だと出てくれる確率が跳ね上がる。ファイナリストとかだと10000円は渡したい。勿論関係性とかにもよるけど。
⑤告知!!
SNSやライブのエンディング等での告知活動!
たまにツイートにフライヤーを載せるだけの人がいるが、ツイートの中にコンビ名を記載した方が絶対に良い。お客様は、好きな推しのコンビ名をパブサしている人ばかり。つまり、呼んだ芸人本人が告知してくれてなくても、こっちでツイートに載せてたらお客様は見つけてくれることが多い。そして検索しやすくすることで、infoが RTしてくれたりもする。そうなると予約率がグンとアップ!
⑥当日の持ち物
持ち物で必要なのは、
・筆記用具
・予約表(予約者一覧をPDF化してくれたりする予約サイトもあるので、それを印刷)
・事前に作成した香盤表
・音響用のCD、もしくはパソコン(スタッフさんに持ってきて頂いてもよし)
・お釣り(チケ代にもよるけど、100円10枚、500円4枚、1000円札10枚、5000円札2枚もって行けばまあなんとかなる。ちなみにお客様はわざわざ価格ちょうどを用意してくれてる人も多い。ありがたい。)
・フライヤー(劇場の前に貼って、会場はここですよと分かりやすくするためのもの。サイズはA3がオススメ)
・養生テープ(香盤表を貼ったり、フライヤーを貼ったりするのに使う。ガムテープはNGな劇場が多い。)
・アルコール(消毒用。劇場側が用意してくれてることもある。)
・非接触型の体温計(↑に同じ)
・アンケートとペン(取る場合のみ)
・芸人へのギャラ(あらかじめ用意して、それぞれ封筒に入れて持っていった方がいい。当日の料金から用意するのは、ちょっとドタバタしやすい)
・企画で使う小道具(企画があれば)
・カメラ(録画するのであれば)
・配信用機材(配信するのであれば)
・MC台本と、それを挟む用のボード(ボードは、音響さん用なども含め3つくらいあると完璧)
・スケッチブックと太いペン(MCさんへのカンペを袖から出せる)
↑ざっと必要最低限なものはこれくらい。
あとはやるライブによって多少変わる。
⑦当日の流れ
主催者の入り時間は、慣れてなければ開場の2時間前くらいが良い。不安であれば3時間前。勿論事前準備が多くかかるライブはその分早く来ないとダメ。
そこから楽屋のセッティングをして、芸人が来たら場当たりを開始。場当たりの流れはライブに出てる芸人なら分かると思うので、基本はその真似をすればよし。
開場の5分前くらいからお客様の整列を始める。道に整列してもらうのであれば、通行人の邪魔にならないようガードレール沿いに、予約番号順に並んでもらうなどの工夫が必要。整列開始時間は必ずライブ詳細や予約サイトなどに記載すること。
前日に、主催者の会場入りから終演までの流れをきちんと何回も確認した方が良い。それでも当日トラブルは絶対発生するが、数を減らせる。
本当は初主催の前に誰かのライブのお手伝いを一度経験させて貰うのがベスト。色々と流れがわかるので。
そしてライブ本番!あとは思いっきり楽しもう!
⭐️番外編⭐️地味に大事なこと
・ライブタイトルは、無茶苦茶分かりやすくするのがお勧め。ライブのタイトルをオシャレにすることにこだわって、どういうライブなのかタイトルでは分からないというミスをしている人がマジで多い。
ライブの細かい内容をフライヤーに書いたり、予約サイトに書いたとしても、お客様はツイートだけを流し見する人がほとんどなので、タイトルで一発で内容が分かるようにしないとそもそも興味を持たれない。
・芸人へのライブオファーは1ヶ月半前、SNSでのライブ告知は1ヶ月前がギリ!それを切ると芸人もしくはお客様のスケジュールが埋まっていることが多い。
・オファーの際、入りから終演まで芸人がいなければならないタイプのライブはちょっとだけ難しい。芸人も結構忙しい人が多いので、予定が入っているなどで断られる可能性が若干高まる。途中入り、飛び出し可のライブはオファーのハードル低め。
・採算はかなり厳し目に見積もる!
「満席なら黒字になるなぁ」は、ほぼ100%失敗する。「これくらいのお客さんは来るかな」の予想の半分の数で収支プラマイゼロというのが最も理想。
・チケット代は、安すぎると逆にお客様の足が遠のく!
ライブに対する期待値が低くなってしまい、お客様が来なくなる。
それよりは、ある程度の価格に設定した上で、きちんとその価格に合う満足度を提供できる方法を考えるべき。
(マッハさんが昔やっていた、逆にお客様に1000円あげるライブなど、目を見張るインパクトを出せるならそれはアリ)
・告知開始と予約開始は同時にはしない方がいい!
お客様がライブの情報仕入れる前に完売してしまう、いい席が無くなってしまうというような状況を防ぐため
告知してからライブの情報が広まるまで少し時間を置く。そして予約を開始すると不公平にならない!予約開始日程、時間は最初の告知に記載!
・チケットが完売した後に出演者を追加するのは基本NG!その芸人を見たいお客様が来れなくなって嫌な思いをする。出演者追加の予定、可能性がある場合は予約数をキャパより少し減らして予約開始しよう。
(僕は、賞レース前にどうしてもネタが試したいから出させてくれと芸人から来た場合は、完売でもなるべく出て頂くようにはしている。これはお客様も理解を示してくれることが多い)
・儲けようとしすぎると、芸人の信頼を失う。
収益の計算は、外部の人間でも簡単に出来るので
「あいつ芸人にはノーギャラ(格安ギャラ)でチケット代高くとって、無茶苦茶儲けてんじゃん」と思われたらマジで嫌われる。ライブに誰も呼べなくなると思った方がいい。
僕は、価格設定を逆にミスって儲けすぎてしまったら芸人ギャラやスタッフギャラに上乗せする。とあるライブでは、芸人ギャラを拘束時間15分で1組2万円渡したこともある。
・芸人の入り時間が早すぎるライブも嫌われる。漫才ライブでしかできないことだけど、入りを出番の15分前にして、ネタ終了後帰宅可のライブは芸人に好かれやすいしスケジュール的にも出てくれやすい。
どうしても場当たりが必要なライブでも、入りは開場の1時間前くらい。それより前にはしない方がいい。
・予約は、満席になりそうなら事前精算、満席にはならなさそうならの当日受付精算がお勧め。
当日受付精算のライブは、お客様の無断キャンセルが無茶苦茶出る。予約は満席なのに無断キャンセルが出たら主催者にとっても見たかったお客様にとってもかなり痛いので、満席になりそうなライブは事前精算にするべき。パスマーケットがお勧め。大きいキャパの会場は問答無用で事前精算にするべき。受付がスムーズなので。
・終演時間は告知に記載!気にされるお客様多い!
あと写真撮影可能かどうか、出待ちできるか、差し入れできるか、企画があるかどうかも記載!
・開場時間は、早すぎても遅すぎてもダメ。最前列に座りたくて開場と同時に来るお客様は結構いる。そんな人にとって、長すぎる開場時間は苦痛。遅いのは普通にダメ。
なんとなくですが、キャパ50以内なら開場時間は10分〜15分程度、100以内なら15分〜20分。それ以上なら30分っていうイメージで。勿論スタッフさんの経験値がまだ低そうであればそれよりちょい長めでもよし。
・照明の明るさ一つとっても、ライブの雰囲気がかなり変わる。明るめにしたら気楽に見て貰いやすい。暗めにすると雰囲気が出て上品になりやすい。一長一短。漫才ライブはちょい明るめ、コントライブは暗めの方がいいかも。これはライブコンセプトによってマチマチ。
こんなところです。無茶苦茶長く書きましたが、
これでもまだまだ足りてないような気がしてならない。
最初にも書いたけど、随時修正していきます。
あとこれは俺のやり方なので、参考にして貰えるのは嬉しいけど鵜呑みにはせず!!
というところで今回は!
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