![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/66098155/rectangle_large_type_2_789d98a8f2b42d32e162c042cbfa4de8.jpg?width=1200)
秋の終わり、冬の入り口。丸の内、印象派・光の系譜展
三菱一号館美術館の「印象派 光の系譜」展。
この機会を逃したら二度と出逢えない絵、がある気がしてそわそわしていました。なんとしてでも行きたい、と思っていた展覧会のひとつです。
うまいこと機会を作ることができたので、2回見に行くことができました。
三菱一号館美術館。
イギリス積みの煉瓦が美しい建物です。
(人間に積まれたものを見るのが好きです。レンガ積みの建物ももちろん好きで、見かけるとどきどきする。三菱の歴史的建造物はイギリス積みが多い気がしています)
丸の内のオフィス街の中にぽっとあらわれるすてきな建物。
近くを通りかかるだけでもなんだか嬉しい気持ちになります。
立地もよく、毎回すてきな展覧会をやっているので、身辺が落ち着いたらサポート会員になろうかな、と検討中。
✎𓂃
展示構成は大きく4つ(水の風景と反映、自然と人のいる風景、都市の情景、人物と静物)。
何がすごかったかってタイトルにもある通り、印象派の作品ばかりの展覧会なのですね。博物館にあるロスチャイルド家(中心)の印象派コレクションからきたのですって。量もさることながら、1枚1枚が傑作ぞろい。目が飽和状態です。贅沢な空間にいるな…を何回も感じました。
✎𓂃
写真撮影が可能な広いお部屋が途中にあります。
入ったところで初めに見られるのがレッサー・ユリィの《風景》。彼の作品に出会えてよかった、と思ったの、私だけでないはず。
この《風景》に限らず、他の絵からも、少し孤独を感じる光が、鮮やかに伝わってきて目が離せなくなりました。
今回の展覧会でもしかしたら一番人気のある絵は、彼の《夜のポツダム広場》ではないかと密かに思っています。
はじめに行ったときに驚き、納得したのですが絵の前に人が集まる集まる、そしてみんな目を奪われ、動かなくなる。絵葉書も2回目に行った際には売り切れていました(今は再販されているようです)。
初来日だという絵をいくつかぱしゃり📷
好きだったのはセザンヌの《陽光を浴びたエスタックの朝の眺め》。まぶしい絵。南仏の暑さが伝わってくるような気がします。
セザンヌはじっくり描くことで有名だったようですが(『名画のを見る眼』高階秀爾)、この絵にも鉛筆の下絵跡がそこかしこに残っていました。
ピサロの《エラニーの日没》。目の前に立つとふんわりとした夕焼けの空気の中に包まれます。
筆遣いはなんとか。でも色合いは写真で捉えるのがすごく難しい。やっぱり眼で見るのがいちばんかな、と思う1枚でした。
2回目に行ったときに断然人を集めていたゴッホの《麦畑とポピー》。
ゴッホの絵は遠目に見てもゴッホだとわかるものと、そうでないものがあるのだと知ったのも今回の展覧会でした(初期のパリ時代の作品が他の部屋にあります)。
普段は単眼鏡で見て満足するのですけれど、写真を撮ることができると筆遣いなんかも思い出に残っていいですね。
展覧会の看板になっていたモネの《睡蓮》は、もちろん素晴らしかったです。
写真撮影は不可能ですが、日本の美術館からやってきた3つの睡蓮(11/30までは2つ)も別室で展示されています。
Nymphéas : paysage d’eau.
— Hiroo (@monetnympheas) December 5, 2021
Monet, Nymphéas, 1908, Tokyo Fuji Art Museum.
Monet, Nymphéas, 1907, Kawamura Memorial DIC Museum of Art.
Monet, Nymphéas, 1907, Kuboso Memorial Museum of Art.
MIMT. Photo (c) HY#睡蓮水の風景連作#久保惣記念美術館#DIC川村記念美術館#東京富士美術館 pic.twitter.com/4DWX3qZ0WU
(たぶん中の方…安井学芸員のTwitterより)
うつりゆく時間の中で、光を捉え続けたモネの眼を追体験できます。
別日に京橋のアーティゾン美術館へ行ったのですが、モネの《睡蓮》をそこでも発見。
短い期間に5枚の《睡蓮》に出逢えて嬉しい気持ちになりました。
(すてきなコレクション展をやっています。三菱一号館美術館からほど近いので午前、午後で梯子しても楽しいと思います。)
『印象派 画家たちの友情物語』はキュレーションの妙がそこかしこに。今日見られてよかったのはドガとカサットの並び展示、ゴッホの風車の絵、画家の写真。イスラエル博物館の展示でも見かけた《睡蓮の池》。モネは小さなパステル画も目を引いてきれいでした。 pic.twitter.com/N1B3qzrXyc
— 茉莉子 (@marineccco) November 30, 2021
✎𓂃
お土産
いつもより多めに絵葉書を買いました。
Eastさんが作るグッズの密かなファン。他のミュージアムグッズもたいへん素敵でした。
𓂃𓃱𓈒𓏸
美術館のまえ、あとに丸の内も散歩。
ちょっとずつ秋が増えて、冬にかわっていく様子もたくさん見られて、すてきな外出になりました。
江戸城(皇居)のお堀はとにかく他のお城とスケールが違いすぎるので、見ていて、歩いていて飽きません。
江戸城(皇居)のお堀はとにかく他のお城とスケールが違いすぎるので、見ていて、歩いていて飽きません。(お城好きの夫とともに行動をするうちに、私もすっかりお城を見る眼が鍛えられた気がします。わたしはやっぱり石垣が好き。これはおしゃれ石垣で有名な加賀藩が作った天守台。明暦の大火で一部が焦げてしまっているのだけれど、花崗岩がきらきらしていて美しく…感激しました)
ビルの合間、そこかしこに植えられている銀杏。きれいに色づいていました。
仲通りのここのお花が好きです。毎回可愛くされていてにこにこしてしまう。
𓌉◯𓇋
併設のカフェ1894でランチもしてきました。
食べたかった展覧会タイアップメニューは鶏肉と卵(さいきん、どうにも食べられなくなってしまった)がいたので、ハーブティー付きのガーデンプレートに。
右下のモルタデッラ、本当はサーモンなのです。妊娠中で生物が食べられずなので抜いてほしい旨を伝えたのですが、哀れに思ったのか変更してくださって…ありがたかったです。お会計の際にお礼をお伝えしたらお身体に気をつけてくださいね、とにこやかに言ってくださって、嬉しい気持ちで帰りました。クリスマスディナーをいつかここでしたい。
丸の内、夜になるとあちこちでイルミネーションが灯るのですね。
冬の夜に歩くのって、どうにも寒くて苦手なのですが、とてもきれいで驚いてしまいました。近くで働いている夫は横でなにやら思いを馳せて、遠い目をしていましたが。笑
丸の内、夜になるとあちこちでイルミネーションが灯るのですね。
印象派・光の系譜展、とてもよい展覧会でした。
すてきな展覧会のあとって、すごくじんわりと余韻が残っていて、目に入る光景がとてもきれいに見える気がしています。そんな時間も含めて、良い外出の時間になりました。
おしまい。ここまで読んでくださってありがとうございます。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?